昭和24年10月創刊

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編集部より

「オンリーワンデパートメントストア」~独自路線を行く誰にも優しい京王百貨店

コロナ禍を経てwithコロナとなった今、百貨店の多くは、富裕層の顧客獲得に注力する傾向が見られる。外出機会が減り、旅行や外食などで消費しなくなった分、高級品の購入に当てる比率が増えた富裕層は、来客が減って売上が大幅に減少した百貨店にとっては、何をおいても獲得したい客層である。

一方で百貨店の売上を支えるのは多くの一般客たちである。百貨店の繁栄した時代から長く売上を支えてきた常連客は高齢化したが、それでも現代の高齢者たちは元気である。何かしら魅力があれば、過ごしやすければ、楽しみを見つけに百貨店に足を運んでくれる。

郊外の大型ショッピングセンターへ行ってみた。館内には家族連れの客が目立つ。広々とした通路でベビーカーを押す家族連れ、わかりやすい設備案内、駐車場のスペースも十分にある。広い敷地を歩くには高齢者はやや厳しいところもあるが、なにより休憩用の椅子が至るところにあり、席が空くのを待たずに座れる。少し前までは、百貨店も休憩用の椅子は各階に設置されていたが、最近は殆ど見かけなくなった。郊外のショッピングセンターでは、一日館内で過ごせる設備が準備されている。かつての百貨店がそうであったように。残念ながら、今の百貨店は子供連れや高齢者には行きにくい場所となってしまったのではないだろうか。

そんな中、シニア世代を中心とした優しい店作りを行っているのが京王百貨店である。

誰もが過ごしやすく買い物をしやすいユニバーサルデザイン

年齢や障害の有無、国籍などを越えて、誰でも使いやすい設計のことを「ユニバーサルデザイン」と呼ぶ。

■新宿店でのユニバーサルデザイン

・1階正面入口を段差のないスロープへ改装。休憩用の椅子もが設置されている。

・通路幅の広い化粧室は、ベビーカーや車椅子で利用できる個室を用意。

・エスカレーターは、荷物などで両手がふさがっていても安全なゆっくりな速度に設定。

・化粧品コーナーに安心感のある低い椅子を用意。

・ベビー休憩室の充実。授乳室、オムツ替え台、小さな子供用のフラットスペースなどを用意。更に粉ミルク調乳用の温水器も設置している。

■ピクトグラムの導入

オリンピックで注目されたピクトグラムを日本の商業施設ではいち早く取り入れた。館内設備が遠目でもわかりやすく、今ではどこの百貨店でも導入している。

京王百貨店の誰にも優しい取り組み

1994年 「駅立地」「中規模店」「顧客構成」の優位性を活かした京王独自の販売戦略と改装により、オンリーワンデパートメントストアをめざす店づくりが始まる。

1995年 ウォーキングシューズコーナー設置し、中高年層のニーズにいち早く応える売場づくりに着手した。

2004年 創業40周年 テーマは「新・大人生活へ」。団塊世代を中心とする家族のライフスタイルに合わせた改装を実施する。

2006年 婦人関連フロアをリニューアルオープン。中高年の女性向け売り場を充実させる。

2014年 50~60歳代の大人の女性をターゲットにした婦人服ブランド「ミ・デゥー」を立ち上げる。

このようにシニア世代を中心にファミリー世代など誰にも優しい百貨店がさらに求められていくが、当初のターゲットであったシニア世代の高齢化が進んでいることから、これからは新たな取組が必要となっている。

その京王百貨店新宿店は新宿駅周辺の再開発計画により建て替えられることが発表されている。着工時期は未定だが、2040年代に高層ビルとして生まれ変わる予定。京王百貨店については今後業態の見直しが検討されているとのこと。

京王百貨店公式サイト