地方デパート 逆襲(カウンターアタック)プロジェクト その38 つながるデパートカーニバル 選べるガチャの話
【松菱百貨店7階で選べるガチャガチャ夏祭りを開催】
デパート新聞は、令和5年から三重県の松菱百貨店とCAプロジェクトを進めています。松菱百貨店7階特設会場ではデパート新聞社が全国から事業者を招いて、食を中心に各地域の人気の銘品を品揃えし、地域をつなげていこうという試みを行っています。その一例として現在展開している選べるガチャガチャ夏祭りをご紹介します。ガチャガチャは本来利用者がその機械のチャンネルを回して、カプセルトイを購入するという販売方法ですが、私たちは機械を介さずにカプセルトイをそのまま手に取り、むき出しの中身を確認して購入できる形を提案しています。
この方法だと、購入者は欲しいカプセルトイの中身を予め調べて購入できるので、同じカプセルトイを繰り返し購入してしまうことがなくなるばかりでなく、そのカプセルトイのシリーズ(だいたい5~6種)をコンプリート(完全に揃える)することも最短で出来ます。来場者は会場内に八百屋の野菜や果物のように山積みされたカプセルトイの光景に大興奮して、カプセルトイを手に取ります。津市内どころか、愛知・奈良・岐阜・和歌山など多くの県外の顧客が押し寄せています。
【名古屋や大阪のお客様を呼び寄せる】
選べるガチャは地元のお客様をいかに呼び寄せるかということをテーマにしていません。津のお客様の多くが電車で1時間余りの名古屋のデパート・商業施設に流出している状況を鑑み、逆に名古屋にない商品を地方都市である津で販売することで、名古屋から顧客を呼び寄せようという試みです。そのポイントは、名古屋の「いいもの」を津でも販売しようということではありません。名古屋に「ないもの」を津で買っていただこうという、極めてシンプルな思考です。
最近の顧客は欲しいものを買うということには、非常に積極的です。同じものなら1分でも近いところで買おうとするわけですが、そこにしかないものにはどれだけ時間をかけても無駄だと思わない人は沢山います。むしろ、時間をかけることも含めて買い物を楽しんでいるのです。名古屋ばかりでなく、多くのデパートのある大阪・京都や神戸の人がこのためだけに、松菱の7階を訪れるのです。まさに、これが地方デパート逆襲プロジェクトの目指すところ、地方からの逆襲に他ならないのです。そうして、初めて松菱に来られた多くのお客様に松菱の魅力を伝え、リピーターになってもらうことも重大な課題です。
次回は、今7階で仕掛けている全国のガチャガチャ事業者へのアプローチについてお伝えします。
デパート新聞社 社主