昭和24年10月創刊

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編集部より

現代学生服業界を読む(5)

 前回本欄で紐解いた様に、学生服業界では私立学校に対するリベートはつきものだ。

 リベートとは、販売店が学校に対し「売上割戻金」として支払うものだ。リベート率の相場は通常数パーセント程度ではあるが、中には、横浜市内の某校の様に、縫製メーカーと販売店の両者から、それぞれ10%のリベートを取る強欲な経営者がいる、という。1学年の生徒数は600名だとして、冬服・夏服購入代金を8万円として計算すると・・・。これが毎年続く。おまけに振込先が学校の口座で無いとなれば、空いた口が塞がらない。

 当然このリベート代は、消費者の購入価格に上乗せされている。販売店や縫製メーカーの腹はまったく痛まない。ここで学校と販売店・メーカーが癒着している構造の一端を垣間見る事ができる。すべては購入する学生( 消費者) にしわ寄せがくる。

 この様に、私立学校におけるリベート契約は一般消費者の感覚からは「異常」だが、当事者間では「常識」になってしまっている。

 一方で、倫理的な観点からなのか、(経営に余裕があるからなのか)横浜、横須賀市内のカトリック系名門女子中高では、リベートを受け取らなくなったり、学校側から廃止を申し出たりしたケースもある。誠に良い心掛けだ。だが、その様な学校に対しても、販売店側では体育祭や文化祭等の行事の際に寸志を届ける、という。抜け道はいつでも存在するのだろう。

 もう一方の公立学校には、リベートは全く存在しない(筈だ)。それでも、横浜市立中学における学生服担当教員への「ジャージの無償供与」は古くから慣行とされており、これも、リベートでないとは言えない。こうした癒着による、付け届けの慣行に対し、当事者である学校側が「襟を正す」のは難しい。であれば、「公正取引委員会」にでも、お出ましいただくしかないのかもしれない。名門私立校ならそのブラントを守るために「悪しき慣行」を脱することが、出来るかもしれない。ブランドの大事さを熟知する、デパートにも、是非一役買って貰いたい。