11月インバウンド売上高5倍 コロナ前比7割に回復 訪日客93万人 4割に

11月インバウンド売上高5倍、購買客数18倍

 日本百貨店協会が12月23日に発表した22年11月の全国百貨店のインバウンド売上高(免税総売上高)速報値は、前年同月比約5倍の約175億4千万円であった。20年1月(316・9億円)以来最大の売上高であり、コロナ禍前の19年11月(261・5億円))の約7割弱に回復した。

 購買客数は前年同月の約18・6倍の約13万人と大幅に増加した。10月11日から個人旅行が解禁され、短期滞在者のビザ(査証)免除などの入国規制が緩和されたことから、円安を追い風にして香港、韓国、台湾などアジア圏からの顧客が急増した。19年11月(40・9万人)購買客数の3割に回復した。(表参照)

 売上の人気の商品は、化粧品、ハイエンドブランド、食料品、婦人服飾雑貨、婦人服洋品であり、来店の多かった国は、香港、韓国、台湾、中国本土、マレーシア、シンガポール、タイ他であった。

11月訪日客数前月比 87%増 100万人に迫る

2022年11月2021年11月2020年11月2019年11月
免税総売上高(億円)175.434.827.9261.5
購買客数(万人)13.00.70.740.9
一人当たり購買単価(万円)12.648.338.06.4
訪日外客数(万人)93.452.075.67244.13

コロナ禍前4割に回復

 日本政府観光局(JNTO)が12月21日に発表した11月の訪日外客数(推計値)は、前月比87%増の93万4500 人に急増、20年2月(約108万人)以来最多となり、コロナ禍前の19年同月比では約4割に回復した。22年1月から11月までの累計数は246万人1900人となった。10月から個人旅行が解禁され、短期滞在での査証(ビザ)免除措置の再開等の水際規制が緩和されたことが主な要因。140円近辺の円安も追い風となった。

東アジア地域 韓国からの入国大幅増加

 東アジア地域において韓国からの訪日外客数が約2・7倍と大幅に増加したこと、その他地域においてもシンガポール、米国はじめ多くの国からの入国が増えた。

国別上位

順位客数
1位韓国31万5400人
2位台湾9万9500人
3位米国8万4300人
4位香港8万3000人
5位タイ5万2100人
6位シンガポール4万300人

国別上位は、上記の通りであった。
コロナ禍前の19年に全体の3割を占めたトップの中国は、ゼロコロナ政策を一部緩和したものの出国規制や帰国時の入国、行動制限等を継続していることから、訪日客は少なく2万1000人にとどまった。

訪日外客数と免税総売上高
2011年以降の訪日外客数