昭和24年10月創刊

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えきの駅 食文化探訪第8回 そごう千葉店営業Ⅲ部 佐々木裕司部長インタビュー

佐々木裕司部長

そごう千葉店は、株式会社そごう・西武が運営する、政令指定都市である千葉市唯一の百貨店。今春に開業55周年を迎えた。

「そごう千葉店の立地と商圏をお聞かせください。」

(佐々木部長)
 当店はJR・京成電鉄・千葉都市モノレール・バス各社が乗り入れる千葉市の中心市街地にあり、千葉駅から徒歩数分の利便性に恵まれた場所に位置します。

 千葉市は房総半島への玄関口に位置する県内交通の要衝となる地域であり、JR千葉駅はターミナル駅として大都市機能の中核となっています。千葉駅周辺は昼間、夜間共に人の流れが激しいエリアです。

 近年は千葉駅前エリアの再開発が進んでおり、商業施設やオフィス・ホテルからなる複合施設の開業、千葉市市民会館の移設などが予定されています。また、千葉駅徒歩圏内にタワーマンションが建設されています。これらの再開発により千葉市中心市街地がさらに活性化することにより、百貨店としての存在価値を発揮するこができ、強みであるデパ地下の魅力を提供することができます。

 商圏は、千葉地区を中心に房総、成田方面、京葉地区を含めた県下全域であり、一次商圏は千葉市、市原市、四街道市です。食品売場については店舗から半径5㎞圏内を重点商圏としています。

「そごう千葉店の強い売場をご紹介ください。」

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(佐々木部長)
 全国の銘菓を集めた売場「諸国銘菓」を6月23日にリニューアルしました。従来の「諸国銘菓コーナー」に加えて「千葉の銘菓・名産品コーナー」「諸国名産コーナー」「イベントコーナー」を追加し、売場面積を1・6倍に拡大。4つのコーナーで約1000種類の日本各地のご当地商品の魅力をご堪能いただけます。

【売場名称:諸国銘菓・名産 卯花墻(うのはながき)】

 当店はこれまでエバー・リフレッシュと称した改装を行ってきています。百貨店の改装は大規模が一般的ですが、今日のマーケットは常に早い変化をしていますから、それに対応できるよう状況を見ながら少しずつやっていこうとの考え方です。今回の改装のメインを自主編集としたのは、食品売場の顧客構造を変えたかったのが大きな理由です。以前の諸国銘菓の売場の顧客年齢層は50歳代以上の女性が中心でした。改装に当たり、デパートで買い物や食事をした経験が少ない20~30歳代の世代を呼び込むにはどうしたらよいのかを考えました。菓子をメインにしながら男性客も増やしたいので各地の名産品も投入しました。リニューアルをして僅か2か月余りですが、顧客層が変わりつつあります。50歳代以下のお客様が見えるようになりましたし、サラリーマンの男性客も夕方にご来店を頂くようになりました。これは単身赴任者が多いエリアマーケットの特性を反映していると考えられます。千葉駅は東京駅までJR総武線快速で39 分の通勤圏であり、東京に通勤し千葉市周辺に居住する方が多い。もう一方で昼間は千葉市内に勤務し夜は千葉県の内陸部に帰宅する方々の存在。その二つの人の動きがあります。都内からの勤務者が千葉駅に帰ってきて当店の地下に寄り、千葉駅周辺に勤務する方が県下に帰る前に当店の地下に寄る。この二つの流れが売場に現れていきています。

 元々、諸国銘菓・名産コーナーは強かった売場であり、フロアの中心にあるエスカレーターの脇に位置し、店内で最も多くの客数を呼び込む食品フロアのエンジンでした。ほぼ、他社、他店と同じブランドが入っており、駅直結の商業施設ペリエとどう差別化を図るかが課題でした。リニューアルして2か月余りですが、お客様からはご好評を頂いています。その要因は、菓子の販売単位をバラを中心にした品揃えにしたことです。例えば今まで同じ商品が数点詰められている箱物で購入していた最中を1個から、単価1 5 0 円~200円でお手軽に商品を購入できる。この戦略が大きくヒットし足繫く通って頂けるお客様がとても増えました。

 千葉の銘菓・名産品売場についても、以前からのテナントであった落花生の店・与三郎の豆とタッグを組み、バラ商品中心の品揃えにしました。千葉の方にもあまり知られていない知る人ぞ知る商品、例えば銚子の鰹の角煮などを新規導入しました。果たして千葉在住の方に千葉産の商品を買って頂けるのかとの思いがありましたが、予想以上のご好評を頂いています。お盆の前には商品をバラから箱物中心に変えたところ、帰省みやげ需要でとても売れました。他の百貨店も自社編集で名産品を扱っていますが、当店は少し趣向を凝らし、物産展で販売し好評を博した単品を諸国名産コーナーで並べています。根室の平庄商店「寒風干し鮭のフレーク」は焼きたての鮭をほぐしそのまま瓶詰めされています。香川県の讃岐うどんは添加物を一切使わずに水と小麦粉だけで乾麺に仕上げていて安くておいしい。新潟のみかづきの「イタリアン」は太麺のナポリタンで、物産展で実演販売し好調でしたので、その冷凍商品を期間・数量限定品として販売しています。

「諸国銘菓」に隣接する人気の惣菜店「柿安ダイニング」も同日にリニューアルしました。

 現在、全国で57店舗を展開していますが、その第一号店はそごう千葉店です。1998年4月にオープンしてから24年、作りたてのおいしさと、時代のニーズに合った「安全・安心」をプラスした柿安自慢のお惣菜は、千葉で親しまれ続けています。今回のリニューアルでは、新たにローストビーフのコーナー化をしました。また、調理の実演シーンがよく見えるガラス張りの厨房を広く見やすくしました。使用している食材から、料理人たちの豊富な経験からくる手さばきなどを目で確かめられる厨房で、安心してご購入頂けます。

 最近は、スマートフォンで販売中の商品を検索し、その内容を把握するお客様が大変多く、事前に調べてこられて「この商品はありますか?」と画像を見せて尋ねられるお客様もいらっしゃいます。この流れをエンジンとして食品フロアに波及させていくことが大事です。企画や新商品の告知をSNSで行うことでお客様が反応してくれるようなことをこれからどんどんやっていきたいと考えています。

「産学連携の取組みについてご紹介ください。」 – 千葉大学が作る「はちみつ」と「ジャム」の販売

(佐々木部長)
 4年前に千葉大学からキャンパス内での養蜂研究の成果としてこのようなはちみつが出来たので是非そごうで販売して頂きたいとのお話を頂いたのが始まりです。昨年にはジャムの販売も加わりました。食品売場のギフトサロンで両品を扱っています。2年前の中元・歳暮期からは、ギフトセンターの「ふるさと千葉だより」という千葉のギフト品コーナーでジャムとはちみつのセット等を販売しています。はちみつは採蜜した時期により花粉が異なるので味も香りが異なるという特色があり、お好きな方は採蜜月を選ばれている様でリピータのお客様が付き販売が定着しています。(商品の瓶のレッテルには採蜜月度が表示されている。)「地元との取り組みについてご紹介ください。」

①千葉市農産物の地産地消プロジェクト「千葉市つくたべ」への参画

(佐々木部長)
 「つくたべ」は千葉市でつくって千葉市でたべる の意です。千葉市地産地消推進店のひとつとして、「長塚青果(千葉市美浜区)」で週2回水曜11時からと木曜13時から地元の朝どれ野菜を販売しています。

 地のものをその地で食べる…地産地消の一番のメリットはなんでしょうか?それは「鮮度」と「旬」です。農産物のおいしさにおいて、このふたつはもっとも重要な要素です。

 生産者の新鮮な野菜を消費者に届けたい想いに長塚青果と協力し約5年続いている取り組みです。珍しい野菜も多く入荷します。市場に出回らない規格外品も「もったいない野菜コーナー」として扱っていて新鮮で価格は安くできるのでお客様にはメリットがありますし食品ロス削減にも役立っています。

②千葉県の物産展「チーバくんグルメ博覧会」

(佐々木部長)
 平成27年に千葉県と包括協定を結び、チーバくんグルメ博覧会を開催しました。2019年は約30社が6階催事場に集合しました。それ以降はコロナ禍で中断していますが、来る10月に復活する予定です。美味しいと定評があるが、催事に出店していない千葉の隠れたグルメを発掘しています。

③貨客混載による千産千消・SDGsの取組み

(佐々木部長)
 「吉川水産」では、毎週火・金・土曜の午後2時から千倉漁港(南房総市)で水揚げされた朝採れの鮮魚直送販売を開催しています。千倉漁港の東安房漁協×ちばシティバス×そごう千葉店×吉川水産の連携により昨年5月から販売を始めました。高速バスの荷台に鮮魚を梱包した箱を入れ、千倉漁港を9時過ぎに出発し千葉駅前には13時過ぎに到着します。

 この取組み開始に向けての始動は昨年3月でした。

 千葉のお客さまに千葉の水産物の美味しさを知っていただきたい、折角当店は三方を海に囲まれた千葉の百貨店であるのに!との想いからはじまりました。鮮度が高いものを提供したいが市場を通すと1日2日経過して鮮度が落ちてしまう。輸送手段を巡って、高速バスが房総まで行っていることを発見し千倉漁港に行き着きました。

 鮮魚直送販売は千葉のお客さまから大好評を得ています。10時開店と同時に「今日は何が入るの?」とお客様から電話が入ることもしばしばで、お取り置きも承ります。時期により入荷する鮮魚の種類は様々。時化になれば漁は中止で当然入荷もありません。鯵は年間を通じて最も入荷の多い人気の商品です。ワラサ( ブリ属70㎝程)が入ることもあります。食べ方をお聞きし店頭で捌いて販売します。鮮度が抜群なのが売りです。「包丁が入りにくい程鮮度が高い!」と吉川水産は解説しています。(笑い)

 また、高速バスを活用し旅客と貨物の輸送を一緒に行う貨客混載をすることで市場から店舗までの輸送に伴う環境負荷も軽減しています(CO2削減)。

④千葉県の産業振興推進策との連携

(佐々木部長)
 年間約100万頭を生産・出荷し、全国屈指の豚肉生産量を誇る千葉県。

 その千葉県を代表する銘柄豚肉を、千葉県は「チバザポーク」と称してPR活動を展開しています。当店はチバザポークを使用した惣菜や弁当、精肉を販売する「チバザポークフェア」を開催しました。

 また、千葉県の海岸産の「青混ぜ海苔」は香りがよく美味しいと好評なのですが天然採苗のため生産量が一定せず、クロダイに食べられてしまったりしていました。今年、千葉県による安定生産技術で生産された青混ぜ海苔が流通したのをきっかけに、千葉県の特産品である青混ぜ海苔を手軽に味わっていただけるのり弁や青混ぜ焼海苔そのものを販売する青混ぜ海苔フェアを開催。県としては生産技術と特産品のpRになり、お客様にも商品の存在を認知して頂ける。当店はそのような事を継続的に行っています。   

(敬称略)

みんなでSDGs ちば食農体験プログラム2022年度の取り組み

 そごう千葉店は、こどもたちの健康支援、食物の生産などにかかわる人たちへ感謝する心、地元千葉の食文化や食の歴史などを理解・尊重する心を育むため、千葉テレビ放送、千葉大学など地域企業・学校と連携した楽しく学べる場の提供を通じて、子供たちの食育を推進している。

食農体験プログラム

実際の食物が生産される現場へ行き農産物の収穫や生産者の話を聞いた  り、料理の専門家と一緒に収穫した食物を使った調理実習、食品工場の見学などを行う体験学習プログラム。食材が食卓に並ぶまでの一連の工程を実際に見て感じることで、食や命の大切さ、地域とのつながりなどを総合的に学ぶ。

食農体験スケジュール

9月 県内の梨園を訪問し農作業を体験
12月 県内の牧場を見学・体験

親子で学ぶ食農ワークショップ

6回のワークショップを通じて、子どもたちが楽しみながら千葉の食に関する歴史や背景について学んでいく企画。千葉大学環境ISO学生委員会の学生と一緒にクイズやロールプレイングに挑戦したり、中村学園ハッピー製菓調理専門の専任講師による千葉が誇る食材についての話を聞きながら、農業が盛んな地元千葉の特色を活かした地産地消やフードロス削減など「食」についての学びを深めていく。

ワークショップスケジュール:

6月・11月「日本一の千葉を知ろう!」
7月・2023年2月「千葉の伝統料理を知ろう!」
10月・2023年3月「千葉の伝統野菜を知ろう!」

諸国銘菓・名産 卯花墻 千葉の銘菓コーナーの主な商品

千葉市オランダ家落花生パイ
千葉市御菓子司麻布菊園菊最中
千葉市スイーツミズノヤ塩ブッセ
館山市房洋堂南房総びわゼリー
館山市館山中村屋ロシアケーキ
野田市喜八堂職人手焼きおこげ
銚子市たか倉犬吠の月
銚子市イシガミぬれ煎餅
成田市米分栗蒸ようかん
成田市柳屋本店一口栗蒸し羊羹
成田市成田柳屋本店栗羊羹
富津市見波亭のこぎり山バウムクーヘン
鴨川市さわらび落花生タルト
旭市とよんちのたまごバウムカット
旭市こば屋本店轟太鼓
佐倉市ひまわりピーナッツ栗ゼリー
佐倉市蔵六餅本舗 木村屋蔵六餅
南房総市盛栄堂さざえ最中
茂原市三真塩レモンおかき
松戸市ピーナッツサブレー本舗 富井チーバくんサブレー
香取市いっぷく堂丸干しいも
香取市㈱虎屋菓子舗とらやき
香取市柏屋もなか店角三色
香取市恋する豚研究所芋けんぴ

店舗データ

そごう千葉店 外観

 ①店舗名  そごう千葉店
 ②所在地   千葉市中央区新町1000番地
 ③アクセス JR総武本線、千葉都市モノレール 千葉駅下車、京成電鉄千葉線 京成千葉駅下車
 ④開店年月日 1967年3月21日
 ⑤売場面積  81,025㎡
  本館:B1F~10F
  JUNNU:B1F~4F
 ※周辺地域の人口:千葉市 約98万、市原市 約27万、四街道市 約9万