デパート破産 第17回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
大沼デパートについてのノンフィクションを書くに当たって、エレベーターガールの証言は欠かせないと思った。とはいえ、確たる狙いがあってではない。単純な連想ゲームのようなもので、私の中では「デパート」と「エレベーターガール」 […]
デパート破産 第16回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
̶軒下貸します。 突然の破綻から間もなく2年になる2022年1月の初旬、旧大沼デパートの土地建物を所有する「一般財団法人山形市都市振興公社」がそう発表した。 朝日新聞の記事(1月15日)によると、中心街の大通りに面し […]
デパート破産 第15回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
デパートのなくなる街が増えている。人口が減り、景気には長らく暗雲が垂れ込めて、さらに人々の趣味や嗜好が細分化されてゆくとなれば、大きな建物を構えてたくさんのお客を呼び込もうという業態は厳しいのだろう。 どこかでデパー […]
デパート破産 第14回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
—将来、子どもたちがね「小さいころの思い出はショッピングモールです」なんて話してると想像したら寂しいじゃないですか。 『さよならデパート』の制作中、取材相手からそんな言葉が漏れた。その方の考えを語ってもらうのが趣旨なの […]
デパート破産 第13回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
2023年8月現在、旧大沼デパートの跡地利用について具体的な発表はないままだ。築年数や耐震性の理由から建物の解体は避けられない。 大枠としては、地元地権者・商工業者・行政が組んで「(仮称)まちづくり委員会」を設置、中心 […]
デパート破産 第12回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
2022年4月の終わりごろ、私の本が書店に並んだ。 大沼デパートについて書こうと着想を得てからおよそ1年半が経っていた。その間、コロナ禍で料理店はまともな商売にならなかったが、国や自治体からの給付金があったので、店を […]
デパート破産 第11回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
2020年1月に大沼デパートが破綻すると、「初の百貨店ゼロ県」として全国的に報道された。ただし山形県の一部では「百貨店はまだ残っている」という声が上がる。「清水屋」があったからだ。(注:2011年6月より「マリーン5清 […]
デパート破産 第8回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
幸いにも、という表現は適切ではないだろう。だが大沼デパートは、間もなく襲ってくる「コロナ禍」に巻き込まれることなく、その生命を終えた。 一方、私はコロナ禍によって大沼により接近してゆく。 山形市の日常に恐怖が差し込 […]
デパート破産 第7回 ~山形県からとうとうデパートの灯が消えた~
会見の場で社長は、沈痛な表情を浮かべた。用意された椅子に腰を落とさず、終始立ったまま、何度も頭を下げて記者に向かい合ったという。 社長は突然の破綻の理由として、増税や気候を挙げた。消費税率の上昇によって顧客の購買意欲 […]