デパート新聞 第2691号 – 令和4年7月15日

5月全国は57.8%増

 日本百貨店協会は、令和4年5月の全国百貨店(調査対象72社、189店〈2022年4月対比マイナス1社1店〉)の売上高概況を発表した。売上高総額は3882億円余で、前年同月比57.8%増(店舗数調整後/3か月連続プラス)だった。

百貨店データ

  • SC販売統計5月
  • 令和3年度(4月1日~令和4年3月31日) 百貨店各社決算報告
  • 都市規模別・地域別 売上高伸長率
  • 神奈川各店令和4年5月商品別売上高

人事異動

㈱三越伊勢丹ホールディングス

地方百貨店の時代 その43 – 地域発新商品に光を当てる

デパート新聞社 社主
田中 潤

新商品の発信

 インターネットを始めとして情報が急激に拡がる世の中になって、それまで市場には出せなかった商品が一気に人気を得るということも少なくない。クラウドファンディングによって商品開発の資金を不特定多数の人々から集めたり、特定の商品紹介サイトを通じてユニークな発明商品などの市場性を試したりすることも可能になってきた。

 新商品の発信においてはトップランナーであるべきデパートの役割は大きく後退していると言わざるを得ないだろう。地方百貨店はこうした現状を、むしろ奇貨として地域の起業家・発明家の商品提供の場を設けていきたい。デパートの知名度・信用度を確実に活かすことが出来るからである。

 新商品のプレゼンテーションを、内外に広く広報して定期的に開催する。参加者は全国あるいは世界中から求めていく。地方の一つの場に全国から商品が集まって来るというワクワク感が非常に重要で、地域の方々は居ながらにして日本中の旬の文化を感じることが出来るのである。

 そこで評価を受けた商品には、そのデパートの認定商品であるというクレジットを必ず入れ、その発信を全国に拡げていくのである。当然ながら、商品が売れれば一定の手数料がデパートに入る形にしておくことで、実質的利益も確保することが出来る。地方から全国の新商品をプレゼンテーションできるというのは、なんとも爽快である。

デパートの公益的役割

 地域からの発信と利益の獲得とともに、世の中に埋もれた事業家の成功を引き出すことになれば、社会の活性化、即ち公益的役割を果たすことにもつながるのである。

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 新型コロナウイルスの感染者がまた増加している。
夏だからマスクを外しているからとか、冷房にすることで窓を閉め、風通しが悪いからとか、いろいろ理屈は言われているが急激な増加はやはり不気味である。

 4回目のワクチン接種も始まっている中で、果してまた打つべきかどうか悩んでいる人も少なくないだろう。ワクチンを打った場合の重症化リスクは軽減されていると信じていても、その効果がどのくらいのものなのか、今一つ分からないところもあり、接種後の副反応を考えると迷い多き日々である。

 服用薬が確立してくれることを待ちわびるばかりだ。自粛を続けることで起きる新たなストレスから解放されなければならない危機感は刻々と高まっている。

連載小説 英雄たちの経営力 第3回 徳川家康 その4

経営力 第3回 徳川家康 その4

デパートのルネッサンスはどこにある? 2022年07月15日号-50 デパートを取り巻く 淘汰続く百貨店

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全国百貨店年間売上の推移

人口と売上から百貨店の閉店を検証する

 最速で梅雨が明け、猛暑日が続く7月初旬、新型コロナ感染者が2ヶ月ぶりに増加に転じている。第7波とも言われているが、いったい何度目の「いたちごっこ」なのだろう、もはや勘定したくもない。せっかく取り戻しつつある日常( 百貨店にとっては日常= 売上だ) が「ふりだし」に戻ってしまう、という、何とも不快な感覚だ。

続きは デパートのルネッサンスはどこにある? 2022年07月15日号-50 を御覧ください。

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