昭和24年10月創刊

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特別寄稿 NY視察2018から見る、百貨店のさらに恐ろしい未来 第1章

株式会社クリック&モルタル
代表取締役 大和 正洋

自己紹介

 2001年、明治大学卒業後、6年間の大手金融ファイナンス会社での経験を得て、アメリカビジネススクール、早稲田大学大学院商学研究科(ビジネススクール)にて2 年間修業を経てMBA取得。MJYコンサルタントでは出店戦略を中心に10年以上のキャリアを持ち、今話題のワークマンプラス・ワークマン女子、ビーズクッションのヨギボーなどの出店をサポート。2019年は500店舗以上の出店をサポートをいたしました。

 今回はニューヨーク(以下NYとします。)視察で、日本の商業施設・百貨店の未来を垣間見ることができましたので、ご紹介致します。NYで見たのは、ECに押される小売店、ショッピングモール、百貨店でした。まさしく、消費者の購買行動の変化そのものでした。そして逆に、ペルトンに代表されるネット企業が、実店舗を展開し始めています。10年後には、日本もアメリカ同様EC比率が10%を超えることは間違いなく日本にも確実に訪れる変化だと考えています。

友人に会うべく、NY視察を企画

NY視察旅行は、NYに滞在している会計事務所勤務の大学同期に久しぶりに会うという、軽い気持ちで企画しました。彼からは、現地(NY)の好景気ぶりと、商業施設の運営が厳しくなっているという話を聞き、彼とひさしぶりに会うついでに、現地の様子を視察できれば十分だという程度の、軽い気持ちで視察に行くことを決めました。

 日々の忙しいコンサルティング業務から逃げるかのように、一気に旅程を組み、決行しました。

 確かに、日本のメディアなどでは商業施設や実店舗の運営が厳しいという話を聞きますが、当時のニューヨークは景気がよく、株価も最高値で、ECに限らず、小売店であっても、物がよく売れているのではないかと思っていました。NY市内の活気、観光地でもある町の商業施設とNY郊外の商業施設の活気を期待して飛行機へ飛び乗りました。

 旅程としては、ニューヨークからボストンまで車でいくプランを立てました。もちろんボストンではボストンレッドソックスのチケットも購入していました。日帰りでボストンプランをして、帰れなく途中でホテル探しするとは思いもせず、、。

当時のアメリカの景況感と商業施設事情

アメリカにおけるEC比率は日本よりも高く、ECに押される形で実店舗が苦戦しているというのは、新聞その他を賑わしている既知の話。

「小売業の崩壊」by Business Insider

Business Insiderにおいて、”The retail apocalypse has officially descended on America” として、アメリカの小売業の「崩壊」が叫ばれ、3800以上の店舗が閉店すると示唆されています。

百貨店の淘汰

 メイシーズ(Macy’s)シアーズ( S e a r s )JCペニー(JCPenney)などの百貨店が境地に追い込まれています。百貨店は、ショッピングモールのキーテナントのはずです。百貨店が窮地に追い込まれたことによって、モールには何が起こっているのでしょうか。
アメリカのモールにおける、キーテナントの状況を実際に確認したいと思います。

アパレルブランドの淘汰(専門店の淘汰)

トイザらス、衣料ブランドのBCBG、アバクロンビー& フィッチ(Abercrombie &Fitch)、Bebeなどが数十店舗を閉鎖しています。

アパレルチェーンのウエットシール( Wet Seal)も、2017年初めに、全171店舗を閉めました。何が起こっているのか、現場を確認したいと思います。

日本では健在の店舗も、アメリカでは大量閉店

「クロックス」の閉店

 クロックスは2017年に多くの店舗を占めたが、2018年にはさらに49店舗を閉めました。

 クロックスは日本ではまだまだ健在ですが、アメリカでは大量閉店です。
(その後、2019年に日本のららぽーとにある店舗は全店クローズされました。)
同じく、まだ日本では健在であるGAP、トイザらス、オールドネイビーなども視察してきました。

「ギャップ」が230店閉店

 トイザらスは、2018年連邦破産法11条を申請し、事業の再構築を図ったが、結局アメリカ国内の全735店舗を清算している
「オールドネイビー」が独立企業に(2019年2月発表)

ドラッグストアすらも淘汰

 ドラッグストア大手のウォルグリーン(Walgreens)はそれぞれ数百店舗を閉鎖する。シアーズは2018年、すでに閉鎖している160以上の店舗に加えて、63店舗を閉鎖する。内訳は、Kマート15店舗とシアーズ48店舗。

ECのアメリカ市場と日本の市場の比較

アメリカは好景気ですが、その背後では店舗が大量に閉店しています。ブランドの廃止も続いています。
日本ではまだ元気なのになぜでしょうか?

アメリカでは百貨店すら倒産しています。
かれらはもうすぐ日本からもなくなるのでしょうか。
ここで日本とアメリカのEC市場を比較しておきます。

ネット通販市場EC化率
アメリカ市場10%以上
日本市場16.5兆円5.79%

日本はまだまだEC化率が低く、今後、上昇することは間違いない。

アメリカ視察で行ったこと

 ショッピングモールや百貨店で、ものが売れずに空床が増えていることの確認と、逆に、IT業界の強烈な店舗展開を実感。
ネットとサブスクリプションのこれからの新しい店舗体験「タッチモデル」を体験しました。

次回予告

いよいよ次回から、私が実際に目にしたことをご紹介いたします。
好景気のアメリカで、ECに押されているとはいえ、店舗でモノが売れている光景を見られると思ってアメリカに来ました。
ところが、百貨店やショッピングモールを見て回ったところ、実際には予想とは大きく異なり、大きな衝撃を受けました。

ものが全く売れてない!
地獄の百貨店巡りが始まった!