連載小説 英雄たちの経営力 第2回 豊臣秀吉 その1
出自の謎と仮説
織田信長に続く天下人として今日でも人気が高い豊臣秀吉だが、その出自については、いまだ明らかになっていない。史実として認定されているのは以下の二点になる。
・尾張国愛知郡中村の出身だった
・尾張国を離れ、遠江国で松下加兵衛に奉公した
秀吉は勝幡( しょばた) 織田氏の足軽だった木下弥右衛門を実父、同じく同家の同朋( どうぼう) だった竹阿弥( ちくあみ) を継父とするというのが定説だが、竹阿弥を実父とするものもあり、はっきりしたことは分かっていない。
実は、秀吉は己の出自を隠したかったのではないか。これまでは身分が低かったから隠したかったと言われてきたが、いかに貧しくとも農民なら隠すこともないはずで、別の隠したい理由があったのだろう。それを探る手立てがないこともない。
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『黒南風の海 – 加藤清正』や、鎌倉時代初期を描いた『夜叉の都』、サスペンス小説『横浜1963』など幅広いジャンルで活躍
北条五代, 覇王の神殿, 琉球警察, 威風堂々 幕末佐賀風雲録 など。