地方デパート 逆襲(カウンターアタック)プロジェクト その37 再び暮らしのサポーターの役割
商品過剰時代の存在感
暮らしのサポーターは顧客に寄り添って、接客に集中することを求められますが、今までも何度もお伝えしてきたように、その具体的在り様は商品よりもまず自分を買ってもらうというところに集約されます。顧客が、暮らしのサポーターを信頼し、暮らしのサポーターのサービスを安心して受け入れる関係になることで、商品の販売においても魔法のようなことが起ります。
物余りの時代で、多くの人がもう必要ないものは極力買わないという方針を立てています。デパートにとっても受難な時です。接客技術がいかに優れた販売員でも、顧客に商品をお勧めして簡単に「はい。それを頂戴」と買っていただくことはできません。といって、買う意欲を見せない顧客に強引に商品を押し付け販売しても、顧客に後味の悪い思いを与え、デパートに対するイメージはマイナスになるばかりです。
ところが、顧客の信頼を得ている暮らしのサポーターが商品を販売した場合には、まったく違う現象が起きます。顧客は自分が買っている暮らしのサポーターから勧められた商品は、顧客の意識の中でもとても欲しかった商品・買って良かった商品に転化していくのです。
顧客に幸せ感を伝える
もちろん、暮らしのサポーターは決して押し付けでなく、その顧客のために自分が心を込めて選んだ商品をご案内するわけですが、その真摯な思いは顧客に伝わり、顧客はまさに喜びをもって勧められた商品を購入することになります。当然ながら、顧客にとって満足のいくお買い物が成立し、その後も幸せ感で心から充たされることになります。顧客は更なる幸せを求めて、暮らしのサポーターとのコミュニケーションを続けていくのです。これこそ、暮らしのサポーターの存在意義であり、デパートが他の小売店とは一味違う接客の王者として輝いていくために求められる姿なのです。