英雄たちの経営力 第6回 平清盛 その2
清盛登場 清盛は元永(げんえい)元年( 一一一八) 正月に生まれた。この頃は白河院の院政の全盛時代で、平家は祖父正盛が健在で、父忠盛も二十三歳という若さだった。 今回のテーマが「経営力」なので、軍事面の記述は割愛するが、 […]
英雄たちの経営力 第6回 平清盛 その1
平家の興隆 今回は、平清盛の経営力について考えていきたいと思う。 寛平(かんぴょう)元年(八八九)、桓武(かんむ)天皇の曾孫(そうそん)にあたる高望王(たかもちおう)が臣籍に降下し、平姓(へいせい)を賜ったことで平氏 […]
英雄たちの経営力 第5回 日野富子 その3
日野富子の理財センス 康正元年( 一四五五)、「かくれなき美婦人」(『応仁記』) と謳われた十六歳の富子は、二十歳の義政の許に輿入れした。ちなみに女性の美醜を書き残した史料は少ない。記録に残るのが高い身分の女性だったこ […]
英雄たちの経営力 第5回 日野富子 その2
室町時代と貨幣経済の発展 鎌倉時代と比べると、室町時代は農業生産性が飛躍的に上がった時代だった。とくに畿内の一部でしか行われていなかった二毛作が西国から関東まで広がり、畿内では米・そば・麦の三毛作さえ行われるようになる […]
英雄たちの経営力 第5回 日野富子 その1
日野富子って誰? 今回は、北条政子と浅井茶々(あざいちゃちゃ)( 淀殿) と共に「日本三大悪女」の一人と言われた日野富子の経営力について考えていきたいと思う。 これまで書いた英雄たちと異なり、「日野富子って誰?」と思 […]
英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その5
鎌倉幕府とは何だったのか 端的に言えば、鎌倉幕府とは武士たちの権益を朝廷権力から守る機関だったと言えるだろう。当初から頼朝は武家政権の創出を意図したわけではなく、朝廷に従属しつつ、配下となる御家人の利益代表として朝廷に […]
英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その4
鎌倉幕府の組織 希代の政治家・頼朝でも、当初から一貫したビジョンの下に統治機構を整えていったわけではない。とくに源氏三代の将軍が不在となった後の組織、いわゆる将軍を執権と連署が支え、その下に政所( 政治)、侍所( 軍事 […]
英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その3
御家人管理体制 頼朝と大江広元らスタッフは、「御恩と奉公」という所領の安堵と新恩給付と引き換えに、武士たちを鎌倉幕府のために奉仕させる仕組みを生み出した。これは画期的なことで、武門のトップが、自家の郎党や所従以外の武士 […]
英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その2
鎌倉幕府の成功要因 まず頼朝は武士の府の中心を鎌倉に定めた。これは意図的なものだったと後にされるが、実際は東国に割拠する政権、例えば平将門が目指したものを模倣したのだろう。将門と違うのは朝廷に逆らわず、軍事権門として、 […]
英雄たちの経営力 第4回 源頼朝 その1
今回は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で注目を集めている源頼朝と鎌倉幕府の経営力について考えていきたいと思う。 大河ドラマは人間ドラマ部分に注目が集まりやすいので、試行錯誤しながら統治機構を作り上げていく文士( 文官) […]
連載小説 英雄たちの経営力 第3回 徳川家康 その5
秀吉と家康の考え方の違い 同じ天下人でも、秀吉と家康の考え方は明らかに違う。秀吉は海外との交易や鉱山を独占することで巨万の富を築いたが、その富を注ぎ込んだのは、自らの権力を誇示するための普請作事に限られた。つまり巨大城 […]
連載小説 英雄たちの経営力 第3回 徳川家康 その4
家康の治水(ちすい)事業 戦国時代というと、常に戦乱状態で、田畑は荒廃して農民は困窮にあえぎ、武士たちは殺し合っていたかのようなイメージがある。果たしてそれは正しいのだろうか。 実は人口学の観点から見るとと、戦国時代 […]
連載小説 英雄たちの経営力 第3回 徳川家康 その3
では、かつて鎌倉幕府のあった鎌倉はどうだろう。 鎌倉は東西北の三方を山に囲まれ、南の一方だけが海に開けた馬蹄形(ばていけい)の地形をしていることから、九条兼実(くじょうかねざね)の日記『玉葉(ぎょくよう)』では「鎌倉城 […]
連載小説 英雄たちの経営力 第3回 徳川家康 その2
家康の江戸入部 東京への一極集中についての議論が行われるようになってから久しいが、近頃は「地方への首都機 能の移転」といった言葉も聞かれなくなり、半ばあきらめムードが漂っている。 それだけ首都東京というのは根付いている […]
連載小説 英雄たちの経営力 第3回 徳川家康 その1
凡庸(ぼんよう)な男から天下人へ 家康については、これまで小説、エッセイ、ノンフィクションなど様々な角度から書いてきた私だが、今回は新たな視点、とくに天下政権の経営面から家康を掘り下げていきたいと思う。 家康がなぜ天 […]
連載小説 英雄たちの経営力 第2回 豊臣秀吉 その5
こうした奇跡的な仕組みを編み出し、実際に成果を上げた秀吉と利休だったが、蜜月は長くは続かなかった。次第に秀吉は賢明さを失い、金の卵を産み続ける利休を殺してしまう。その理由は単純だ。 秀吉本人に黄金の茶室を生み出せるよ […]
連載小説 英雄たちの経営力 第2回 豊臣秀吉 その4
ところが信長の「御茶湯御政道」が軌道に乗り始めたところで本能寺の変が起こる。 この時、信長は安土から『九十九髪茄子( つくもかみなす)』『勢高肩衝( せいたかかたつき)』、そして前述の『珠光小茄子』といった名物の茶入 […]
連載小説 英雄たちの経営力 第2回 豊臣秀吉 その3
信長の天才的発想 安土桃山時代は、世界的に貨幣制度が混乱した時代でもあった。というのも、日本が渡来銭( 銅銭) を受け容れて五百年が経ち、日本国内での流通量が増えてきたのと反比例するように、大陸国家( 当時は明) での […]
連載小説 英雄たちの経営力 第2回 豊臣秀吉 その2
人間関係を重視した秀吉 少年時代の秀吉は、遠江国人の松下加兵衛之綱( まつしたかへえゆきつな) に仕えた後、その許を去り、織田信長に仕えるようになった。だがその時期や経緯は全く不明だ。 一つのヒントとして、前田利家と […]
連載小説 英雄たちの経営力 第2回 豊臣秀吉 その1
出自の謎と仮説 織田信長に続く天下人として今日でも人気が高い豊臣秀吉だが、その出自については、いまだ明らかになっていない。史実として認定されているのは以下の二点になる。・尾張国愛知郡中村の出身だった・尾張国を離れ、遠江 […]
