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デパート新聞 第2679号 – 令和4年1月15日

連載小説 スタート!

連載小説 英雄たちの経営力 第1回 織田信長
連載小説 英雄たちの経営力 第1回 織田信長

今号より、伊東潤先生による新連載「連載小説 英雄たちの経営力」が始まります。 第1回は「織田信長」を取り上げます。

連載小説 英雄たちの経営力 第1回 織田信長

株)近鉄百貨店 代表取締役社長 執行役員 秋田拓士

どのような状況にあっても、人と人との繋がり、絆を大切にし、お客様が求める暮らしのあらゆる価値を創造し提供する

近鉄百貨店 秋田 社長
近鉄百貨店 秋田 社長

 皆さんあけましておめでとうございます。

 新春を迎えるにあたり、謹んでお喜び申しあげます。昨年一年間、皆さんが厳しい状況下、それぞれの職場において示されました懸命なご努力に対し、心から感謝の意を表したいと思います。

 さて、人類にとって、新型コロナウイルスとの共存をどう捉え、どう取り組んでいくかは非常に大きな課題です。さらに、これからの未来においても、我々が想像していた以上の、今までにない自然環境の激変が待ち受けており、一人ひとりが立ち向かっていかなければなりません。

 そこで私たちは「近鉄百貨店グループ・ESG方針」を策定し、これらの自然環境の激変に対して「持続可能な世界」の実現に向け、具体的なアクションをさらに加速していきます。

(1)地球環境への貢献

2030年までにCO2排出量を半減、環境配慮型包装資材への50%切り替え、食品リサイクル50%の実現、食品廃棄物排出量20%削減など。

  1. LED化や省エネ化の推進
  2. 衣料品回収(株式会社shoichi助け合いゼロプロジェクト)への取り組み
  3. 食品廃棄物リサイクル(もったいないフード)や廃棄ロス削減(キキマーケット)への取り組み
  4. 「ハピエコ」の推進など

(2)地域共創の実現

地域の価値向上と活性化への取り組み

  1. 各店舗での地域産品の紹介や地産地消のさらなる推進
  2. 地方百貨店と協業するご当地名産品のWEB・ネットワーク展開
  3. あべの・天王寺を中心としたエリアでの「ええやんまちフェス」の実施や、390の市民活動によるグッドデザイン賞を受賞した「縁活」のさらなる推進など。

(3)ワークライフバランスの実現

2030年までに女性管理職比率25%達成、再雇用制度の70歳延長、障がい者雇用率2・5%達成、男性育児休暇取得100%達成など

  1. 短日数勤務制度、在宅勤務制度、半日年休制度など新たな休日、制度の導入と定着
  2. 女性活躍推進、外国人労働者の積極的登用など

 以上、皆さんも、一人ひとりがしっかりと方針と目標を理解し、それぞれの職場において取り組んでいただきたいと思います。当社グループは一丸となり、「地球と人類の持続可能な未来の実現」に向けて、積極的に社会的責任を果たしてまいります。

 さて、次に新しい年を迎えるにあたり、現在進行中の中期事業戦略を踏まえ、本年はコロナ禍により「失われた2年間」を取り戻すための1年間とします。
重点戦略テーマは「投資倍増計画」「高収益事業構造改革」へのジャンプアップです。そして2019年からの2年間の空白を取り戻し、その数値計画を元に戻すための戦略再構築に積極果敢にチャレンジしていきます。

 1点目は、収益旗艦店であるあべのハルカス近鉄本店の魅力最大化とあべの・天王寺エリアの活性化による集客力・収益力の向上です。

 あべのハルカス近鉄本店では、課題であった中層階のファッションゾーンを中心とした衣・食・住の「スクランブルMD」に大きく改装していきます。また、2025年の大阪・関西万博を視野に地域との連携をより強固なものとするとともに、あべの・天王寺の国際化を目指しHoop、andのリニューアルを含め、エリアのまちづくりに取り組んでいきます。

 2点目は、高収益事業であるFC事業とEC事業のさらなる強化です。FC事業は多店舗化と新規業態への挑戦により、2024年度の目標である150億円を2年前倒し、本年度達成させます。そして、FC事業 の利益管理、経営管理のマネジメントを通じ、当社の将来を担う経営者視点をもった人材育成に取り組みます。

 また、EC事業全体では、売上目標を2019年に対して3倍増を目指します。国内ECでは、日常生活に欠かせない食品、生活用品の品ぞろえを3倍増の5万点、さらには、越境EC事業のお取引先様の拡充にも積極的に取り組んでいきます。

 3点目は、「タウンセンター化」のさらなる推進です。最終目標は高収益店舗への転換です。そのためには地域商圏にしっかりと根差した事業、店舗であることが最重要課題であり、集客力のある食品売場の改装をはじめ、さらには自治体との協定締結など地域共創の取り組みにより、地域の方々にとってなくてはならない店づくりを目指してまいります。

 具体的には各店においても順次「スクランブルMD」と専門店の融合を実現し、集客力のある店づくりとローコスト店舗構造改革を進めます。また、総合力のあるFC事業を導入し人材の活性化を図り、地域に根差した高収益の店舗づくりに取り組みます。

 4点目は、中期事業戦略の中で忘れてはならない当社の強みである近鉄グループ事業戦略との連携強化です。特に、近鉄沿線にお住まいのお客様に対し、それぞれの事業会社が協業して、商品・サービスのさらなる拡充と発展を図っていくことがますます求められています。

 昨年、特にグループ連携でのオリックス・バファローズの優勝セールへの取り組みや、アフターコロナに対して「さあはじめよう、」に基づく各社連携による販売促進をスタートさせ、当社においてもグループ全体での相乗効果が出ています。このようにこれからもっともっと近鉄グループの連携を強みにして、事業の発展に取り組んでいきます。

 新型コロナウイルスにより当社グループは大きな影響をうけましたが、一方で私たちがお客様に提供すべき「価値」とは何かを深く考える契機ともなりました。どのような状況にあっても、人と人の繋がり、絆を大切にし、「お客様が求める暮らしのあらゆる価値を創造し提供する」ことが私たちの原点です。

 この原点を忘れることなく、お客様、お取引先様、株主の皆様、そして地域社会と共に、これまでの百貨店の延長ではない、新たな価値のある事業を創造し、10年後、20年後に未来の当社を担うメンバーへのバトンランナーとして、バトンを繋いでまいりましょう。

 終わりになりましたが、新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いているものの、依然予断をゆるさない状況にあります。引き続き感染防止対策と、健康管理に留意ください。皆さん方ならびにご家族のご健康とご多幸を祈念して、年頭のあいさつといたします。

編集長の注目企業インタビュー その2 – 新里製本所 続編

 「百貨店大量閉店時代」はまだまだ終わりが見えない。むしろ、始まったばかりなのかもしれない。今回ご紹介する新里製本所が属する製本業界も、デパート以上に先行きが心配される業種である。しかし新里社長 は、そうした逆境をばねにして、新しい「コンセプト:考え方」を模索し続けている。
ということで、いろいろなコンセプトを持つ新里社長に再び話を聞いた。

続きは 編集長の注目企業インタビュー その2 – 新里製本所 続編 を御覧ください。

特別寄稿 NY視察2019から見る、百貨店のさらに恐ろしい未来 第7章の2

顧客はどこにいる?外商の立ち位置

 外商顧客は高齢化しています。いままでのやり方で外商顧客を増やすのはは難しいと感じます。

SNSに注力せよ

 SNSの会員(フォロワー)が本当の顧客となる時代です。SNSが行動のモチベーションとなる世代をどう取り込むかが重要です。百貨店が、自社のSNSにどれだけの会員をよべるかが、百貨店の魅力の判断の1つになる可能性があると思います。現在強みの有る高齢者層から、一気にSNS世代への展開を進める必要があります。

続きは 特別寄稿 NY視察2019から見る、百貨店のさらに恐ろしい未来 第7章の2 を御覧ください。

11月全国は8.1%増

 日本百貨店協会は、令和3年11月の全国百貨店(調査対象73社、189店〈令和3年10月対比±0店〉)の売上高概況を発表した。売上高総額は4497億円余で、前年同月比8.1%増(店舗数調整後/2か月連続プラス)だった。

百貨店データ

SC販売統計11月

都市規模別・地域別 売上高伸長率

神奈川各店令和3年11月商品別売上高

地方百貨店の時代 その31 – ペット売場を進化させる

デパート新聞社 社主
田中 潤

ペット売場の受難

 ペットや熱帯魚など生き物を扱う売場は、儲からない売場と位置付けられ閉鎖されたり、小さく隅に追いやられるようになったりしてしまった。ペットは “臭いが拡がる” ”うるさい″ など五感にマイナスになる要因も多く、近くの売場の販売にも影響するので運営を続けるのが難しい売場であることは間違いない。

 馴染みの顧客も、ペットを一遍に何匹も購入するということはなく、売上額が大きく伸びる要素は少ない。こうした売場を継続するためには他の売場と有機的に連動することが出来るかどうかが大きな分れ目である。しかし、今までとは全く違う発想での突破口はないこともない。

地域と連携した売場づくり

 解決策の一つは、デパート本体建物とは別のスペース、つまり、別棟に独立した売場を設けるのである。そこには、ペット、熱帯魚の売場を大々的に展開していく。独立したスペースなので、周りに気兼ねなく沢山のペットを抱えることも可能である。もちろん、この仕掛けはデパート単体事業としては成立しない。例えば、メインとなる仔犬の販売時期は極めて短いので、一定期間内に相当の需要が得られるだけの態勢づくりが必至となる。

 たとえば、地域のペット愛好家のファンクラブをデパートが事務局になって作ってみる。売場で働く人も、ファンクラブの協力を得て募る。更に、この売場の存在を近郊の市町村にも広く発信していく。ペット売場の一大メッカにするとともに、人々が集うコミュニティにしていくのである。最近、猫カフェや豆柴喫茶など、ペットと愛好家が共存する商業空間がビジネスとして市民権を得ている。そこまで、間口を狭めずにもう少し広い空間でペットと人々が触れ合うことのできる場を展開していくことが出来たら、デパートの付加価値は、また新しい進化を遂げるだろう。当然ながら、この売場はテナントではなく、デパートのプロパー社員が中心になって運営していかなければならない。将来に向かって地域との連携をじっくりと熟成させる社員を育てるのである。

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 コロナウイルスは、変異種オミクロン株の出現で再び猛威を振るっている。飲食店の運営にまたしても暗雲がのしかかり、様々な文化イベントも中止を余儀なくされている。

 ワクチンの3回目の接種も飲み薬も毎度のことながら間に合わない。考えるほどに、気持ちが沈んでくる毎日である。

 ここは、如何に明るい心持ちに自らを奮い立たせるしかあるまい。その点で地味ではあるが、読書は一時( いっとき) 自己を別の場所に連れて行ってくれる力を持っている。アマゾンなどインターネットを使えば、自宅でそれこそ無数の本を選ぶことも可能である。是非、家で長時間を過ごすお供に本を活用して欲しい。

連載:デパートのルネッサンはどこにある – 都内百貨店「初売り」2年ぶりにぎわい

 大変久方ぶりではあるが、新年なのでちょっとだけ明るいニュースからスタートしよう。

 伊勢丹新宿本店では開店前に前年の2倍の客列

 都内百貨店の初売りは、そごう・西武が1日、三越伊勢丹や高島屋などが2日から始まった。全館クリアランスセールが一斉にスタートし、コロナ下で前年は控えていた集客イベントなどが再開され、2年ぶりににぎわいを取り戻した。年末商戦でも伊勢丹新宿本店がインバウンド売上を含めた19年度実績を上回ったという、細谷三越伊勢丹社長のコメントが発表された。年末の12月中旬から、売上回復の流れが年明けにも波及した格好だ。

 伊勢丹新宿本店は、開店前に前年比2 倍の6500人が並び、初売りとクリアランスセールの一斉スタートで入店客が増えた。入店客数は西武池袋本店が6割増、三越日本橋本店、高島屋日本橋店は2~3割増と、まだら模様ながら、全体としてプラスに転じている。

続きは デパートのルネッサンスはどこにある? 2022年1月15日号-41 を御覧ください。

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