西武渋谷店は9月に閉店 58年の歴史に幕

そごう・西武は旗艦店である池袋西武の面積半減に続き、都内での拠点を失った

 百貨店大手のそごう・西武は3月25日、東京都渋谷区にある百貨店西武渋谷店を9月末に閉店すると発表した。渋谷西武は新進気鋭のファッションデザイナーのブティックを擁し「DCブランド」ブームを牽引した。現在はA館もB館も海外発のハイブランドショップばかりだ。

 1970~80年代に丸井や、同じセゾングループ(当時)のパルコとともに、渋谷の街を流行の最先端に押し上げ「一時代を築いた」と言ってもけして過言ではないだろう。
※文頭の「百貨店大手」については?マークがつくが・・・

 その後(90年代から)109(イチマルキュー)が「ギャルの聖地」となり、ギャル向けファッションにより、客の流れを公園通りから東急本店通りやセンター街に呼び戻した。

 この辺りの西武vs東急の「渋谷戦争」については、紙面の関係もありここでは取り上げない。

 業界紙としては「近年は消費者の生活スタイルの変化に付いていけず収益力が低下し、58年の歴史に幕を下ろす事となった。」と、ステレオタイプのコメントを残すのみだ。

 尚、そごう・西武の閉店は2021年のそごう川口店以来となる。

 そごう・西武は2023年に米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループの傘下に入り構造改革の最中であり、面積を半減した池袋本店などに経営資源を集中する、としている。  

 この辺りは拙著「セブン&アイはなぜ池袋西武を売ってしまったのだろう」をご参照いただきたい。

 渋谷店は今や観光名所となった駅前のスクランブル交差点近くの一等地にあるため、再開発を目指す地権者(土地、建物の所有者)との賃貸借契約を終了することとなった模様だ。

 西武渋谷店はA館とB館をともに閉め「西武渋谷店」の看板を下ろす。「ロフト館」と、無印良品の入居する「モヴィーダ館」は営業を続ける見通しだという。

 一方皮肉なことに、同じくDCブームを牽引し、セゾングループ時代は系列会社であった渋谷パルコは、2025年を絶好調で終え、年商500億の大台を突破した。

 渋谷パルコは東急百貨店が去り西武百貨店もなくなる渋谷マーケットで、唯一捲土重来を果たしているのだ。ラグジュアリーブランドの充実に加え、アニメ、ゲームといったIP(知的財産)コンテンツを軸としたカルチャー発信により、インバウンド需要を取り込んだことが大きく寄与した結果だ。

 因みに現在パルコは、大丸松坂屋を擁するJフロントリテイリンググループの一角を占める。「捨てる神あれば拾う神あり」というのは簡単だが、「セゾンのカルチャー」を持ったそごう・西武を再生できず、結局売り払って、捨ててしまったセブン&アイを、筆者は「恨めしい」と感じてしまうのだ。

 渋谷西武の閉店については速報としてお伝えした。詳細については次号で詳しく解説するつもりだ。