情報とデパートその8 使用価値と交換価値

今回は、ある商品についてその本質的価値としての使用価値とその商品に金額を付けることで、経済的な価値を優先させる交換価値について考えてみたいと思います。
情報が一つの既成概念を作ることで、多くの人は商品の使用価値についてあまり意識しなくなることがあります。コンビニエンスストアでおにぎりを買おうとした時、少し変ったおにぎり、例えばキムチ入りチャーハンおにぎりがあったとします。そのおにぎりが120円~130円位の沢山のおにぎりの集まった棚に並んでいた場合、あなたはそのまま金額を確認せずに、それを購入しませんか。
つまり、おにぎりの交換価値は120~130円という情報に基づいて行動をするわけです。その際、キムチ入りの変ったおにぎりだから高いかもしれないだろうという使用価値に関しての疑問はあまり頭に浮かばないのではないでしょうか。そしてレジで精算した時に260円であったと分かった時、「何だ。普通のおにぎりの倍ではないか」と思っても、その場で「それ止めます」とはなかなか言う勇気はありません。やむを得ず買ってしまう破目になってしまうわけです。
さて、ここでももう一つ情報の概念化が働くわけです。つまり、260円―130円=130円多く払ったことについて、キムチが入っているくらいでおにぎりの値段が倍になるのかといった不満が残ります。絶対的金額として130円は気にするほどの金額でないことでも、交換価値としてのおにぎりにかける金額としては無駄遣いをしてしまったと思ってしまうわけです。これは、「おにぎりの金額はこのくらい」という情報が頭に強く残っているからに他なりません。
つまり、人は能動的、受動的を問わず与えられた情報を自分の物事の判断基準にいつの間にか落とし込んでいるわけです。その情報が、日常生活では一つの合理的行動として役立つわけですが、一つ間違うと不利益を蒙ることも生じます。ところで、この話は実話です。キムチ入りチャーハンおにぎりを作った事業者には、ここで述べたようなマーケティング計算が働いていたのかもしれません。

デパート新聞社 社主
