地方デパート逆襲( カウンターアタック、CA)プロジェクトの一環として「お化か屋敷」を開催

選べるガチャガチャランド秋の特別企画 松菱百貨店7 階「銚寿庵」にて

 いきなりですが、表題の「お化か屋敷(おばかやしき)」は「お化け屋敷」の誤植ではありません。O BA KA で合っています。

 「ちょっとおバカなお
化けの攻撃をクリアして、呪いの祠ほこらからカプセルトイを持ち帰れ!!」という、ミッションをクリアする体感型イベントです。10月24日(金)、25日(土)、翌31日(金)の3日間、ハロウィン連動企画として、デパート新聞社主催により三重県津市の松菱百貨店7階の蕎麦屋「銚寿庵」を舞台に「お化か屋敷」を開催しました。

 裏話ですが、「お化か屋敷」を開催した3日間は、いずれも「銚寿庵」の蕎麦屋としての昼間の営業を14時30分で終了し、15時から「お化か屋敷」の準備をする、という言わば二毛作システムなのです。

 そして、辺りが暗くなった18時30分から20時30分までが 「お化か屋敷」タイムとなり、昼間は銚寿庵や選べるガチャガチャランドで働いていたスタッフが、お化けに扮して、お客様を「怖がらせる」のです。

 さて、お化け屋敷は、昔から日本の夏休みの風物詩でした、今はお祭りや遊園地でもあまり見かけなくなり、大きなテーマパークでも「洋風」のゾンビばかりが幅を利かせています。

 それでも外来の「ハロウィン」は若者のイベントとしてすっかり定着しました。渋谷での惨状は毎年ニュースになっています。渋谷区長が「10月31日は渋谷に来ないで!」と訴えたというのですから、地方デパートとしては、只々うらやましい限りですが。

 デパート新聞そして松菱百貨店としては、日本伝統のホラーイベントである「お化け屋敷」をアップデートしたいと考え「お化か屋敷」を立案しました。

 とは言え、シロウトが簡単に出来るイベントではないので、7階蕎麦屋「銚寿庵」のネーミングの元になった、銚子電鉄にプロデュースの一端を担っていただきました。銚子電鉄はJR総武本線の執着駅である銚子駅から外と か川わ駅を結ぶローカル線です。
※因みに銚子市は千葉県の地図でいうとマスコットであるチーバ君の耳の先ですね。

 その銚子電鉄は昨年の夏休みに「お化け屋敷電車」を運行し、話題を集めました。

 今回はその時のお化け(衣装)たちにも、はるばる三重県まで出張して貰ったのです。ついでに大道具や小道具もレンタルしています。

 「そう言えば午後6時30分スタートって、松菱の閉店時間じゃないか!」と思ったそこのあなた、津市民ですね。そうなのです、この企画は夜限定の企画なのです。午後7時過ぎに「お化か屋敷」のために来店されたお客様は「閉店後のデパートに入るってちょっとワクワクする」とおっしゃっていました。ナイトイベントの醍醐味というのは、こうした高揚感をも演出するんだな、デパートは「物を売るだけ」ではないんだな、と感じさせられました。

 ざっと概要を説明します。入場料は大人500円、中学生以下は200円ですが、銚寿庵の入口で料金を支払い、小型の懐中電灯を手渡されます。それを照らしながら恐る恐る中を進みます。その間にお化けたちが現れて・・・ この先はネタバレになるので割愛しますが、最終的には会場最奥の祠ほこらからお宝であるカプセルトイを持ち帰ります。
※祠ほこらとは神を祀る小さな社殿を指す「神庫(ほくら)」が語源。

 これはもれなく貰えるので、実際はほぼ無料でお化け屋敷体験が楽しめるという趣向です。そして、入場料収入はすべて奥能登支援に寄付されますので、スリリングな体験をして、カプセルトイを貰え、被災地支援への協力も出来てしまうのです。

 コスパとタイパで「得をしたい、損したくない」という方向にばかり進む世の中ですが、ちょっとした楽しみが「困っている人の為になる」という体験をしていただけたと自負しております。
※掲載した画像は明るいですが、実際はお化け屋敷ですので、安全に配慮しながら薄暗い中で実施しております。 

 来店客のほとんどが、お子様とその親御さんであり、親世代は、自分達が昔楽しんだ「お化け屋敷」を子供達にも体験させてあげたい、という「思い」を感じました。筆者は、広い意味での「文化の継承」になるのでは、とも感じました。

 今回は、松菱百貨店の営業、外商スタッフだけでなく、呉服テナントの有志の方にもボランティア参加して貰いました、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。

 繰り返しになりますが、今回の「お化か屋敷」はデパート新聞社が地方百貨店支援で進める、「地方デパート逆襲(カウンターアタック、CA)プロジェクト」の一環として実施し、結果として大盛況で幕を閉じました。

 お化け役のスタッフは、もちろん演劇に関してずぶのシロウト達なのですが、イベントがスタートすると、皆「お客様をもっと怖がらせて、もっと楽しんで貰おう」という役者魂が自然に生まれ、演技がどんどん上達していくのです。

 人間の向上心て、凄いな、と単純に感動してしまった筆者でした。

 エピソードをもう一つ。びくびくしながらお宝(カプセルトイ)をゲットした後、「終わった」と思って安心して出口に向かった小学校低学年の女の子。出口直前に、待ち伏せしていた貞子に扮した松菱社員が突然現れました。女の子は「ゴメンナサイー」と叫びながら走って逃げていってしまいました。相手がお化けでも、直すなおに謝れば許してくれると思ったのでしょう。かわいい反応に貞子役も大笑いしてしまいました。

 筆者は、デパートで販売以外の面でも、お客様と接点を持つ、という事の大事さを痛感しました。こうした事が地方デパートの隠れた使命なのだと。
※4面のコラム「デパートのルネッサンスはどこにある?」でも、「お化け屋敷」を考察しています。是非、そちらも併せてお読みください。