新しい百貨店時代~地域活性化と憩いの場を目指して

百貨店には、次々と新しい設備が開設されていますが、中には予想しなかったようなものが現れて人々の注目を集めることもあり、買い物や食事の場だけでなく、別の目的で百貨店へ足を運ぶ人も増えてきました。百貨店は、今後も固定観念を超えて人々の新たな憩いの場所となるべく様々なアイデアを駆使して存在感を高めていけるのでしょうか。

これまでにも屋上遊園地、美術館、文化芸術のイベント用ホール、エステなど新しい文化の発祥地となるような設備が開設されてきましたが、地域の活性化を目指すことを目標に、より客層を広げ、集客につながる時代にあったユニークな百貨店の設備を紹介します。

さくら野百貨店「いわき天然の湯」2022年4月25日オープン

・営業時間 10:00〜22:30
・さくら野百貨店弘前店4階 ・料金 大人450円、子供150円

源泉名は「城東温泉」。弘前市城東地区から湧き出した淡明、無味無臭の単純温泉(低張性弱アルカリ性低温泉)です。4階の展望風呂からは、津軽富士と呼ばれ「日本百名山」にも指定されている美しい岩木山が一望できます。百貨店に温泉があるのは全国でも珍しく地元の方や観光客にとっても憩いの場となりそうです。

この施設にはフィットネスジム、男性限定の高温サウナ、女性限定の岩盤浴、青森ヒバのサウナなどが備わっています。城東温泉 岩木展望の湯

玉川タカシマヤ「機能訓練特化型デイサービス施設タカシマヤ ユアテラス 二子玉川」2021年4月オープン

百貨店としては、業界初の介護保険適用施設を開業し注目を集めています。高島屋と順天堂大学が連携し、介護認定を受けた人を対象に新たな介護サービスを提供する施設で、利用者それぞれにあった独自のプログラムを設定し身体機能の改善を目指すことを目的としています。高齢化社会に加えて現在のコロナ禍もあり、百貨店の顧客だけでなく地域の人々にもこのサービスは歓迎されているようです。なにより百貨店「高島屋」というブランド力の高さが利用者の信頼を生み出していると言えます。

参考:デパートの生き残り戦略

松坂屋静岡店 国内初「都市型水族館併設」2022年4月27日オープン

松坂屋静岡店の大規模なリニューアルの目玉として水族館を併設という国内初の事業を手掛けました。「施設そのものが外出の目的地となる、駅前の核施設を目指していきたい」という松坂屋の目標が、地域の活性化も目指します。

この「スマートアクアリウム静岡」はまるでアートを楽しむかのように、水の生物たち約100種類、約2200匹をじっくり鑑賞できます。夏休みには様々なイベントが用意されていますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

営業時間10:00 – 20:00

松坂屋静岡店本館7階 入場料など詳細

参考:2022年春、百貨店に水族館が登場

松山三越 ここにしかない新しい百貨店「高級ホテル」2021年12月10日オープン

松山三越7階にオープンした「HOTEL LOPE CHAHAL(ホテル レポ チャハル)」。ホテル名の“LEPO”とは、フィンランド語で休息を意味し、北欧のデザインと瀬戸内の居心地の良さを感じさせます。11室すべてにフィンランド式のロウリュウサウナが備えられた室内は、木を素材としたシンプルで落ち着きのある空間に仕上げられ、瀬戸内ゆかりの陶芸家・石本藤雄氏作の壁飾りも随所に設置されています。また、8階のフレンチレストランでは、瀬戸内の旬の食材を活かした料理に地元の陶器を使ったフレンチを提供します。

観光客だけでなく地域の人への特別な日を提供する場として新しい時代の百貨店に注目が集まっています。