昭和24年10月創刊

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編集部より

特別寄稿 NY視察2019から見る、百貨店のさらに恐ろしい未来 第2章

株式会社クリック&モルタル
代表取締役 大和 正洋

自己紹介

 2001年、明治大学卒業後、6年間の大手金融ファイナンス会社での経験を得て、アメリカビジネススクール、早稲田大学大学院商学研究科(ビジネススクール)にて2 年間修業を経てMBA取得。MJYコンサルタントでは出店戦略を中心に10年以上のキャリアを持ち、今話題のワークマンプラス・ワークマン女子、ビーズクッションのヨギボーなどの出店をサポート。2019年は500店舗以上の出店をサポートをいたしました。

 今回はニューヨーク(以下NYとします。)視察で、日本の商業施設・百貨店の未来を垣間見ることができましたので、ご紹介致します。NYで見たのは、ECに押される小売店、ショッピングモール、百貨店でした。まさしく、消費者の購買行動の変化そのものでした。そして逆に、ペルトンに代表されるネット企業が、実店舗を展開し始めています。10年後には、日本もアメリカ同様EC比率が10%を超えることは間違いなく日本にも確実に訪れる変化だと考えています。

第2章 ニューヨークにおけるデパートの衝撃

観光都市・ビジネス都市のニューヨークシティ。
ひとたび町を歩けば、店舗、ブランドショップ、カフェ、ビジネス街など様々な町の変化を楽しむことができ、ネット通販が急拡大している国とは思えないくらいリアル店舗が充実していました。

サックス・フィフスアベニュー

1867年創業の高級百貨店
NY五番街に旗艦店を持つ

 街には人が溢れていて、まさに活気あるNY。ところが、ひとたび百貨店へ入ると、様子が一変する。客がいない。

 地下の入口はしまっており、1Fメインフロアでも活気が弱く、不安を感じた。

LORD&TAYLOR

1826年創業で200年近い歴史があるが、2019年廃業

マンハッタンモールの百貨店「JCペニー」

1902年創業マンハッタンモールにキーテナントとして、1Fと地下フロアに出店している。
SOHO地区から近い。

 マンハッタンモール1F入口には、集客力のあるアパレル大手の Aeropostaleが出店しているが、JCペニーの客は少ない。人気アパレルテナントが入っていても、百貨店との顧客回遊性は少なく感じた。キーテナントにも関わらず、商品は乱雑に並べられ、お客様もまばらであった。日本人がよく知る、かつてハワイのアラモアナショッピングモールの中にあったJCペニーのイメージとは大きく違っていました。

 写真からも、マンハッタンモール前を通る人の多さと、JCペニー店舗内のお客様の少なさが伝わるとおもいます。JCペニーの窮状をイメージできるのではないでしょうか。

 2Fはテナントゾーンであり、サービス・紳士服があるものの、人気無し、半分は空き区画になっていた。

Pennsy(ペンジー) の成功事例「フードホール」

 マンハッタンモールの隣に目を向けてみると、多くのオフィスビルがあるが、その中に、Pennsyという、フードホールへの改装で成功を収めた施設がある。

 昨今ニューヨークでは、フードホールが活気を帯びている。ファストフードを離れ、フードホールでオーガニックに象徴されるような、安全で、健康的な食事を摂るようになってきている。美と健康、食への投資が優先事項となってきている。

写真をみてもマンハッタンモールと違い、非常に活気がある。

フードホールとは

 日本のSCにあるフードコートは、家族向けで、大手のファストフードが多く、どこに行っても、同じ店を見受ける印象です。

 一方、アメリカのビジネス街に有る「フードホール」は、オフィスワーカーが対象で、単価も高く、バラエティに富み、テイクアウトにも対応しています。夜になると、お酒を飲む場としても使われています。

Brookfieldplace

 ワールドトレードセンターの跡地に建てられた、4棟の超高層ビル。その中のキーとして Hundon EATのフードホールが作られている。

1つ3000円するサラダ弁当(チョップドサラダ)には、行列ができている。

ゆったりとしたイートイン席からはハドソン川を眺めることができる。オフィスに戻って食べる人が多いのか、席は比較的空いている。

Eataly

 また、Brookfield placeの近くには、日本でも展開する Eatalyなどもある。イタリアをコンセプトに様々なレストラン、物販店が所狭しと展開する複合ゾーンであり、多くのお客様が食事と買い物を楽しんでいた。

 Brookfieldplaceの周りにはEatalyだけでなく、日本にも展開している話題のウルフギャング(肉専門店)やメキシコ料理、デリ、サンドウィッチ・ブリトーなどの様々な飲食店が展開をしていた。地域一帯が、食を楽しむゾーンとして成立している。日本ではコンビニで購入しそうな商品も1000円以上する食専門店が多く見られた。

NY市内で活躍する新たなプレイヤー

ネットとリアルの融合店舗など

Amazonの実店舗 ~ ECサイトの実店舗 ~

 Amazonは日本でもサービスを展開しているが、日本ではまだ、リアル書店も数多く存在している。

 一方アメリカでは、Amazonの影響で、実に多くのリアル書店が消失した。そして逆にAmazonがリアル書店を運営している。通販のみならず、実店舗としてもAmazonが書籍の新たなプレイヤーとして存在している。購入するときは店頭で自動でアマゾン価格になって買うことができるのは斬新であった。日本では書店で新刊書の値引きがあるなど想像できないであろう。

WarbeyParker ~オンラインから実店舗へ~

 WarbeyParkerはもともと、オンラインでメガネやサングラスの販売を行っており、その商品のデザイン性の高さと低価格で人気を集めた。その後、リアル店舗に進出。2013年に1号店をオープンし、今ではアメリカ国内で30店舗以上を展開している。店舗では、販売だけでなく、オプトメトリスト(検眼医)による検査や、店員が実際にフレームサイズをチェックしてくれるサービスが受けられる。

ナイキの専門店 ~スポーツの強さ~

 アメリカの町を歩く中、食の勢い・活気に圧倒されていた中で、食以外で唯一アメリカ人の消費力を感じることができたのが、スポーツブランドライフスタイルであると感じました。

ナイキの大型店

4フロアあるナイキブランドの店舗でも、いたるところに靴とパンツ、シャツが並べられ、高額な商品を購入する人が多く見られた。

 アメリアのファッションブランドの歴史を見ると、DCブランド、カジュアルブランド(GAPなど)、スポーツブランド(ナイキ)へとライフスタイルがシフトしている。日本のファッショントレンドも、ユニクロなどのカジュアルから次は、スポーツへと追随するのではなかろうか。スポーツアパレルの勢い、幅広い品揃えを要する大型店舗が次のトレンドかもしれない。

US POLO ~アパレルの特徴のある売り方 単一価格とディスプレイ~

 実は、POLOだと勘違いして入った店だが、商品は5000円前後でPOLOラルフローレンではなく、商品も雑でほつれも目立ち、品質的に日本での展開は難しいと感じた。

 だが、とても繁盛していたのは事実。思い返してみると、集客、購入にいたる経緯としては、単一価格で分かりやすく、陳列も見事に大胆で、集客をとっていました。ポロシャツ、30~50ドルの均一料金、天井まで積み上げたディスプレイを楽しみながら買う姿も、まさにコト消費だと思いました。上の段まではしごを出してとっている姿も良かったです。観光地ならではの、体験を売り込む販売戦法だと思いました。

次回予告

特別寄稿 NY視察2019から見る、百貨店のさらに恐ろしい未来 第3章