昭和24年10月創刊

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編集部より

現代学生服業界を読む(4)

 前回の問題点の整理から始めよう。

〈問題〉

 採用する縫製メーカーを1社とすると、どうしても大手メーカーにならざるを得ず、結果的に4大メーカーに受注が集中し、供給能力以上の受注を抱える状況が生じる。筆者はこれが業界の最大の問題点であると考えている。

〈背景〉

 大手メーカーと学校との「直」の関係性がある。
かつては、百貨店や地元販売店が学校と価格交渉をし、消費者ニーズを捉え、メーカーと学校・消費者との橋渡し役を果たす商慣習があった。ところが近年は大手メーカーが、消費者への販売価格が値下げできることを謳い文句に、直接学校と交渉し、消費者への販売価格を決める場合が多くなってきた。驚くのは、学校側も、単に低価格になれば良いという安易な発想で交渉に応じ、価格決定に関与する。大手メーカーは自身の充分な利益を確保した上で販売店への卸価格はおろか、消費者への販売価格まで決めてしまう。正に悪循環だ。

〈原因〉

 これはつまり、価格決定権が販売店ではなく大手メーカーにあるのが原因だ。筆者はこれを「あべこべではないか」と思う。「大手メーカーは、『この卸価格が不服ならば、この学校の指定業者を降りてくれ。』とまで言ってくる。」という。これは筆者が横浜市内の百貨店マンから直接聞いた話だ。彼はこの事実を「この行為は独占禁止法に抵触するのではないのか」と証言している。

〈提言〉

 この大手メーカーと学校との悪しき関係は、早急に是正すべきであり、筆者はその是正のために以下、具体策を提言する。

① 学校と行政が主導し、販売店が学校・消費者に価格の提案をする、という健全な商流(縫製メーカー↕販売店↕学校・消費者) に戻す。

② 学校と行政は地域に密着する地元販売店の役割を理解するべきだ。

販売店の利益率はこの30年で10ポイント低下した。元々販売店の多くは零細、中小業者が多く、経営基盤が脆弱だ。こうした販売店は経営が立ち行かなくなり、廃業に追い込まれるケースが少なくなかった。結果的に地域の販売店不在で困るのは、学生服を求める「消費者」であるからだ。

〈結論〉

 永年、公益的な役割を果たしているデパートが、かつてはそうであった様にそのリーダーシップを学生服業界においても発揮すべきだ。そしてその地域の学校の指定業者として地域の消費者ニーズに応えるべきである。
地方のデパートは今もその役割を担っている。学生服を扱うことは公益性のためである、との高邁な理念があるからだ。デパートの奮起を期待したい。