昭和24年10月創刊

メニュー
メニュー
税と対峙する

税と対峙する – 7

平成15年 8月5/20日号(第2255号)

― 外形標準課税は黒字・赤字にかかわらず増税
デパート業界が徴税の草刈り場に ―

 平成16年4月以降に開始する事業年度から適用される法人事業税の外形標準課税について、その課税上の問題点について前回まで確認をしてきた。

 法人事業税は現在、法人の所得がなければ課税されないのだが、今後は現在の税率の3/4部分はそのまま継続し、残りの1/4部分については所得に関係なく課税されることになる。(表参照)従って赤字法人は無条件に増税になるとともに黒字法人の場合も1/4部分の今迄の税率に相当する税額を超えて納税になることが濃厚である。つまり、今迄は所得が減れば1/4部分に相当する税額も当然小さくなったわけだが、外形標準課税ではこの1/4の枠は所得とは別の要素で一定額の納税をもたらしてしまうからである。

 デパートの場合、前回まで詳しくみてきたように、この新たな1/4部分にかかる要素である人件費・賃借料・資本金はどれも、一般的な事業を行なう法人と比べ課税対象となる金額が大きい為に更に不利になる状勢である。

つまり赤字であれば新たな税金の発生になるとともに黒字であっても今迄以上の納税になることは必至なわけである。

 経営上大きな問題となるこの税金を決して見過ごしてはならない。将来的にこの割合は1/2に広がることはかなり有望といわれている。またこの制度は現在は資本金1億円を超える法人に限定しているが、この適用枠が下がることもまちがいない。いずれすべてのデパートに適用されることになるはずだ。デパート業界として「税と戦う」為の意識改革が待たれるところである。

図表

今迄の法人事業税税率
<所得割>所得のうち年400万円以下の金額5%
〃  年400万円~800万円以下の金額7.3%
〃  年800万円超の金額9.6%
外形標準課税の導入後の法人事業税税率
<所得割>所得のうち年400万円以下の金額3.8%3/4部分
〃  年400万円~800万円以下の金額5.5%
〃  年800万円超の金額7.2%
<付加価値割>報酬給与+純支払利子+純支払賃借料±単年度損益0.48%1/4部分
<資本割>資本等の金額0.2%

(図表の説明)
たとえば年400万円以下の所得の場合、所得割について今迄の税率は5%だったが、今後は3.8%(5%×?≒3.8%)に減額される。つまり、5%×?≒1.2%部分がなくなり、代わりに付加価値割と資本割が課されることとなる。

付加価値割等の税率の合計0.68%は所得の額にかかわらず必ず発生するわけである。しかも、その元になる要素は所得でなく人件費や資本金であり、その額が多ければ税額は元の1.2%に対応する額とでは比べようもなく増える危険性がある。

※具体的試算は 春季特別号 に記載