特別寄稿 NY視察2019から見る、百貨店のさらに恐ろしい未来 第4章

株式会社クリック&モルタル
代表取締役 大和 正洋

自己紹介

 2001年、明治大学卒業後、6年間の大手金融ファイナンス会社での経験を得て、アメリカビジネススクール、早稲田大学大学院商学研究科(ビジネススクール)にて2 年間修業を経てMBA取得。MJYコンサルタントでは出店戦略を中心に10年以上のキャリアを持ち、今話題のワークマンプラス・ワークマン女子、ビーズクッションのヨギボーなどの出店をサポート。2019年は500店舗以上の出店をサポートをいたしました。

 今回はニューヨーク(以下NYとします。)視察で、日本の商業施設・百貨店の未来を垣間見ることができましたので、ご紹介致します。NYで見たのは、ECに押される小売店、ショッピングモール、百貨店でした。まさしく、消費者の購買行動の変化そのものでした。そして逆に、ペルトンに代表されるネット企業が、実店舗を展開し始めています。10年後には、日本もアメリカ同様EC比率が10%を超えることは間違いなく日本にも確実に訪れる変化だと考えています。

第4章 ニューヨーク市内の話題店(その2)

前回に引き続き、ニューヨーク市内の旗艦店を中心に紹介します。

EXPRESS – ギャップが展開するカジュアルアパレル

 ギャップが展開するカジュアルのレディースファッションブランド「エクスプレス」ニューヨーク市内にかなりの店舗数を展開しておりました。実際に店内を見てみると商品的な差別化があまりされておらず、売り上げは厳しいと思われます。まだまだ日本に来るには難しいブランドではないかと感じました。

lululemon – 勢いのあるリラックスウェア

 ここ最近伸びている会社といえばルームウェア、ヨガウェアなどの展開するルルレモンではないでしょうか。モールでも多く展開しています。ニューヨークの本店を見たらその勢いを実感することができました。日本にもここ最近展開をされており、ここは日本にも展開をし始めたという企業ということで見ていただけたらと思います。

Jcrew,Madewell

こちらのブランドは正直、店舗を見て、日本のカジュアルウェアとあまり変わらないようなイメージを持ちました。昨年末からのコロナ禍の影響で、5 月初旬「J.クルー」が日本の民事再生法(チャプター11)を申請、「メイドウェル」を含めると、全米で500店以上を展開しており、残念な結果になりました。

Jcrew

レディース、スタイリッシュ最近デザインを一新。
価格帯は100 – 200ドル

Made well

レディース、Jcrewの姉妹ブランドカジュアルアパレル郊外モールでも展開していました。50坪前後。価格帯は50 – 100ドル

LOFT – NYワーキング向け・エレガン

 写真でも見えるようにお店の展開がとっても綺麗で、日本でウケそうなブランドです。
 ただし、名称が「ロフト」なので、店名のライセンスが取れるのかが気になります。洋服のテイストはZARA、H&Mに負けないイメージを受けました。

Aeropostale – ゆったりスポーツ

 学生ご用達のお店です。かなり大箱で展開するブランドで、アバクロに近いテイストで若い人たちのターゲットをしっかりと抑えているブランドだと思います。アバクロの代替という立ち位置になるかもしれません。日本に来たら面白いでのはないかと思いました。

Charlotterusse – ガーリー・キュート

アジア人のファンが多そうなテイストのブランドでした。日本での展開もありえるのではないでしょうか。

Free people – レトロビンテージ

カジュアルなエレガンス 安定したファンを取り込めるようなブランドでした。

Club monaco 大人のカジュアルアパレル

内装に大変こだわった店内で、白ベースですが、少しアバクロにも似ているような店舗内装した。単価は比較的高く、1万から2万の商品を揃えており、ニッチなファンを捉えている感じです。

Dominiqueansel barkery イートインスペースが魅力的なベーカリー&スイーツ

 ガイドブックで見た、ナンバーワンのベーカリー・ショップ入り口は普通ですが、中に入ると花畑が広がる日本と全く違ったイートインスペースになっており、ニューヨークらしさを感じました。

次回

ニューヨーク郊外ショッピングモールの衝撃