昭和24年10月創刊

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激震消費税

激震消費税 – 3

平成15年 2月10日号(第2244号)

内税表示内で必ず百貨店の負担はふえる

 消費税率のこれ以上のアップは医療機関にとって極めて深刻な事態となる。―全国の各医師会ではもう長い間、消費税の損税問題を背景に消費税率の上昇に厳しい目を光らせている。

 消費税は事業者が預かった消費税から支払った消費税の差額を国に納める税金である。

 医療機関の場合、この預かる消費税がない。つまり、社会保険での診療投薬については消費税は非課税となるので、患者から消費税を受け取ることはないわけだ。

 一方、支払いでは設備、薬や経費まで、通常どおり消費税はすべて負担する。ということは、(預かった消費税)0-(支払った消費税)100=△100 となり、本来この百円は申告すれば還付を受けることが出来るはずである。
しかし、非課税の収入に対応した支払いで生じた消費税はそのまま自己負担としなければならない。還付を受けられないのである。

 結果的に医療機関はこの負担した100の消費税部分を自己の利益から支払っているのである。これを称して「損税」といっている。医師会は負担した消費税の還付を求めているが、行政サイドでは診療報酬や薬価の設定時に消費税分も上乗せしてあると主張し、意見は対立を続けている。「今後、無造作に税率を上げれば現行の法律を変え、非課税が抱える矛盾を改善しない限り、多くの医療機関は立ち行かなくなる」と多くの医師会の顧問をつとめる田中潤税理士は危機感を隠さない。

 百貨店の場合には、売上は非課税ではないので直ちにこのケースと同じことが起こるとは考えにくいが、預かる消費税を表面化させないという政策は納税義務者を納税者に陥らせる危険性をはらんでいることは確かである。

 仕入れ業者の内税表示の不徹底などで支払った消費税が利益計算上、考慮されずに粗利益に悪影響を与えることは最も警戒される点といえよう。

 消費税法が預かった消費税をそのまま納めるという明快な仕組みでなく、実際のお金の動きとはかけ離れて事業者が自ら帳簿上で差引計算して申告をしなければならないものである以上、「利益」と「消費税」の明確な区分けはきわめて難しいからである。