デパートのルネッサンスはどこにある? 2025年9月01 日号-第121 回 デパートとテレビは時代遅れ(オワコン)なのか?

筆者は、日本テレビのお昼の番組「ヒルナンデス!」にVTR出演しました。今年に入って3度目のテレビ出演です。
7月17日木曜日放送のヒルナンデス、前半の特集は「大人の遊び場!デパート満喫テクニック」というタイトルで、3人のタレントがデパート巡りをします。
デパートの事ならデパート新聞では?ということで、白羽の矢が立ったのか、新聞社に出演依頼が舞い込みました。
先ず今年のテレビ出演をおさらいしておきます。
1度目
2025年1月12日BS―TBS 関口宏の『この先どうなる!?』のデパート特集に出演。日本で独自に進歩したデパートの歴史と栄枯盛衰、そして衰退した理由を探りました。
2度目
2025年6月13日 テレビ朝日 タモリステーション『デパ地下進化論』に出演。
新宿伊勢丹のデパ地下をタモリさんが探訪。その発祥から人気の秘密を解説しました。
そして3度目の今回は、2025年7月17日 日本テレビ ヒルナンデス!『大人の遊び場!デパート満喫テクニック』に出演しました。
但し、TBSとテレ朝はスタジオゲストとして出演し、MCの関口宏さんやタモリさんとの「対談」という形をとったのに対し、今回の日テレはロケでも、スタジオでもなくVTR収録での参加となりました。
ちょっと出演が重なっただけで、もうタレント気取りか、と訝いぶかる購読者の方もいらっしゃるかもしれません。
単純なフロック(偶然・まぐれ)なのでご安心いただきたい。
※誰の安心なのかは判りませんが。
業界の状況
先ずは直近の百貨店を題材としたニュースを見てみましょう。
地方百貨店と電鉄系デパートの閉店ラッシュに対し、富裕層シフトから呉服系(老舗)百貨店は最高益を達成。
但しその老舗百貨店も、今年に入ってからは頼みの綱のインバウンドに翳りが見え、前年割れが続き失速モード。
そして本紙が常に注視している池袋西武の先行リニューアル等々。
相変わらず浮き沈みが激しく「まだら模様の」業界であることに変わりはありません。
「デパート新聞」である本紙としては、同じオールドメディアとは言っても、まだまだ一般大衆への影響力の強い「テレビ」の力はお借りしたいというスタンスです。
※一般大衆が今、どこを指して言うのかは解りませんが。
もちろんデパート業界全般を俯瞰したTBSと、今百貨店で注目すべきは「デパ地下」と看破したテレビ朝日については、関口宏、そしてタモリという、番組MCの発信力と相まって、大変有意義な内容だったと思っています。
いや、筆者は別に日本テレビの「ヒルナンデス!」を揶揄している訳ではありません。タレントの街歩き(商店街やテーマパーク紹介)企画を「戸外は暑いから涼しいデパートにしただけ」なんて、思ってもいません。
いつもの様に前段が長くなって恐縮です。早速番組内容を紹介します。
ヒルナンデス!
以下は番組の宣伝文から抜粋します。
「今回の舞台は『玉川髙島屋S・C』最新のお店から老舗のレストランまで多種多様なお店はもちろん、デパートにある多彩なサービスをご紹介!」
3人のタレントが事前に現地ロケに行き、解説が必要な部分をデパート新聞編集長が7月6日の夜にVTR収録。
《ロケ出演》
横山裕(SUPER EIGHT)、山村紅葉、高橋真麻
以下は、収録前のアンケートです。ほぼそのまま再録します。
ヒルナンデス!【デパート新聞】インタビュー事前アンケート
この度は「ヒルナンデス!」(7月17日放送)にご協力いただき、誠にありがとうございます。今回「大人の遊び場!デパート満喫テクニック」ということで、デパート内のおすすめスポットや最新のグルメ店舗を巡って「これを知ったら1日があっという間!デパートを楽しみ尽くす」という企画です。
ご出演いただくにあたり、インタビューの内容を精査させていただきたく、下記のアンケートにお答えいただきたく存じます。
1.椅子やソファなど、休憩スペースがさまざまなところにあるのはなぜでしょうか?
「普通に考えれば、休憩スペースは、百貨店の顧客サービスとして必須です。文字通り「休憩」してもらうスペースですが、どこのデパートでも「潤沢」にソファなどが設置されている訳ではありません。
渋谷から電車で10分の二子玉川髙島屋は、高級住宅街ではあっても「郊外」であり、比較的広い面積を生かし、本館1階「グランパティオ」や南館6階「ホワイトモール」といった休憩スペースには、常にお客様が滞留しています。
買い物目的でなくても、だれでもがくつろげる空間であり、タマタカでは学生と思しき若年層やファミリー層の利用も目立ちます。
ちょっと穿うがった見方かもしれませんが、将来の上顧客への先行投資としての側面を持っているのではないでしょうか。
一方、都心の百貨店、例えば新宿伊勢丹や銀座三越の館内は狭く、休憩スペース(椅子やソファ)はほぼありません。
代わりに、年間買い上げ額上位のプラチナカードを持った上顧客のみが使える「ラウンジ」が設置されています。
当然限られた「富裕層」しか利用できません。今は良いですが将来の見込み客を、徐々に失っているのかもしれません。
「買わない人は客ではない」という考え方は、短期かつ効率的には正しいかもしれませんが、新たなお客様、次世代の上顧客を開拓する、という視点が欠けていると言ったら言いすぎでしょうか。
もちろん新宿と二子玉川を単純に比べるのは不公平かもしれませんが。」
2.玉川髙島屋で穴場スポットや、あまり知られていない(利用の)裏技などありますでしょうか?例)冷蔵ロッカーでデパ地下で買った食材を保管できる!とか、○○は人が少なくて、休憩場所としておすすめ など
「前項で言及した、本館1階の「グランパティオ」は「ライブラリー&アート」というネーミングで、決められたテーマに沿った書籍やアート作品を展示しています。今の選書テーマは「椅子、イス、いす」。
空間として「くつろげる」だけでなく、情報や「気づき」を与えてくれる場所でもあります。
冷蔵ロッカーで、デパ地下で買った食材を保管できるというのは、限定品を先に買っておく、とかでない限りあまりお勧めできません。食品は最後というのが本来は鉄則だと思います。ロッカーに入れたまま忘れて帰ってしまって・・・という話を聞いたことがあります。それはもう悲劇ではなくホラーですよね。
裏技 レストランでディナーという場合、ついつい車で来たのにアルコールを飲んでしまった、という経験、どなたにもあるのではないでしょうか。タマタカには
夜に車を置いて帰って、翌日まで駐車代無料、というサービスがあります。これは顧客の安全を本当に良く考えた、郊外駅前立地のタマタカならではの素晴らしいサービスだと思います。」
3.デパートに行ったら必ずこれはするべき!という必須事項はありますか?
例)屋上は必ずチェックするべき! 階段脇に〇〇のようなスペースがあって便利 など
「デパートの待ち合わせスポットとして、誰もが考えるのは、時間がつぶせる本屋「南館5階の紀伊國屋書店」文房具屋「南館3 階の銀座伊東屋」。そして、今デパートでここが一番という場所はやはり「デパ地下」でしょう。洋菓子、和菓子といった最新スイーツのチェックはもちろんですが、筆者のお勧めは本館地下1階の「明治屋」ですね。高級食材って見ているだけで自身の「民度」が上がる様な気になるから不思議です。貴重な「食」の宝庫で、本屋と同じ「効用」が得られるのです。駐車場も近いし。
・そしてデパートの屋上は必ずチェックするべきですね。 真夏の真昼間はお勧めしませんが、夕方に行くと、風が少しひんやりとして、ビルの谷間でも良い景色が見られます。タマタカの屋上には滝があるので、パワースポットとしてもお勧めです。」
※タマタカ:玉川髙島屋の略
4.山田編集長おすすめのデパートの周り方を教えてください!例)まず最初は最上階まで行ってから降りていくとか、買い物の一番最後は「どこどこに寄ると良い」などあれば。
「最初に最上階まで行ってから降りてくる、というのは、筆者も実際にやっています。上りのエスカレーターで、「あ、あそこは帰りに寄ろう」と目星をつけながら、帰りの経路を考えるのです。
例えばファッションとか、買う物が決まってない場合は、前述の本屋、文房具屋以外ですと、南館6階がお勧めですね。例え今すぐ買わなくても、ハイクオリティな家具や、アンティーク家具、雑貨を眺めていると、直ぐに1時間くらいたってしまいますから。
そして最後はデパ地下に寄ると良いですね。牛乳とかビール、そして生鮮品や重い物は最後に調達するのがベターだと思います。」
※正直、この事前アンケートの内容は、番組の中ではあまり反映されませんでした。番組が望んでない情報なのであれば、仕方ないのですが、実際は「視聴者が望んでいない」と番組製作者が「思い込んでいる」場合もあるのではないか、とひねくれ者の筆者は考えました。ここに掲載することで、視聴者だけではなく購読者諸氏にも判断して貰えれば幸いです。
さて、上記のアンケートを経て、実際番組が作ってくれたインタビュー台本を掲載します。一種の「答え合わせ」ですね。実際の収録(撮影)時は、カットインというのか(日テレだけに「ズームイン」というのかな?) 筆者の横顔をアップで撮ってくれました。
TBSやテレ朝の様な情報番組というよりは、バラエティ番組と呼ばれる、スタイルなのだと思います。
さて、実際の収録です。
山田編集長 汐留の日テレ本社ビルでインタビュー(台本読みと撮影)
玉川高島屋S C2025年7月17日放送
①デパートにある椅子やソファなど、休憩スペースについて



A:デパートに椅子やソファが多く設置されているのは、きちんとした理由があるんです!
お買い物したお客様に休憩していただくスペースとしてのサービスはもちろんですが、「疲れたから帰ろう」ではなく「疲れたから休もう」と思っていただくことがとても大事なんです!疲れを癒したお客様が、また楽しくお買い物ができるように、くつろげる空間を用意する。
また、この日に買わなくても買いたいものをゆっくり思案する場所を提供する。商品の売り買いだけでなく、思案する時間もきちんと提供する。デパートの椅子やソファはそういった役割を持った大切なトコロなんです。
②玉川髙島屋で穴場スポットや、あまり知られていない裏技は?
A:デパートに来店する際、車で来たのでアルコールは飲めないなんて方も多いと思いますが、タマタカは夜に車を置いて帰って、翌日まで駐車代無料というサービスがあるんです。これは顧客の安全を本当に良く考えた、タマタカならではのサービスだと思います。
③デパ地下活用術
A:「食品は最後!」というのが本来、デパート買い物術の鉄則です!しかしそんな常識を覆したのが『冷蔵ロッカー』の登場です。デパ地下で買った食材を保管できる!というのは、特に限定品など先に買わないと売り切れてしまうなんて時にはおすすめです。
ただし、買った商品をロッカーに入れたまま忘れて帰ってしまった、なんて話も聞いたことがありますので、くれぐれも忘れないようにご注意ください!
④知って得するタマタカ活用術


A:タマタカのデパートの屋上は必ずチェックするべき!
植物や花を販売しているケースが多く、真夏の昼間はお勧めしませんが、タマタカの屋上には滝があるので、夕方に行くと風が少しひんやりとして、ビルの谷間であっても良い景色が見られます。
また、これはあまり知られていませんが、本館と南館を繋ぐ連絡通路に飾られている植木鉢などは満開を迎えたタイミングで、お客様にお渡しするサービスもしているのでお花のお好きな方はぜひ、季節ごとの植木鉢をチェックしてみるのもおすすめです。
⑤デパート巡りの基本
A:最初にお伝えしたいのは、「最上階まで行ってから降りてくる」というのが、デパート巡りの基本です!私も実際にやっています。 上りのエスカレーターで、「あ、あそこは帰りに寄ろう」と目星をつけながら、帰りの経路を考える訳です。
で、この時にエレベーター横に設置されているフロアマップを各階、携帯で撮っておくと降りて行く際にどこに立ち寄るかプランが立てやすくなります!
※前半はともかく、後半のフロアマップ撮影とか、実際にこんな事をする人見たことないけど、と思いながら・・・
※前述した様に、最終的には休憩スペースの件(くだり)以外の駐車場の裏技や冷蔵ロッカーや屋上については、ほぼ番組ナレーションに取って代わられてしまいました。
編集上仕方のない判断だったのでしょう。もちろんカットされたからといって、筆者はけして怒ったりはしていません。
本当に。
まとめ(世代論)
冒頭に、デパートとテレビは時代遅れ(オワコン)と記しましたが、一般に百貨店顧客、テレビ視聴者の「年代」からそう言われるのでしょう。
それは10代20代30代をメインユーザーと捉えての発言だと思われます。それこそ20~30年前はそれが常識であったのは言うまでもありませんが。只、今の日本の人口分布から言って、40代どころか、60代70代はマイナーな存在ではありません。
百貨店購買もテレビ視聴も、その年代が主力だからと言って、勝手に「終わったコンテンツ」扱いするのは見当違いではないでしょうか。
メディアはいつまで「ターゲットは若者」という呪縛にとらわれているのでしょうか。
今の時代、あらゆる世代から支持されるコンテンツなど、果たして存在するのでしょうか?
だから筆者は、若者に百貨店に来ては貰いたいですが、無理強いはしても仕方がない、とも思っています。
車離れ、テレビ離れした若者に「デパートは別ですよ」は無理があると。一つ考えたのは、デパートが今のデパートとは違った拠点(ランドマーク)になることは出来るかもしれない、という思いです。
只その時は、百貨店側(そこで働いている人)が変わる事が大前提ではないか、とも思います。
簡単な課題ではありません。彼ら(デパートの社員)がそうしたいかどうかも判らないからです。
※注 今回はアンケートの回答に合わせ、文章全体を「ですます」調で書いています。

デパート新聞編集長
