地方デパート 逆襲(カウンターアタック) プロジェクト その11 暮らしのサポーターCS の存在

暮らしのサポーターの立場

 今回は、カウンターアタックプロジェクト(CA)の切り札となる暮らしのサポーター(以下、CSと言います)の話を進めていきましょう。CSは、外商員のようにモノを売ることを最優先に考える必要はありません。但し、「顧客からの信頼感は外商員以上」の
存在にならなければいけません。

 それは、CSであるその人自身を買ってもらうことに他なりません。CS作戦の最大のテーマは、CS自身が唯一無二の商品になるということなのです。このCS作戦は、顧客と信頼関係が深まった段階で具体的成果を出すことになります。CSがお持ちする商品は、何であっても喜んで買っていただけるようになるのです。それどころか、CSに「何か買ってあげるけど、お勧めのものはないの」と、顧客側から積極的に商品の提供を促がされるようになるはずです。

 顧客としては、CSに実績を作らせることで、そのCSのデパート内での立場を高め、ひいてはそのデパートの営業成績も向上させることで、顧客自身のために更にCSが尽くしてくれる形を築いていくことになるのです。そうです。CS作戦はCSと顧客の相扶る関係につながるのです。

CSの要件

 CSが自らを顧客に買ってもらうためには、顧客に対する礼儀と可愛らしさが絶対に必要です。販売員として顧客のお住まいを訪問することが前提になるので、この2点は不可欠の要素です。その上で、約束を守る、時間を守るといった当り前の遵守事項が必要となるのですが、逆にそれらがしっかり出来ていても前記の2点がなければCSを買ってもらうことは簡単ではないでしょう。

 つまり、CSの不可欠の要素とは概念的なことではなく、その人自身が持っている感性と一体になったものなのです。それは顧客への思いやりの心であり、その思いがあれば感情・声・所作など様々なところで顧客に心地よい発信がなされます。「可愛いらしさ」とは老若男女にかかわらず、その人のもつ瑞々しい所作なのです。だからこそ、CSの選抜には、すべての社員の中からその適性の優れた人を探すことが必要なのです。顧客に買ってもらえるCSが沢山生まれることで、デパートの信頼性は大きく飛躍し、デパートの苦しい時にも率先してデパートを助けてくれる顧客が増えていくことになります。