英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その4
鎌倉幕府の組織
希代の政治家・頼朝でも、当初から一貫したビジョンの下に統治機構を整えていったわけではない。とくに源氏三代の将軍が不在となった後の組織、いわゆる将軍を執権と連署が支え、その下に政所( 政治)、侍所( 軍事)、問注所( 裁判) を担当する明確な組織は、幕府草創期にはなかった。頼朝の時代の地方の統治機関は京都守護や奥州総奉行くらいだったが、これが北条得宗家の時代になると、六波羅探題や鎮西探題などによって、より発達した組織に変わっていく。
鎌倉時代初期において組織的なものの萌芽が見られるのは、文治元年( 一一八五) 十一月のことだ。朝廷は頼朝の求めに応じ、「日本国総追捕使・日本国総地頭」という官職に任命し、さらに配下の御家人たちを頼朝の代理として、「総追捕使・地頭」として任命した。
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『黒南風の海 – 加藤清正』や、鎌倉時代初期を描いた『夜叉の都』、サスペンス小説『横浜1963』など幅広いジャンルで活躍
北条五代, 覇王の神殿, 琉球警察, 威風堂々 幕末佐賀風雲録 など。