1月インバウンド売上高19%減

春節休暇の時期ずれと中国の訪日自粛要請が影響

 日本百貨店協会は2月25日、26年1月の全国百貨店における免税売上高(インバウンド売上高)が、前年同月比19.1%減の501億3千万円となり、3か月連続の減少となったと発表した。

 春節(旧正月)休暇が、昨年が1月下旬(1月28日〜2月4日)だったのに対し、今年は2月中旬(2月15日〜23日)へと後ろ倒しになったことに加え、中国政府による訪日自粛要請の影響で訪日客数が大幅に減少したことが要因とみられる。

(図表1、2、3参照)

全国百貨店売上高、2か月ぶりに前年超え国内顧客の高額品需要がインバウンド減を補う

 1月の全国百貨店売上高は前年同月比2・3%増の4915億円余となり、2か月ぶりに前年実績を上回った。株高による資産効果を追い風に、ラグジュアリーブランドや宝飾品などの高額品が好調で、国内顧客の売上が堅調に推移し、インバウンド減少分を補った。インバウンド売上高の構成比は10.2%だった。

インバウンド購買客数、中国が首位アジア勢が上位占める構図は継続

 1月のインバウンド購買客数は約46万人で前年同月比21.0%減少となり、3か月連続の減少。国別では中国が最多で、台湾、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアが続いた。アジア諸国が上位を占め、百貨店のインバウンド消費を支えている。

一人当たり購買単価、12か月ぶりに前年超え約10万7千円で昨年7月以降の最高水準

 一人当たり購買単価は前年同月比2.4%増の約10万7千円となり、25年2月以来で12か月ぶりに前年を上回り、24年7月以降では最も高かった。これまでの最高値は24年5月の12万6千円。

人気商品は化粧品・ハイエンドブランドが中心

 売上構成の上位は前月と同様で、化粧品、ハイエンドブランド品、食料品、婦人服飾雑貨、美術・宝飾が中心となった。1月訪日客数4.9%減

前年割れは4年ぶり 中国客の大幅減が響く アジア全体は9.1%減

 日本政府観光局(JNTO)は2月18 日、1月の訪日外国人旅行者数(推計値)が前年同月比4.9%減の359万7500人となったと発表した。

 前年割れはコロナ禍の22年1月以来4年ぶりで、前年から約18万人減少した。

 春節休暇の時期ずれに加え、中国政府の渡航自粛要請など日中関係の冷え込みにより、中国からの訪日客は38万5300人となり、前年比60.7%減、約60万人の大幅減となった。香港も17.9%減少した。

 インバウンドの約8割を占めるアジア諸国が前年比約9.1%減となった一方、欧米豪、中東諸国からは約21%増加したが、減少分を補いきれなかった。
(図表4参照)

韓国が単月で初の110万人超え台湾・豪州も過去最多を更新

 国・地域別では、19年7月に中国が記録した単月105万人の訪日外国人客数記録を、韓国が7年ぶりに更新し、117万6000人となった。単月で110万人を超えたのは全市場で初めてである。

 続いて台湾(69万人)、中国(39万人)、米国(21万人)、香港(20万人)の順となり、上位5か国・地域で全体の74%を占めた。

 韓国以外で単月として過去最多を記録したのは、台湾と豪州だった。また、1月として過去最高となったのは、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシア、北欧地域、中東地域の計17市場にのぼり、インバウンド需要の裾野が確実に広がっている。
(図表5参照)

上位5か国の動向

 1月の訪日外国人旅行者数で全体の74%を占める上位5か国の動向は以下の通り。• 韓国(117・6万人/+21.6%)訪日人気の継続、航空便増加、スクールホリデーの影響で単月過去最高。

  • 中国(38・5万人/▲60.7%)春節の時期ずれ、渡航注意喚起、航空便減少で大幅減。
  • 台湾(69・4万人/+17.0%)訪日旅行人気と航空座席数増加で単月過去最高。
  • 香港(20・0万人/▲17.9%)旧正月の時期ずれと航空座席数減少が影響。
  • 米国(20・8万人/+13.8%)ウィンタースポーツ需要や祝日効果で1月として過去最高。

宿泊統計、外国人比率が過去最高の27% 地方部の宿泊比率が上昇し、訪日客が分散傾向に

 観光庁が2月27日に発表した宿泊旅行統計(速報値)によると、25年の延べ宿泊者数は、日本人が3.8%減少し4億7561万人泊だった一方、外国人は、前年比8.2%増加し過去最多の1億7787万人泊となった。外国人の占める構成比率も27.2%と過去最高となった。
(図表6、7参照)

国籍別の延べ宿泊者数は、中国(3040万人泊)、台湾(1969万人泊)、韓国(1748万人泊)、米国(1729万人泊)、香港(651万人泊)が上位を占め5か国で全体の6割を占めた。

 前年比で最も大幅に増加したのは、ロシア(105%)、インド(43%)だった。

 三大都市圏と地方部(三大都市圏以外の道県)における外国人延べ宿泊者数の比較では、地方部が33%と過去3年で最も高く、リピーターが地方へ分散する動きが見られる。
(図表8参照)

 都道府県別の日本人延べ宿泊者数の伸び率は、青森県が最も高く、次いで三重県、奈良県、宮崎県、大阪府が続いた。

 客室稼働率は、全体で前年比2.2%増の61.8%。

 旅館38.4%、リゾートホテル56.9%、ビジネスホテル75.3%、シティホテル74.2%。

 ビジネスホテルでは東京・神奈川・大阪の3都府県が80%超となり、全体では大阪・関西万博が開催された大阪府が78.8%で最も高かった。