デパート新聞 第2684号 – 令和4年4月1日

2月東京は5.1%増

 日本百貨店協会は、令和4年2月東京地区百貨店(調査対象12社、24店)の売上高概況を発表した。売上高総額は923億円余で、前年同月比6.1%増(店舗数調整後/6か月連続増)だった。店頭・非店頭の増減は、店頭5.4%増(87.0%)、非店頭3.1%増(13.0%)となった。

3社商況2月

  • 三越・伊勢丹ホールディングス
  • 髙島屋
  • 大丸松坂屋百貨店

百貨店データ

  • 2月店別売上前年比(%)
  • 都市規模別・地域別 売上高伸長率
  • 都内各店令和4年2月商品別売上高
  • 関東各店令和4年2月商品別売上高

人事異動

  • ㈱三越伊勢丹ホールディングス
  • ㈱三越伊勢丹

地方百貨店の時代 その36 – 葬儀

デパート新聞社 社主
田中 潤

昨今の葬儀事情

 昔は大きな葬儀があると、デパートの外商が香典返しの返礼品を必ず受け持った。通夜・告別式は葬儀社の仕切りなのであまり出る幕はなかったが、金額の張る香典返しの請負は顧客との信頼関係の証であり、きめ細かい配送業務と努力によって利益率の高い多額の売上がデパートにもたらされた。
 ところが、ここ20年で葬儀事情は激変した。大きな社葬や個人の一般葬は大幅に減少し、家族葬が主流となり、葬儀そのものを行なわないケースも稀ではなくなった。僧侶の立ち会いもなく、そのまま遺骨を埋葬する0葬もある。参列者がほとんど来なくなったことで、香典返しもデパートにとってうまみがなくなってしまった。

 しかし、葬儀というシーンには相続がつきものであり、財産の継承が行われる時期でもある。デパートにとっては、相続人を新たな顧客として取り込んでいく重要なタイミングでもあり、新しい葬儀様式に合わせた態勢づくりをすることは地域を大切にしていく地方百貨店において喫緊の課題である。

葬祭部門の確立

 一番の具体的戦略は、葬儀一切を取り仕切る葬祭部門の確立である。葬儀社とは一線を画して、デパート自体で葬儀を行うことが出来るようにするのだ。これによって葬儀に係わるすべてのサービスを独占出来ることになるが、本当の目的はその後の継続的取引、つまり固定客づくりである。

 葬儀そのものでの利益は追求せず、末永い顧客としての関係を築くことが結果的にデパートの支持層を地域に広げることになっていく。また、通常葬儀社は埋葬まではかかわらない。新しいデパートの葬儀戦略には、お寺・霊園とも連携して故人とのお別れを最後までプロデュースしていく緻密さが重要である。

 また、当然、葬儀より前、つまり生前に終活を考える立場になっている人々にもきめ細かいアプローチは必要となる。そうした方々への相談窓口を作ることは地域とのコミュニケーションを築く上でも有意義である。

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 桜も満開。春爛漫と季節を謳歌したい気分も、コロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻で活力が起きようもない令和4年である。 世界中の人々が同じ問題に悩み、苦しんでいるという光景は21世紀ならではなのかもしれないが、あまりにも暗く切ない日々である。

 共有した辛い時を皆で明るく転じて、希望の多き明日に変えていきたいと強く願っているのは、小拙だけではないだろう。まず、最優先で、ウクライナの人々に平凡な日常が戻ることを祈りたい。

連載小説 英雄たちの経営力 第2回 豊臣秀吉 その2

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連載:デパートのルネッサンはどこにある 45 前編 – 「そごう・西武」売却はデパート業界を変えてしまうのか?

先ずは、以下の表を見ていただきたい。

百貨店(企業別)売上高ランキング(2020年3月~ 2021年2月)

順位企業名売上高
三越伊勢丹ホールディングス8160億円
髙島屋6808億円
セブン&アイ・ホールディングス( そごう・西武)4191億円
エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神)3477億円
J.フロントリテイリング( 大丸松坂屋)3190億円
百貨店(企業別)売上高ランキング(2020年3月~ 2021年2月)

日本の百貨店の売上高ランキング第3位は「そごう・西武」なのだ。三越伊勢丹、髙島屋に続き、売上高で阪急阪神や大丸松坂屋を上回っているのだ。

 その「そごう・西武」が、日本の百貨店業界で生き残れず、ルネッサンス( 再生、復活) も成しえなかった、ということなのだ。少なくとも、本紙デパート新聞では、この事案を重く受け止めており、前回2月15日号に続き、再び題材として取り上げた。

※2021年度は速報値のため2020年度の確定値を記した。

続きは デパートのルネッサンスはどこにある? 2022年04月01日号-45 前編 を御覧ください。

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