英雄たちの経営力
英雄たちの経営力 第8回 蘇我馬子 その3

馬子の登場と抵抗勢力の排除  こうした時代背景を経て、馬子は表舞台に登場する。  国内では、欽明と稲目が死去することで、国家の舵取りは次の大王の敏達、馬子、物部守屋の三人に握られた。ちなみに後に馬子と共に二人三脚で国家を […]

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英雄たちの経営力 第8回 蘇我馬子 その2

大陸の情勢  古墳時代の大陸の情勢についても触れておこう。  高句麗・新羅・百済三国による朝鮮の「三国時代」は紀元前から続いていたが、半島の東北部から満州の一部までを押さえた高句麗の勢力が、ほかの二国に比べて強かった。 […]

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英雄たちの経営力 第8回 蘇我馬子 その1

国家とは何か  こんな疑問を持つ人は極めて少ないだろう。国家とはあって当然のもので、その存在意義などを考えたこところで埒が明かないからだ。しかし考えてみてほしい。あなたが農耕民だと仮定したら、自分と家族、そして土地を守っ […]

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英雄たちの経営力 第7回 白河上皇 その4

白河院政から鳥羽院政へ(承前)  白河は四十三年にわたる院政の後、大治(だいじ)四年( 一一二九)、七十七歳で崩御(ほうぎょ)する。それを待っていたかのように鳥羽院政が始まる。  白河は父の後三条と違って自ら不正の中に飛 […]

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英雄たちの経営力 第7回 白河上皇 その3

武士階級の勃興  搾取する方と搾取される方がはっきりしてくると、搾取される方は何らかの防衛手段を講じる。搾取される方とは農民であり、それを管理するのが元豪族の在地役人、すなわち公領の場合は郡司や郷司、荘園の場合は荘官にな […]

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英雄たちの経営力 第7回 白河上皇 その2

後三条上皇は院政をしたのか  こうした荘園の成長過程が、院政にも大きくかかわってくる。なぜかと言えば、公地公民制を事実上破壊されて最も困るのは天皇だからだ。律令制の建て前は公地公民制なので、天皇は私有財産を所有することが […]

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英雄たちの経営力 第7回 白河上皇 その1

古代から中世へ  「賀茂川の水、双六の賽(さい)、山法師( 比叡山延暦寺の僧兵)、これぞわが心にかなわぬもの( 思い通りにならないもの)」と言ったとされる白河上皇は、まさにそれ以外のものはすべて、思いのままになるほどの独 […]

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英雄たちの経営力 第6回 平清盛 その4

清盛の最期と鎌倉幕府  治承三年( 一一七九) に起こした政変によって朝廷から権力の大半を奪った清盛は、名実共に独裁者となる。だが治承四年の以仁王の挙兵をきっかけに、各地の不平分子たちが一斉に反旗を翻した。  また清盛が […]

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英雄たちの経営力 第6回 平清盛 その3

日宋貿易における輸入品と輸出品(承前)  こうした渡来銭への依存は室町時代中盤まで足枷(あしかせ)となり、その輸入量が減少することで慢性的なデフレを生み、それが応仁・文明の乱の遠因となったとさえ言われる。  当初、輸入し […]

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英雄たちの経営力 第6回 平清盛 その2

清盛登場 清盛は元永(げんえい)元年( 一一一八) 正月に生まれた。この頃は白河院の院政の全盛時代で、平家は祖父正盛が健在で、父忠盛も二十三歳という若さだった。 今回のテーマが「経営力」なので、軍事面の記述は割愛するが、 […]

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英雄たちの経営力 第6回 平清盛 その1

平家の興隆  今回は、平清盛の経営力について考えていきたいと思う。  寛平(かんぴょう)元年(八八九)、桓武(かんむ)天皇の曾孫(そうそん)にあたる高望王(たかもちおう)が臣籍に降下し、平姓(へいせい)を賜ったことで平氏 […]

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英雄たちの経営力 第5回 日野富子 その3

日野富子の理財センス  康正元年( 一四五五)、「かくれなき美婦人」(『応仁記』) と謳われた十六歳の富子は、二十歳の義政の許に輿入れした。ちなみに女性の美醜を書き残した史料は少ない。記録に残るのが高い身分の女性だったこ […]

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英雄たちの経営力 第5回 日野富子 その2

室町時代と貨幣経済の発展  鎌倉時代と比べると、室町時代は農業生産性が飛躍的に上がった時代だった。とくに畿内の一部でしか行われていなかった二毛作が西国から関東まで広がり、畿内では米・そば・麦の三毛作さえ行われるようになる […]

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英雄たちの経営力 第5回 日野富子 その1

日野富子って誰?  今回は、北条政子と浅井茶々(あざいちゃちゃ)( 淀殿) と共に「日本三大悪女」の一人と言われた日野富子の経営力について考えていきたいと思う。  これまで書いた英雄たちと異なり、「日野富子って誰?」と思 […]

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英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その5

鎌倉幕府とは何だったのか  端的に言えば、鎌倉幕府とは武士たちの権益を朝廷権力から守る機関だったと言えるだろう。当初から頼朝は武家政権の創出を意図したわけではなく、朝廷に従属しつつ、配下となる御家人の利益代表として朝廷に […]

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英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その4

鎌倉幕府の組織  希代の政治家・頼朝でも、当初から一貫したビジョンの下に統治機構を整えていったわけではない。とくに源氏三代の将軍が不在となった後の組織、いわゆる将軍を執権と連署が支え、その下に政所( 政治)、侍所( 軍事 […]

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英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その3

御家人管理体制  頼朝と大江広元らスタッフは、「御恩と奉公」という所領の安堵と新恩給付と引き換えに、武士たちを鎌倉幕府のために奉仕させる仕組みを生み出した。これは画期的なことで、武門のトップが、自家の郎党や所従以外の武士 […]

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英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その2

鎌倉幕府の成功要因  まず頼朝は武士の府の中心を鎌倉に定めた。これは意図的なものだったと後にされるが、実際は東国に割拠する政権、例えば平将門が目指したものを模倣したのだろう。将門と違うのは朝廷に逆らわず、軍事権門として、 […]

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英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その1

 今回は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で注目を集めている源頼朝と鎌倉幕府の経営力について考えていきたいと思う。  大河ドラマは人間ドラマ部分に注目が集まりやすいので、試行錯誤しながら統治機構を作り上げていく文士( 文官) […]

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連載小説 英雄たちの経営力 第3回 徳川家康 その5

秀吉と家康の考え方の違い  同じ天下人でも、秀吉と家康の考え方は明らかに違う。秀吉は海外との交易や鉱山を独占することで巨万の富を築いたが、その富を注ぎ込んだのは、自らの権力を誇示するための普請作事に限られた。つまり巨大城 […]

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