英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その2
鎌倉幕府の成功要因
まず頼朝は武士の府の中心を鎌倉に定めた。これは意図的なものだったと後にされるが、実際は東国に割拠する政権、例えば平将門が目指したものを模倣したのだろう。将門と違うのは朝廷に逆らわず、軍事権門として、その中に組み込まれることも辞さなかった点にある。
だが頼朝は武家政権を樹立する際、朝廷の影響力が及び難い東国を選び、そこから動かなかったのは正解だった。平家のように京都に本拠を置く限り、やがて公家化していき、朝廷の身分秩序の中に組み込まれてしまう可能性があった。そうなれば各地の武士たちの支持を失うのは目に見えている。
また、平清盛がそうだったように、洛中という狭い場所で感情的対立がヒートアップし、武力の行使に至ってしまう可能性もあった。
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『黒南風の海 – 加藤清正』や、鎌倉時代初期を描いた『夜叉の都』、サスペンス小説『横浜1963』など幅広いジャンルで活躍
北条五代, 覇王の神殿, 琉球警察, 威風堂々 幕末佐賀風雲録 など。