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デパート新聞 第2660号 – 令和3年3月15日

1月全国は29.7%減

 日本百貨店協会は、令和3年1月の全国百貨店(調査対象73社、196店〈令和2年12月対比±0店〉)の売上高概況を発表した。売上高総額は3265億円余で、前年同月比マイナス29・7%(店舗数調整後/16か月連続マイナス)だった。

百貨店データ

  • SC販売統計調査(1月)
  • 都市規模別・地域別売上高伸長率
  • 神奈川各店令和3年1月商品別売上高

人事異動

  • ㈱小田急百貨店
  • ㈱髙島屋
  • ㈱三越伊勢丹ホールディングス
  • J.フロントリテイリング㈱

さいか屋横須賀店2月閉店後、規模を縮小し3月に新装開店

 さいか屋横須賀店(神奈川県横須賀市)は、2月21日(日)閉店した。148年の歴史を持つ三浦半島で唯一の百貨店だっただけに、当日は数百人の来店客がしばしの別れを惜しんだ。 

 令和2年5月、さいか屋は、横須賀店の閉店を発表したが、地元の顧客からの継続を求める声が多いことから、令和3年3月6日(土)に名称は変えず愛称を「SAIKAYA YOKOSUKA SHOPPING PLAZA」として、現店舗の跡地を活用しての新店舗を、コンパクトな形でスタートした。地下食料品売場に新たな食品店オープン

 新店舗は、期待される百貨店としてのステイタスやランドマークとしての役割を意識した品揃え、デイリー商材の充実などをテーマに店づくりを行い、これまで好評の地下食料品売場には、人気の生鮮三品や惣菜売場に加え、出来立て惣菜コーナー「肉処大和お肉屋さんのお惣菜」や、鎌倉で人気の紫いもアイスクリームなどを販売する「鎌倉いも吉館」がオープンする。ベルギー「レオニダス」等新ブランド店オープン

 1階は、菓匠街がエリア最大級の品揃えを維持継続するほか、ベルギー王室ご用達ブランド「レオニダス」が新たにオープンする。また、これまで上層階にあった商品券売場などのサービスカウンターを1階に移設 し、商品券・菓子・カタログギフトなどの贈答品を1か所で購入できるギフトコーナーを新設。このほか、シーズンにマッチしたおすすめの衣料品や服飾雑貨、お中元・お歳暮のギフトセンターを開設するシーズンスペースを設置する。定休日も設定し営業時間も短く

 店舗運営面では、かねてから取引先などから要望が出ていた働き方改革を意識し、短い営業時間(10時〜18時)と定休日の設定(毎月1回繁忙期を除く)をセットで行った。

 さらに既存建物の低層階の活用により売場面積を約3割程度削減、さらに従業員は約半分に削減することでローコストオペレーションでの営業体制の確立を目指している。空いたフロアはワクチン集団接種会場に貸出し

 さいか屋横須賀店は、市中心地の横須賀中央駅に近く、通勤途中や買い物ついでに立ち寄れるという利点を生かし、売場面積の削減により空いたフロア(5階、6階)を横須賀市にワクチンの集団接種会場として貸し出すことになっている。

 足元のコロナ禍と、中長期的な周辺人口の減少という大きな課題をどのように乗り越えていくのか、さいか屋横須賀店の新たな取り組みが注目される。

地方百貨店の時代 その12 – 食料品売場の見直し・具体的ポイント

デパート新聞社 社主
田中 潤

 デパ地下に象徴される食品売場の人気は、誰もが認めるところである。他のフロアはガラガラでも、ここだけはいつも多くの人で賑わっているという店も多い。ならば、食品売場のフロアを拡大し、単純に今より1フロア、或いは2フロア拡げることを考えたい。ただし、その前に考えるべきことがある。それは、出店してもらうテナントとの関係である。

 多くの人気店をデパートに呼ぶことは当然の課題となっているが、基本的にデパートはテナントを入れれば、その運営はその店に任せ、家賃にあたる一定の出店料に売上歩合を上乗せして、自己の売上収入としている。つまり、在庫も持たず、売上減少リスクも少なく、確実に利益を上げられるような仕組を当然のことと考えている。

 お互いの関係において、自分が良ければ相手にとってはむしろ悪いことが多い。テナントはデパートへの出店という一つのステイタスを得ることが出来る反面、店として通常の個店で行なっている時とは異なる負担を背負わされることになる。

 まず、売上から控除されるデパートに支払う出店料は実質粗利益を減らすことになる。更に、デパートの運営方針に合わせて、人の配置、開閉店時間、販売方法など多くの足枷が生じる。思うように利益が上がらなければ、退店を考えるのは自然なことであろう。退店するについては、入店に際し決めた条件が主にデパート側の論理で(如何に入店を認められるか)作られているだけに、その裏返しで退める際は、テナント側は思い切った決断が出来るわけで、原状回復して「ハイサヨナラ」ということも数多い。

 各小売店が長引く不況に苦しむ中で、これからのテナント入店における条件は抜本的に考え直す必要がある。両者が共存共栄出来る形をまず考えることである。

 ここでのポイントは、大きく分けて2点である。1点目は、売上と利益について、配分方法を両者が合意して決めることである。つまり、テナント側がデパートで商売をするにあたり、そこでの財務分析を行って自店の損益分岐点を提出し、その数値を元にデパートへ出店料の負担を要望するのである。2点目はデパート社員による人的応援態勢の強化である。テナントにとって一番心配なのは自店で人を賄えない時の運営である。デパートは売場における人員をテナント任せにせず、共同で接客態勢を作っていくことが大切である。この2点をデパート側がしっかりグリップすれば、テナントとの信頼関係はみるみる増幅する。長く続く店が増えていくことになる。肝は、テナントの経営にデパート自身が積極的に参加することである。むろん、そもそもそのテナントの商品価値が低くては難しい。つまり、そこにバイヤーの資質が問われるのは当然である。あるいは、上記の取り決めを行なった上で、テナントとして入店したのにどうしても繁盛できない店には、退店願うこともやむを得ない。

 いずれにせよ、共存共栄態勢をしっかり作った上で、食品売場を充実したものにしていくことが出来れば、地方百貨店はその地域で間違いなく集客ナンバーワンになるはずである。大都市と違い売場スペースを広く使うことが出来る地方百貨店にとって大きな強みになる。

 東日本大震災から10年が経過した。当時、日本のフィギュアスケート界に彗星のように登場した羽生結弦選手は、今なお世界の王者として君臨し続けている。比較的選手寿命の短いフィギュアスケートの世界では、稀な存在である。しかし、それ以上に自らの姿勢を明確にして、被災地支援を10年間全力で続けているその精神力には、説明に足る言葉も思い浮かばない。被災地は10年経って、過剰な空地・住民コミュニティの分断・再生を目指した事業者の挫折など深刻な課題を抱えている。ここに来てコロナ禍により人の動きが激減していることで、様々なマイナス要因を増やしてしまった。一方で、成人を迎え社会人になった当時の小学生・中学生の今の姿は、日本中のどの若者よりも凛々しく輝いて見える。

 苦難の日々を乗り越えて、地域をそして将来の日本を支えていく使命感をもった存在に成長されたのだろう。これこそ、最も尊い明日につながる被災地の希望である。

無駄の物語 part8 挨拶の意味

犬懸坂祇園
作詞、作曲などをしております

 子供への教育としてまず最初に家庭で行われるのは、「挨拶をしなさい」という躾である。挨拶をすることは、人として最低の礼儀、人間であることの原点であると教えられ、挨拶が出来れば一つの及第点をもらえるというほど重んじられてきた。

 ところが、人は大人になると、様々な要因で挨拶が出来なくなる人が多い。なぜかと言えば、自分にとっての合理性と一致しないということになるからではないだろうか。こちらが挨拶をしてもしてくれない、相手は自分に気付いていないかもしれない、疲れていて面倒くさい等々「わざわざこの人に今、挨拶をする必要はない」という気持ちが潜在的に浮かび、出来なくなっていくのである。挨拶は、そういう習慣がつくとかなり難しくなるものである。

 ところで、挨拶が無駄なことかどうかの判断基準で見ていくと挨拶をスムーズに出来ない人の合理的思考ではおそらく無駄なことであるということに行きつくのだろう。確かに挨拶をすることで具体的成果が得られることはない。つまり、自分にとっての利益はない。だからこそ、挨拶はしなければならないのである。

 自分にとっては無駄であっても、挨拶をされた相手は心を込めた挨拶であればあるだけ、強い感動を得るのである。挨拶は無駄なことだからこそ一生懸命すべきであり、徹底した無駄な挨拶であるほど相手への思いやりに通じるのである。「無駄なことだからこそやろう」それが挨拶である。

連載:デパートのルネッサンはどこに有る? – JFRが発表した津田沼パルコ、新所沢パルコの閉店について

 2月24日午後、J.フロントリテイリング株式会社は、代表執行役である好本社長名で、「株式会社パルコ 津田沼・新所沢パルコの営業終了に関するお知らせ」を発表した。

続きは デパートのルネッサンスはどこにある? 2021年03月15日号 を御覧ください。

特別寄稿 NY視察2019から見る、百貨店のさらに恐ろしい未来

第3章 – ニューヨーク市内の話題店(その1)

株式会社クリック&モルタル
代表取締役 大和 正洋

アメリカで元気で、日本にはまだ来ていないお店を見てきました。今回は、ニューヨーク市内を中心に紹介します。

 なお、コロナの影響は甚大で、2019年訪問時にリサーチした環境は大きく変わり、現在は店舗が無くなっているいるケースもあることをご理解いただければ幸いです。

NYの旗艦店

店舗展開のひとつの典型「N Y に本店( 旗艦店)を構え、郊外モールで店舗展開」というのは、アメリカにおける店舗展開のセオリーの一つです。アメリカの数多くの企業がこのモデルを導入しています。
日本の弊社クライアント企業の多くも、このモデルにならい、銀座・表参道・原宿に本店を構え、郊外ショッピングモールで多店舗化しています。
アメリカの旗艦店の現状を確認することで、日本に持ち帰る価値のある発見があるのではないかと思いました。

 アメリカにおいても、概して、小売店舗はネット通販に押されて元気がありません。NY市内であっても状況は一緒で、元気なお店は一握りです。集客力のある人気ショッピングモール、駅ビルの中のお店は、売れて当然ですが、路面店として、顧客のハートをキャッチし、今なお元気なお店は、一体どんなお店なのか。多店舗展開の中心にあるNY旗艦店は、どのような店構えなのか、どのような商品をどのように陳列しているのか、どのような接客をしているのか、実際に見てきました。

続きは 特別寄稿 NY視察2019から見る、百貨店のさらに恐ろしい未来 第3章 を御覧ください。

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