昭和24年10月創刊

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デパート新聞 第2650号 – 令和2年10月15日

8月全国は22.0%減

新型コロナウイルス感染拡大や猛暑に加え、大型催事や夏休みイベントが中止・縮小し、集客に大きく影響した。

百貨店データ

  • SC販売統計調査
  • 都市規模別・地域別売上高伸長率

地方分散型社会の到来 – 地方百貨店の経営 その2

デパート新聞社 社主
田中 潤

 新型コロナウィルスによりニューノーマルに移行することを反強制的に求められた日本社会において、将来のあるべき方向を考えるシミュレーションは活発に行なわれている。そして、そのシミュレーションの主役はAI であ る。将来の在るべき形を考えるにあたり重要業績評価指標KPI(Key Performance Indicator キー・パフォーマンス・インディケーター)を設定し、様々なデータを駆使して結果を導くという手法がある。人智の及ばない膨大なデータを投入し、目的とするテーマの達成可能度を診断するのである。

 そうした作業で東京を中心にした一極集中型社会と地方分散型を比較すると、明らかに日本にとっては、地方分散型社会の方が持続可能性において優れているというデータが現出しているようである。

 具体的には、地方分散型社会の方が出生率の向上や個人の健康寿命の増大、ひいては人々の幸福感が高まっていくという訳である。多くの人々が、新型コロナウィルスにより自由を拘束された生活を強いられている中で、このことは実感しているところであろう。そして、ローカルな生活を支えるためには、地域内の経済循環がしっかり機能しなければ持続不能の事態も起り得る。

 読者も当然と考えていただけるだろうが、そこでの重要な役割を果たすのが百貨店なのである。その在るべき形は経済優先・利益重視主義ではなく、大きな発展は期待せず、定常化した器の中で経済的に成立し、地域のコミュニケーションを支えていく公益事業者という姿なのである。

 大規模小売店舗法により、半世紀以上の間小売店の中で特殊な存在として規制を受け続けてきたデパートが、まさに規制緩和の革命児として地方から新しい発信を始めなければならない時なのである。

 コロナ禍後、持続可能社会・定常化社会といった言葉がよく使われるようになった。いずれも社会の一つのシステムを示す言葉ではあるが、もう少し具体的な言葉に置き換えてみると、持続可能社会は、生き残る為の社会、定常化は発展が限界になった社会と言えるのでは ないだろうか。

 こうした表現の方が国民に現状の危機感を届けられるはずである。多くの事業者が、今、生き残りをかけた最後の戦いを余儀なくされ、国民全員が心のどこかで信じていた「明日は更に豊かになる」という希望を消失させている。今の厳しい状況を直視した上で、新しい創造力で希望の社会への道筋を探っていきたいものである。それは、一方的に義務づけられたニューノーマルとは違うものでありたい。

デパートのルネッサンはどこに有る? – 地方百貨店の現状

前年比は地高都低

 前号で、「地方百貨店の復活」の可能性を述べた。
その理由は、半年以上に渡るコロナ影響により、大都市の有力百貨店ほど、大きな売上マイナスとなっているからだ。

 本紙デパート新聞の10月1日号の一面を振り返ってみよう。大見出しに「8月東京は29.1%減」とある。徐々に回復してきているとは言え、東京の百貨店売上は、依然として30%近いマイナスだ。

 一方で10月15日号の見出しは「8月全国は22.0%減」と、同期間対比で東京とは7%の差がある。7月も同様に東京27.9%に対し全国20.3%と8%近い乖離があり、地方百貨店が都心に先駆けて回復しているのが見て取れる。

 いずれも日本百貨店協会による概況だが、コロナ影響以外にも、7月は豪雨と梅雨明けの遅れ、低気温が原因とされ、8月は逆に連日の猛暑によるマイナスが大きい、としている。この伝で言えば9月は台風の影響を取り上げるのだろうか。

 次に、都心の大手百貨店3社の8月の売上を見てみよう。三越伊勢丹は33.4%減。大丸松坂屋は29.4%減。髙島屋は18.6%減、となっている。もう少し細かく見ていく。

 新宿伊勢丹は26.9%減、日本橋三越は26.6%減、銀座三越は47.8%減。コロナ自体と、コロナ禍によるインバウンド需要ゼロの影響が、特に銀座店に如実に現れている。

 大丸松坂屋も心斎橋大丸が53.4%減、梅田大丸35.5%減、東京大丸48.5%減と、いずれも超都心の基幹店が大幅マイナス。

 髙島屋も大阪が29.6%減、新宿、大宮が29.0%減と同様に苦戦だが、泉北、堺、玉川、立川などの郊外店舗が一桁マイナスで踏みとどまり、髙島屋全体では他の2社よりは10ポイント以上マイナス幅が低くなっている。閉店した港南台店が、閉店セール余波で2.2%増となっていることも一因と思われる。

 いずれにしても、日本有数の繁華街を擁する、超都心デパートほど、前年同月比が悪化していることは明解だ。

 再び本紙10月15日号の一面を見てみよう。もう一方の指標として、今度は日本ショッピングセンター協会のSC販売統計調査がある。こちらの8月売上比較では、大都市(札幌から福岡まで)で24.4%減、その他の地域14.5%減、とやはり10ポイントの乖離がある。

続きは デパートのルネッサンスはどこにある? 2020年10月15日号 を御覧ください。

秋のにっぽんうまいもの祭り 京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店

京王百貨店聖蹟桜ヶ丘店では、10月16日( 金)から7階催場にて日本各地のうまいものが一堂に会する「秋のにっぽんうまいもの祭り」の2週目が開催される。「九州うまかもん特集」では、名物グルメやスイーツなどアンテナショップ4店を含む計29店舗が集まる。