地方デパート 逆襲(カウンターアタック)プロジェクト そのその53 CA プロジェクトの松菱百貨店での(その9)

 松菱百貨店は、地域との関係を大切にしています。三重大学学生によるエレクトーンコンサート、セントヨゼフ女子学園生徒によるハンドベルクリスマスコンサート、ダンスの発表会、俳句や絵画展など多くの文化イベントを始め、オレオレ詐欺に遭わないための講座、熱中症対策講座、食生活栄養相談会など、地域の安全を考えてのイベントも定期的に行っています。また、地元の相可高校の調理部の生徒さんたちの作成したお弁当販売なども、デパートの催事で行い人気を集めています。

 地域の若い人たちがデパートという場を活かしてモノを販売したり、サービスを提供するような体験をすることは地域の将来に向けて非常に重要です。彼らがこの地域に対して帰属意識を持ってくれる大きなきっかけになるからです。

 CAプロジェクトでは、この流れを更に加速させるために、三重大学大学院イノベーション研究学科の先生方と協議を重ね、松菱におけるアントレプレナー(起業家)精神の活性化を図る取組みを検討しています。これは、会社を起こす・事業を始めるといった狭義の起業をサポートするというのではなく、自己の責任意識の中で、地域での活動や多くの人々とコミュニケーションを拡げていくことが出来るような精神を作っていくことを支援しようという視点です。

 アントレプレナーシップを身に付け不特定多数の人々に小さな幸せを創造することができる人、即ち公益の視点を持つ人を育てるということなのです。自分たちの住む地域を重視することの意義を伝え、公益的見地から環境保全、高齢者や弱者への思いやり、更には家業を継承する責任感など、勇気ある人を育てていくことを伝えていきます。

 同時に、地域の人たちに教えてもらう勇気・助けてもらう弱さを素直に表現できる人に育てていくことが大切です。自分と他人とが相扶ける関係を当然と思う人になることも、これからのアントレプレナーシップとして求められる必要な条件です。

 将来地域で仕事をすることを考える際、受け身で働く場が与えられることを待つのではなく、自分の力で自分の故郷を元気にするために新しい仕事をつくるのだという、地域起業家精神を育てていく場を作っていくことを目指します。

 こうした取組みにより地元の方々にデパートのコミュニケーション発信力を強く訴えていくとともに、来店された方々にCAプロジェクトで大きく変りつつある松菱百貨店を体感してもらうのです。