昭和24年10月創刊

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駅の駅食文化探訪 阪急百貨店 大井食品館 松井清乃店長 インタビュー 第1回

 阪急百貨店大井食品館は、エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社傘下の株式会社阪急阪神百貨店が運営する食品専門館。

松井清乃店長

デパート新聞からの質問

「先ず、長年に渡り、食品に特化した営業をされてきた歴史、秘訣をお聞かせください。」

(松井清乃店長)
 もともとこの大井の地で1953年(昭和28年)に【阪急百貨店東京大井店】として開業しました。その後、2000年に業態を変更し「阪急大井町デイリーショッパーズ」として、1階を【阪急百貨店大井食品館】の屋号で食品売場を展開。地元の方々の「冷蔵庫」として、また′ここぞ!′(ハレの日等)と云う時に頼れる食品専門館として運営しておりました。しかし、建物の老朽化に伴い、2008年3月に一時閉店。3年間の建て替え期間を経て、2011年3月16日に【地元の方々の食のライフラインを担う、頼りにされる食品専門の館】としてグランドオープンしました。

 しかしオープン5日前に【東日本大震災】が発生・・・。衝撃的な映像などを目にした時は、ショックと悲しさに・・・一時はオープンを諦めかけましたが、【地元の方々の食のライフラインになる】との強い想いと、この不安の中でこそ、今までの歴史を支えてくださった方々に【食】の安全・安心を提供したい、との想いから従業員一丸となってオープンいたしました。

 いろいろな厳しいご意見もいただきましたが、やはり涙ながらに「ありがとう」「戻ってきてくれてホントにうれしい」「阪急があるから安心している」と沢山の方々におっしゃっていただき、お客様と一緒に涙した事が今でも一番の支えであり、宝となっております。その様な想いから、オープン以来お客様に【食の安全・安心。また食を通しての楽しさや喜び、食での幸せ】を提供していきたい、と同時に、お客様とともに従業員も「楽しく」「喜んで」、「幸せ」を仕事を通して感じてもらいたい。(食品売場は大変だから・・・こそ!!楽しんでもらいたい。)それが食品を運営していく上での秘訣かと考えています。

「売場の戦略をお聞かせください。」

(松井清乃店長)
目玉は大井マルシェ! 私が店長に就任した2019年より、お客様に獲れたて、採れたての食品の本来の美味しさを味わっていただきたく、【更なる鮮度の追求】として【大井マルシェ】を実施しております。 現状は月に1日間だけでの開催ですが、阪急社員・取引先店舗従業員が直接、産地圃場(ほじょう)や漁港、工場、工房に出向き、第一次産業・第二次産業の方々の協力により、一緒に作業しながら「獲れたて、採れた て、出来たて、作りたて」を直接搬送し、店頭にご用意するという取り組みです。直接出向き、現地の方々と作業する事で、コミュニケーションが生まれ、プチ情報(食べ方、見分け方、こだわりの栽培方法・作り方などなど)も習得し、出向いた従業員が責任を持って販売する事で、この情報もお客様へ提供、またここからコミュニケーションが生まれてくるのも、狙いのひとつです。

 今の時代は【デジタル】で、なんでも直接、各家庭の玄関まで届けてくれる時代となっておりますが、やはりいつの時代でも大事なのは繋がりであり、人と人との繋がりのベースはコミュニケーションですから、コミュニケーションは大事にしたいと考えております。(コロナ禍で予防策を十分に取りながらのコミュニケーションとなりますが。)

 この【大井マルシェ】企画は大変好評で、お客様が「次はなに??」とワクワクしながら待ってくださり、お買求めいただけた時は私達のやりがいになり、エネルギーとなっています。(楽しんでいたり、喜んでいるのは従業員の方かも・・・です。(笑))

 ご協力いただいている産地や生産者さん、漁師さん、工場、工房の方々や、一緒に取り組んでくださっている取引先の方々には大変感謝しております。

 以上のような背景もあり、2019年が方向性を変えた時期と言えます。
※大井マルシェの商品については、下記「大井マルシェの商品の一例の表」ご参照

「売場の特性について」

(松井清乃店長)
小商圏のデイリー性の高い店舗として生鮮ゾーンの売上の比重が高いです。( 売上構成比率表ご参照)
売上の山としてはやはり「歳暮」「クリスマス」「年末・年始商戦」と大型商戦が立て続けにある12月がダントツですが、第2の山は3月です。周年祭で2週に渡り様々な仕掛けに取り組んでいきます。

「地元地域との連携について」

(松井清乃店長)
 近隣中学校の生徒の「職場体験」での受け入れや【キッズ販売員】として小学生の販売体験の実施をしております。 ( いずれもコロナ禍で休止中)

 また、大井町駅周辺エリアへの来街者の増加を狙い、近隣大型店舗3店舗で連携をして、8月の地元のお祭り「大井どんたく*」での3店合同ガラポン抽選会、10月の3店合同「大井町ハロウィン仮装パレード」などのイベントを実施しております。
※「大井どんたく」は、令和4年に67回目の開催を迎える大井町の夏の風物詩のお祭り。2019年の開催では、2日間で約4万人の観客が集った。

「大井食品館のイチオシ商品を教えてください。」

(松井清乃店長)
 私にとって、全てがイチオシです!あえて言えば、生鮮食品です!!

(敬称略)

大井マルシェの商品の一例

鮮魚神奈川県横須賀漁港 横須賀中央市場
静岡県沼津漁港
千葉県銚子漁港
神奈川県小柴漁港
青果山梨県笛吹市のJAふえふき – シャインマスカット、ピオーネ、とうもろこし
群馬県太田市のJA太田市藪塚 – 小玉すいか
千葉県大多喜町のJAいすみ – 大多喜筍
神奈川県三浦市 – 三浦だいこん
工場/工房東京都青梅市「菅谷食品」 – 納豆
静岡県伊豆市「石舟庵」 – (天草から煮出し作る)あんみつ
新潟県DHC酒造 – 日本酒
東京都深川ワイナリー – ワイン

店舗データ

  1. 店舗名 阪急百貨店 大井食品館
  2. 所在地 東京都品川区大井1-50-5
  3. アクセス JR京浜東北線、東急大井町線、
    東京臨海高速鉄道・りんかい線
    大井町駅前
  4. 開業 (旧店舗)1953年
    (新店舗)2011年
  5. 売場面積 2,042㎡
  6. 売上高(2021年4月~12月) 3,448百万円

※品川区人口 40万人

売上構成比率

売上構成比率

和菓子7.3%, 洋菓子7.8%, 和惣菜14.1%, 洋惣菜3.3%, 生鮮 39.1%, その他28.4%(銘店、催事、ベーカリー、リカー、保存 他)

商圏

半径3㎞ (商戦等、状況により半径5㎞に広げる場合もあり)

顧客特性(年齢層、現金・カード支払い比率)

年齢層:構成比(ハウスカードより)

20歳代 0.6%, 30歳代 5.5%, 40歳代 13.2%, 50歳代 19.8%, 60歳代 20.3%, 70歳以上 36.2%, 不明 4.4%

現金/カード 比率

現金 61.8%, カード 38.2%