昭和24年10月創刊

連載小説

英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その5

源頼朝

鎌倉幕府とは何だったのか

 端的に言えば、鎌倉幕府とは武士たちの権益を朝廷権力から守る機関だったと言えるだろう。当初から頼朝は武家政権の創出を意図したわけではなく、朝廷に従属しつつ、配下となる御家人の利益代表として朝廷に駆け合うための組合長のような立場を目指していた。しかしその理念に賛同し、御家人となる武士たちが増えるに従い、政権という体裁を取るようになったというのが実態だろう。

 そして頼朝の謎の死、頼家の失脚、実朝の謀殺といった事件を経て、源氏将軍は三代で途絶え、鎌倉幕府は北条氏のものとなっていく。そして些細な誤解の積み重ねが疑心暗鬼を増幅し、遂に鎌倉幕府と朝廷の軍事衝突が勃発する。承久の乱である。

 しかし賊軍とされながらも、「時代を逆行させたくない」という御家人たちの輿望を担った北条義時は朝廷軍を打ち破り、完全な覇権を握ることになる。

続きは本誌紙面を御覧ください

伊東 潤
矢野 元晴