地方デパート 逆襲(カウンターアタック)プロジェクト その39 つながるデパートカーニバル 選べるガチャの話 後編

【全国から自慢のガチャが松菱百貨店に集合】
三重県津松菱百貨店7階の特設会場で展開している、「選んで買える全国凄ガチャカーニバル」はむき出しのカプセルトイを顧客が自分で中身を調べて購入できるという企画で、西日本各地から多くの来場者を集めて開催されています。
このイベントの目玉は、全国のオリジナルガチャガチャを一堂に集めているところです。北海道から沖縄までそれぞれの地域で製作し、その場所だけで販売しているいわゆるご当地ガチャは、その地域の観光・文化振興を目的として自治体やその外郭団体、更には青年会など地域を挙げての事業としているところも多数あります。
弘前市のねぷたガチャ、伊那市の石仏ガチャ、宇和島市のアコヤ貝真珠ガチャなど沢山の皆様が相当のエネルギーをかけて製作に取り組んでおられます。これらの多くは、ご当地ガチャとして地元に来られた方々のお土産として消費されているわけですが、CAプロジェクトでは今回幅広く募集し、全国からそうしたオリジナルのカプセルトイを集めてイベントを開催しています。
【ガチャガチャで地方から逆襲】
これには、CAプロジェクトの理念である地方からの逆襲という狙いがあります。つまり、各地域のカプセルトイを一堂に集めて来場者に手に取ってもらうことで、それらの地域のことを知ってもらうことができます(販売するカプセルトイの近くには、地域の観光案内なども掲示しています)。
中身の商品は昔の土産物のように買って帰ったらそのまま引き出しにしまい込んでしまうようなものでなく、日常生活の中で手元に置いて楽しんでもらえるものが多数あるので、カプセルトイを購入した人は生産地への思いも自然に拡がり、「いつか行ってみたい」とか「行った時には立ち寄ってみよう」と、気持ちがそれらの地域につながっていくはずです。つまり、このビジネスモデルは地方に行った時に自宅にお土産として買って帰るという形でなく、松菱で買った人が普段使いして、その地方に興味をもってもらおうという逆方向戦略なのです。
また、7階の「つながるデパートカーニバル」の狙いである事業者同士の新たなコミュニケーションの発生も大いに期待しています。参加事業者には、カーニバルの情報を詳しくお伝えしていくので、各地域で新たな凄ガチャカーニバルを開いていただくことも可能です。せっかく製作した各地域の凄ガチャを様々な地域に拡げ、全国の人がそれぞれの地域のカプセルトイを幅広く楽しんでいただくことを、松菱百貨店を起点にできるならばつながるデパートカーニバルとしては、大きな一歩といえるでしょう。

デパート新聞社 社主