日本の百貨店のあゆみ 9 ~西武百貨店

ファッションの西武百貨店

西武鉄道のデパート部門として誕生

1662年 西武百貨店のルーツとなる「白木屋」(後の東急百貨店)が日本橋に創業

1933年 分店開設の一員として白木屋と京浜電気鉄道が、品川駅そばに京阪百貨店を設立

1935年 京阪百貨店が「京浜デパート池袋分店」として池袋に「菊屋デパート」を出店

1940年 武蔵野鉄道(現西武鉄道)が菊屋デパート池袋店を買収。「武蔵野デパート」(現池袋本店)へ屋号を改称。

1943年 武蔵野デパートの商号を武蔵野食糧株式会社に変更。武蔵野デパートの名前はそのまま

1945年 西武百貨店新旧店舗が空襲により全焼。仮建築で営業を再開する。

1947年 武蔵野食糧株式会社(武蔵野デパート)が帝都百貨店を吸収し、株式会社武蔵野デパートと商号変更

大型ターミナルデパートとしての繁栄

1949年 株式会社武蔵野デパートが株式会社西武百貨店に商号変更。店名が現在の「西武百貨店」となる。

1952年 西武百貨店第1期(地上7階地下1階)が開店 

1953年 東京丸物(後の京都近鉄百貨店→近鉄百貨店)が池袋駅開発のため池袋ステーションビル株式会社を設立。翌年から百貨店事業に参加する。

1954年 西武百貨店第2期工事完成。西武百貨店池袋店3期増築工事完成。

1955年 堤清二が取締役店長に就任

1956年 西武百貨店改築第4期増築工事完成。軽井沢店開店。西武百貨店のスーパー部門として「西武ストア」が誕生

1957年 沼津店開店。鎌倉店開店

1959年 池袋西武百貨店屋上に世界最大級の屋上ヘリポート開港式「西武スカイステーション」。池袋地下道駐車場(現池袋ショッピングパーク)設立

1960年 西武自動車ショールーム開店。西武百貨店5期6期増築完成。西武カスタマーズカードを発行する。

1962年 ロサンゼルス店開店。西武自動車販売株式会社が設立

1963年 西武ストアを西友ストアに改称。西友ストアを株式会社西友ストアとして分離。

西武百貨店池袋店7・8階で火災、7人死亡、114人負傷。火災による冠水商品の大安売りを開催。約5万人が殺到し、中止となる。西武百貨店別館(パーキングビル)完成。

1964年 西武百貨店7期増築新装開店。地方百貨店との業務提携を開始する

1965年 西武百貨店で時限爆弾発見。池袋ショッピングパークと西武百貨店との地下連絡口開設

1967年 船橋店開店

1968年 渋谷店開店。本店に隣接する東京丸物百貨店(池袋ステーションビル)を買収

文化とファッションの西武

1969年 大宮店開店。西武百貨店の「英国展」にマーガレット王女がご来店。東京丸物閉店後パルコ池袋店として開店。芸術・文化と若者の協調を主流としたパルコは大成功を収める。

1970年 東京丸物を株式会社パルコに社名変更。静岡店開店。八王子店開店。西武百貨店池袋店増築完成、オープン。売り場面積日本一。

1971年 西武グループ創業者の7回忌を機に、西武企業グループが「西武鉄道グループ」と「西武流通グループ」(後のセゾングループ)に分立し、独立の道をあゆみはじめる。宇都宮店開店

1973年 豊橋店開店。西武百貨店関西を設立

1974年 西武百貨店関西高槻店を開店

1975年 池袋店全面改装新。CI導入。西武美術館開館。緑屋と資本提携を交わす。

1976年 西武百貨店関西大津店を開店

1980年 緑屋が西武クレジット(後のクレディセゾン)に社名変更

1981年 西武百貨店関西八尾店開店

1983年 西武カード発行。西武ライオンズが初のリーグ優勝、日本一となり各店で優勝記念セールを開催。株式会社シェルガーデン設立。池袋西武が売上高日本一となる。

1984年 有楽町マリオンに西武百貨店進出

1985年 西武流通グループを西武セゾングループへ改称

1986年 所沢店開店

1989年 株式会社西武百貨店関西と合併。「西武」を「セゾングループ」に改称

経営危機

1990年 水野 誠一社長就任。イトマン事件に絡んだ高額絵画取引の偽保証書問題などが発覚する。

1992年 西武百貨店医療機器事業部における架空取引事件が発覚。社内から逮捕者が出る。西武百貨店の企業イメージが大きく傷つく事態となる。経営危機立て直しのため、レストラン西武社長の和田 繁明を代表取締役会長として迎える。

1993年 和田 繁明社長就任。経営陣の中心となって経営改革を断行する。(西武北陸(だるまや西武、小松西武、富山西武)を吸収合併。

1995年 高級スーパーのシェルガーデンを子会社化。「ザ・ガーデン自由が丘」として池袋店地下2階に開店。

1996年 セゾングループ全体の経営に関わるため和田 繁明は百貨店会長に退く。クラブ・オンメンバーズシステム導入。株式会社ロフト設立

1997年 浜松店閉店

1998年 デンマークのロイヤルスカンジナビア社(デンマーク王室の御用達として名高いインテリア名門ブランド)と資本・業務提携

1999年 イルムス池袋店(北欧インテリア・雑貨・家具専門館)をオープン。東戸塚店開店。セゾン美術館閉館。和田 繁明会長辞任。堀内幸夫氏社長就任。

2000年 伊藤忠商事株式会社と業務提携を結ぶ。株式会社有楽町西武を吸収合併する。岡崎店開店。

(民事再生法の適用を申請し経営破綻した「十合そごう」に特別顧問(のち社長)として和田繁明が就任)

2001年 西洋環境開発の不良債権処理をめぐりセゾングループの経営危機が表面化。西洋環境開発(セゾングループ傘下の不動産会社)を精算。同時にセゾングループが解散となる。株式会社十合と包括的業務提携を締結

2002年 十合・西武統合商品部(SSMG)発足

2003年 十合が商号をミレニアムリテイリングに変更。ミレニアムリテイリンググループ発足ミレニアムカードとの相互乗り入れ、商品券相互利用開始。

2004年 西武百貨店はミレニアムリテイリングの完全子会社となる。そごう、西武の経営統合が実現。高島屋に次ぐ国内2位の巨大百貨店グループが誕生することになった。

セブン&アイ・ホールディングスの傘下へ

2005年 池袋店を西武池袋本店に名称変更。(イトーヨーカ堂とセブンイレブンおよびデニーズジャパンの3社が株式移転によってセブン&アイ・ホールディングスを設立)

2006年 だるまや西武、福井店に名称変更。本金西武、秋田店へ名称変更。佐野和義社長就任

セブン&アイ・ホールディングスがミレニアムリテイリングを買収。子会社として事業スタート。西武百貨店池袋本店の年間来店客数が7000万人となり日本一となる。(同年の東京リゾート来客数約2600万人)

2007年 渋谷西武を大改装。日本最大のブランド数を扱う。デパ地下を再開。所沢西武リニューアルオープン。

2008年 佐野和義社長辞任のため、石井頼雄社長就任、半年後に退任。山下國夫社長就任(ミレニアムリテイリング社長と兼任)

2009年 そごうが、ミレニアムリテイリング・西武百貨店を吸収合併。株式会社そごう・西武に商号変更。店名は、そごう・西武のまま。店舗表記は、西武〇〇店に統一される。

2010年 西武池袋本店の全館改装完成

2011年 そごう・西武運営によるショッピングサイト 「e.デパート」スタート

2013年 松本隆そごう・西武の代表取締役社長就任

2016年 林拓二そごう・西武の代表取締役社長就任。春日部店閉店。旭川店閉店。

2017年 八尾店閉店。筑波店閉店。

2019年 百貨店と専門店のハイブリッド型店舗として、西武所沢S.C.(ショッピングセンター)がグランドオープン

2021年 デパ地下グルメお届け便 e.デパチカ 西武池袋本店スタート

2022年 西武池袋本店 リニューアルスタート

そごう・西武売却へ

2023年8月 西武池袋本店が百貨店としては61年ぶりのストライキを実施。

2023年9月 親会社であるセブン&アイ・ホールディングスは子会社のそごう・西武をアメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」へ売却。劉勁氏が代表取締役に就任。

2023年現在の店舗

池袋本店

渋谷店

所沢S.C.

東戸塚S.C.

福井店

秋田店

参考:株式会社そごう・西武