名鉄百貨店が閉店

松坂屋名古屋店南館がパルコに

 名古屋駅前で71年の長きに渡り営業してきた名鉄百貨店が2026年2月末をもって閉店した。本コラムでも1年前の2025年2月15日号にて、「名鉄百貨店の閉店」というストレートなタイトルで詳細をお伝えしている。

 先ずはそれを一部参照する。

名古屋4Mは今 

 地元民にとっては当たり前だが、名鉄百貨店本店は名鉄名古屋駅の改札前にある。名鉄の乗り場はJR、地下鉄と近鉄の中間だ。いや、逆だったか。ちょっと複雑なので思い出せない。

 名古屋鉄道が2026年春に名古屋駅前の名鉄百貨店本店の閉店の検討に入ったことにより、名古屋エリアの百貨店運営は大きな転換点を迎えることとなる。

 東京、大阪に次ぐ三大都市の一つである名古屋。かつては「4M」と呼ばれた百貨店4社(松坂屋、三越、名鉄、丸栄)がしのぎを削っていた。
※最近は髙島屋も含め、4M1Tと呼んでいるらしい。筆者は初耳だが。それが名鉄本店の閉店により3社に縮小する。というより、既に百貨店としての実態を持たない丸栄も除き、2M1Tではないだろうか。これについては後述する。

 今は既に、名鉄百貨店の後継となる商業施設に話題は移っている様だが、消費者を含めた外野からは、周辺施設にはない独自性を求める声が相次いでいる、という。

シニア向け

 名鉄百貨店本店は中高年層向けのファッションや雑貨などを充実させてきた。当初は松坂屋、三越とのMDの差別化であったが、近々では隣接するJR名古屋タカシマヤとの差別化対応からであろう。

 卑近な例で判りやすく言えば、新宿における京王百貨店の様な位置付けだ。巨大ターミナル駅において「シニアデパート」としての役割を担って来た訳だ。

 名鉄本店の閉店報道を受け、若い利用客からは「名鉄は化粧品やファッションの品揃えは髙島屋に劣る。店内が暗く活気がない」といういささか辛辣な声も聞かれた。

 名鉄本店は1954年に開店し長年、名古屋駅前のシンボルの一つとして親しまれてきたが、老朽化が進んだ施設が多くなってしまった。

 名古屋鉄道は名鉄本店や名鉄グランドホテルが入居するビルの解体を2026年度中に始め、翌27年度に再開発に着手する計画だ。名鉄は既存顧客の維持のための施策も検討する、としている。

 名鉄本店の閉店は名古屋のような巨大消費地であっても、百貨店の運営が厳しいことを物語っている。それは既に都心の銀座、渋谷、新宿、池袋でも実証されていることだ。

 昔は名古屋の百貨店は名古屋駅前の松坂屋(2010年に閉店)と名鉄本店、栄地区の松坂屋、名古屋三越、丸栄というラインナップだった。※ここまで

 現在名古屋の百貨店は、JRタワーを擁する名古屋髙島屋と、繁華街である栄さかえエリアの松坂屋と三越の3社となった。
「日本一の外商」と囁かれる松坂屋名古屋店も頑張っている様だが、JR名古屋髙島屋は2024年の年間売上で2000億円を上回り、新宿伊勢丹、うめだ阪急に続く、全国3位のデパートなのだ。

 従って、名鉄百貨店の閉店については「仕方がない」というコメントしか浮かばないのが現状だ。
※因みに松坂屋名古屋店は年商1300億で全国8位だ。Jフロントリテイリング(大丸松坂屋)グループの売上トップに君臨している。

 名鉄百貨店の閉店については、名古屋の街(名駅エリア、栄エリア含め)に様々の影響を与えるはずだ。2025年12月には栄の松坂屋南館がパルコに変わるという驚きのリニューアルプランが発表された。

松坂屋名古屋店南館、2027年春リニューアルでパルコ北館?に

 J.フロント リテイリンググループの大丸松坂屋百貨店とパルコは、「松坂屋名古屋店」南館の一部(地下2階および1階~6階)を、パルコが運営する新しい商業施設へと大規模リニューアルする。2026年2月以降順次工事に入り、2027年春に開業予定だ。

 両社は2024年度から松坂屋名古屋店、名古屋PARCOの大規模改装に取り組んでいる。今回のリニューアルでは、両店舗の中間に位置する松坂屋名古屋店南館の、松坂屋美術館など文化発信拠点としてのアイデンティティはそのままに、パルコが得意な「ファッション・エンタメ・カルチャー」をはじめとする感度の高いストア・ゾーンを導入し、松坂屋名古屋店と名古屋PARCOをつなぐ「ブリッジ」として多様な世代が交わる施設へと進化させるという。

 本紙本コラムでは、3月以降も名駅の名鉄跡に加え栄の松坂屋リニューアルも引き続きウォッチしていきたい。

松坂屋名古屋店 南館の改装工事

所在地: 愛知県名古屋市中区栄3- 16 -1

建物規模:地下4階~地上11階、塔屋1階

リニューアルフロア・面積: 地下2階、1階~6階、約19000㎡

名鉄百貨店71年分の歴史展2月28日(土)まで
[メンズ館]6階連絡通路写真や映像・パネルなどで、71年を振り返った。そのほか歴代の紙袋・包装紙や、名鉄ホールの貴重な資料も特別展示。会場ではお客さまからのメッセージも募集した。