デパートのルネッサンスはどこにある? 2021年01月01日号-16

~ 閑話休題「夢のオリンピック」 ~

2021年に東京オリンピックを開催出来る、と考えている人は全国にどれだけいるだろう。
12月15日にNHKのアンケート結果が発表された。

結果は、

開催すべき27%
中止すべき32%
更に延期すべき31%

中止と延期を合わせると62%の人が、2021年のオリンピック開催に否定的だったということになる。

 不思議なのは、政府関係者だけでなく、新聞や他の民放はオリンピック開催の可否について触れようとしない。大手マスコミ(民放キー局と系列新聞)はオリンピックの放映権について、利害関係者であるからなのか、政府に睨まれると困るからか、定かではないが。

 世界中からアスリートだけでなく、報道関係者、観客など、コロナ前のインバウンド需要に倍する「訪日」を期待していた、「おもてなし」の国ニッポン。

 国民の大多数は、2020年大会の延期を決めた半年後、(しごく当然だが)2021年の開催は諦めざるを得ない、という結論に至った。開催すると言い張る関係者は、もはや少数派に含まれるコトとなった。残念ながら。

 オリンピックだけでなく、コンサートやライブイベントもほとんどが中止されたが、一方で無観客ライブのインターネット配信という新しい手法が増えている。サザンオールスターズの様な、スタジアムを使ったメジャーどころだけでなく、大小様々なライブ配信が行われ、多くの観客がステイホームのまま、自宅でライブを楽しんだ。

 東京オリンピックも、この手法で実施したらどうだろう。何もコロナ感染の心配をしながら、東京(周辺)に人を集中させる必要はない。種目ごとに、全国いろいろな場所で、期間も半年~1年かけて、順番にやれば、観客の見逃しも無いし、マイナーなスポーツにも光が当たるのではないだろうか。

 依然、閑古鳥の鳴く地方の飛行場へ、チャーター便で選手と関係者を運び、観光バスで会場までピストンすれば、赤字に苦しむJALやANAだけでなく中小観光バス会社の救済にもなるはずだ。地方経済の活性化にも繋がり一石三鳥だ。

 タイトルだけは、東京大会ではなく、「ジャパンローカルオリンピック大会」に改名すれば良い。

 人気種目にはVRを導入し、富裕層はライブ配信に、破格の観戦チケット料を支払う、という仕組みはどうだろう。

 これで日本は、史上初めて延期(中止)されたオリンピックではなく、バーチャル配信、ライブ配信された最初のオリンピックという、栄誉を手にすることもできる。

 夢の様な話だと思われるだろうか。そもそもオリンピック自体が、戦争や紛争といった国際状況下でも実施され、世界平和にも貢献してきた、奇跡のイベントではないか。

 容易な事ではないだろうが、技術的に不可能なコトではもはやないだろう。是非実現したい。

 その時には最初の提唱者として、筆者の名をオリンピックの歴史に残して貰っても、一向にかまわない。アイデア料は謹んで返上するので、医療従事者への寄付に回してほしい。
ネット記事であれば、「いいね!」が沢山貰えそうだ。

連載 デパートのルネッサンスはどこにある?

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