昭和24年10月創刊

メニュー
メニュー
バックナンバー

デパート新聞 第2675号 – 令和3年11月15日

9月全国は4.3%減

 日本百貨店協会は、令和3年9月の全国百貨店(調査対象73社、190店〈令和3年8月対比マイナス1店〉)の売上高概況を発表した。売上高総額は3188億円余で、前年同月比4・3%減(店舗数調整後/2か月連続マイナス)だった。

百貨店データ

SC販売統計9月

都市規模別・地域別 売上高伸長率

神奈川各店令和3年9月商品別売上高

明日を目指す百貨店探訪 第5回 東武百貨店船橋店

田中店長

 全国各地の百貨店は、その地域経済のバロメーターでもあるのではないだろうか。地域一番店である百貨店を全国津々浦々に訪ねてその様々な実情を発信するシリーズ。

今回は、㈱東武百貨店船橋店 田中尚店長を直撃インタビュー!

  • まずは、東武百貨店船橋店の現状、今後の方向性についてお聞かせください
  • 多彩なテナントミックスを創るとは
  • 『地域密着日本一を目指す!』ための取組みはどのようなものですか。
  • 地産地消の取組みはありますか
  • ECについて
  • 顧客特性について
  • 商圏について
  • 外商について
  • 船橋店のイチオシを教えてください。

続きは ㈱東武百貨店船橋店 田中尚店長 直撃インタビュー – 明日を目指す百貨店探訪 第6回 を御覧ください。

地方百貨店の時代 その27 – 農村社会への回帰とデパート

デパート新聞社 社主
田中 潤

資本主義の限界

 イギリスでは、産業革命により農村にいた多くの小作人が土地を放棄して都市に集中し、企業の労働者として産業の工業化に貢献した。その流れはそのまま、いかに利益を得るか、或いは収奪するかという帝国主義へと進んでいった。さらに、市場原理主義という経済的なシステムに形を変え、見かけはソフトになった資本主義の在り様は21世紀初頭まで続いた。そして今、ようやく地方の時代、トントン社会の時代の到来を迎えようとしている。
トントン社会とは、収入と支出がちょうど見合った つながりと環境を重視する定常型社会である。

 戦後の日本では、短期間に欧米の悪例があろうことか次々に導入された。集団就職により日本の社会文化の粋であった農業という共有資本が破壊され、農業の担い手である若者の大多数が農村を離れることを余儀なくされた。

 都市の産業への人材供給のためにこのシステムを率先して進めた政府は、さらに法律によって選択的農業を強制し、アメリカ産農作物の輸入を促進し、農業の事業性を脆弱にした。国が農業を壊したわけである。

 また、モータリゼーションを国家方針として農地を潰し、高速道路を全国に作り、農村が長い歴史の中で培ってきた共同体としてのコミュニケーションを分断した。こうして地方は人為的に疲弊させられてしまった のである。

デパートの役割

 本シリーズで繰り返している地方百貨店が地域のランドマークとして機能すべきであるという根拠は、このように国の方針でなるべくして衰退した地方文化を、地域自らの力で取り戻すという気運がトントン社会へと移行していく中で大きな役割を果たすチャンスが到来したからである。

 それは、私たち自身の意識の変化と社会環境の必要性から必然的に求められているのである。進んできた道を逆戻りするだけでは元には戻らない。日本の各地域は、農村を再生させ、人々を呼び戻し、車社会を脱却した生活を構築していかなければならない。一見、直接的には無縁な存在であるデパートが新しい地域文化の旗手として存在するのである。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: oboro-300x292.png

 白馬岩岳マウンテンリゾートで北アルプスに向って漕ぎ出すブランコに乗った。絶景を楽しめると思いきや、一向に振動幅が広がらず、腹筋を目一杯使い、足を伸ばして前へと力むも全く及ばず、与えられたハイジの一曲の制限時間は寂しいブランコ遊びとなってしまった。

 降りて、スタッフから「振りが戻る時は足をたたまなければダメですよ」と言われて、「はて、子供の頃はそんなことを自然に出来ていたのかしら」と記憶の糸を繰った。そういえば、初めは立ちこぎで弾みをつけてからだったと、少しずつイメージが甦ってきた。危険防止のために体が座席にフィックスされた時点で、過去のルーチンも消え失せていたのかもしれない。

 それにしてもである。若い女性が軽々と雪山へと弧を重ねている姿を見て、喪失感は消えていかなかった。

無駄の物語 part22 – 俳句から無駄を学ぶ

犬懸坂祇園
作詞、作曲などをしております

17文字の文学

 俳句は、17文字で一つのストーリーを完結させる特殊な文学である。17文字で自分の伝えたいことをまとめるわけだから、余計な言葉や感情はすべて切り捨てる必要がある。

 もちろん、それではすべての人に自分の伝えたいことが伝わらないという意見もあるが、それでも良しとされている。つまり、自分が伝えたいと思ったことを、読み手が違うように捉えたとしても、「別の鑑賞がされた」として済まされる。だから、自句自解は不要。つまり、自分の作った俳句を解説する必要はないと言われている。また、いわゆる良い句は違った鑑賞をされても別の味わいが出てくるものなので、皆が作り手に遠慮せずに思うように鑑賞する句会では、こうした形が上手に機能しているのである。

 言葉を徹底的に切り捨てる作業は、非常に合理的に行なわれる。俳句は季語と言って、句の中に季節を表す言葉がないといけない決まりなので必ず入れるわけだが、二つ入れることは逆に季重なりと言って基本的にはダメ出しをされる。よって、一つの季語に絞り込む作業が自然に行なわれる。季語だけでなく、同じような意味の言葉は重ならないようにする。例えば、「星」という言葉を使えば「見上げる」という言葉は余計だ、というように一つの言葉で十分伝わることはそれで済ますということが徹底されているのである。

 こうした言葉の選択の中で最も大切な点は、自分が一番伝えたいことはそのまま概念の言葉にせず、モノに置き換える作業をしなければならないということである。つまり、花を見て俳句を作る際は美しいとか綺麗といった言葉は禁句であり、美しいと思った感動を別のモノに置き換えなければ、誰もが感じるレベルの平凡な思いしか相手には伝わりようがないと考えるのである。例えば朝露を、単に輝いていると言わず「ダイヤモンド」と表現した時、同じような体験をしたことのある人は深い感動を得るわけだ。

 合理的な思考、つまり概念でモノを考えて言葉にすると、自分の考えを一つの見方でしか示すことができなくなる。あるいは、適当な言葉を生み出すために自分の観念(感性)を変化させてしまう。一方、無駄な推敲を繰り返していくと、概念の言葉を除外し感覚で本質に触れるような瞬間が生まれるものである。その瞬間の感覚をモノに置き換えることで生まれた言葉は、非合理のようでいてプリミティブな人間性を醸し出すのである。結局は言葉であることに変わりはないのだが、明らかにそこには作り手の感性が宿っているのである。

俳句づくりの要諦

 このように俳句は一句仕上げるために、相当な時間を要する。その作業は集中して取り組む無駄な時間である。なぜなら、ほとんどの場合、納得のいく成果物が出来上がることはないからであり、しかも一般的なコミュニケーションで言いたいことを伝えるという視点から見れば、ほとんど結果に差異はないからである。それを承知で俳句を作る作業を膨大な数の日本人が日々行っている。

 合理的な作句方針の下、無駄な時間を重ねるのが俳句づくりの要諦なのである。

連載:デパートのルネッサンはどこにある – 百貨店復活のカギ 「富裕層シフト

コロナ禍で閉店する百貨店

百貨店 閉店

 ネット上にて「コロナ禍で閉店した百貨店5選」というタイトルの記事(Yahoo) に、20万を越えるビューが付いていた。本紙のWEB部門から聞いたところ「百貨店」というワードを「閉店」とともに検索するケースが多いという。
以下抜粋する。

コロナ禍、さまざまな業種の店舗が閉店に追い込まれた。大手百貨店といえども例外ではない。しかしこれら百貨店の閉店にはコロナ禍というよりも時代の流れを大きく感じさせる。閉店した百貨店をみてみよう。新潟三越
 新潟三越は2020年3月22日をもって閉店。インターネット通販が進む中、消費者の百貨店離れが進み、大きく利益を落としたことが要因、としている。2018年に閉店が決まり、コロナ禍の中での閉店となった。現在は大手不動産会社と地元ゼネコンなどが跡地の再開発を進めている。
※本紙11月1日号の株式会社新潟三越伊勢丹の牧野社長のインタビューでも触れているが、伊勢丹と三越の統合による社内競合の解消という面も大きい。そごう川口店
 JR川口駅前にあるそごう川口店は2021年2 月28日に閉店した。1991年10月、再開発の核テナントとして開店、そごうでも全国で30店舗目の出店だった。2019年に閉店が決まり、コロナ禍で30年の歴史に幕を閉じた。 近隣エリアにあるアリオやイオンモール川口といった「日常使い」のショッピングセンターの存在感が強い。髙島屋港南台店
 髙島屋港南台店は2020年8月16日に閉店。売上高の減少もその理由だが、こちらは増床し「港南台バーズ」としてリニューアルオープンした。リニューアル店舗には食の大型専門店や無印良品、カメラのキタムラ、スターバックスなど多くの有名店舗が入居。既存店舗のユニクロも面積を2・5倍に拡大した。
※2020年9月1日号に本欄にて取り上げている。詳細はバックナンバーを参照いただきたい。松坂屋豊田店
 松坂屋豊田店は2021年9月30日に閉店、20年にわたる歴史に幕を閉じた。名鉄豊田市駅前のシンボルとして愛された同店。近隣市町村にも大型店が誕生したことやネット販売の普及が痛手となった。2020年に閉店を発表、コロナ禍が追い打ちをかけた結果となった。西武大津店
 西武大津店は2020年8月31日をもって閉店。最終日は25000人が来場し、慣れ親しんできた同店舗に別れを告げた。1976年にオープンし44年の長きにわたり地元に親しまれた。大きな拍手の中の閉店と なった。

続きは デパートのルネッサンスはどこにある? 2021年11月15日号 を御覧ください。

デパート新聞 紙面のロゴ
昭和24年10月創刊
百貨店に特化した業界紙
デパート新聞 購読申し込み