2026年03月 百貨店のニュース

西武渋谷の9月末閉店、渋谷に百貨店が一つも残らない可能性も…かつての「若者文化の発信地」は近年赤字

2026年3月25日

 そごう・西武は、渋谷駅近くの西武渋谷店を9月末に閉店すると発表した。地権者との賃貸借契約更新で合意に至らず、周辺の再開発と商業施設との競争で収益が悪化したためで、婦人服などを扱うA館や紳士服のB館が営業を終え、半世紀超の歴史に幕を下ろす。しかし隣接する自社所有のロフト館や無印良品が入るモヴィーダ館は引き続き営業するという。そごう・西武は顧客や地域に謝意を示しつつ、渋谷店の従業員約230人は配置転換で雇用を維持すると発表。

 西武渋谷店は1968年開業の老舗で、海外ブランド導入や若手デザイナー支援を通じて渋谷のファッション文化を牽引し、1990年度には売上高が967億円のピークを記録したが、2010年代以降の再開発や消費者の百貨店離れ、ネット通販との競争で業績は悪化し、2025年度の売上高はピークの約4分の1の234億円に落ち込み、2016年度から営業赤字が続いていた。それに伴い、そごう・西武は都内の直営百貨店を西武池袋本店の1店舗に絞り、経営資源を集中させる方針で、池袋店は改装中のうえ家電量販店の出店により売り場面積が半減する予定。

  渋谷では近年の再開発で東急百貨店も東横店(2020年)や本店(2023年)を相次いで閉じ、親会社側は再出店を明言しておらず、今後渋谷に百貨店が一切残らない可能性も示されている。消費行動の変化について、ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は、訪日客需要や外商で存在感を保つ百貨店もある一方で若年層を中心にブランドや体験重視の消費が広がり、総合型百貨店は選ばれにくくなっており、商業施設やエンタメが集積する渋谷ではその傾向が特に顕著だと指摘している。

日本百貨店協会/2月の売上高は1.6%増、国内顧客売上が好調で2カ月連続でプラス

2026年3月25日

 日本百貨店協会が発表した2月の全国百貨店売上高概況によると、調査対象69社・174店の売上総額は約4320億円で前年同月比1.6%増となり2カ月連続で前年を上回った。国内顧客が好調で、時計・宝飾など高額品や春物商材の動きが活発化し、外商顧客向け催事やバレンタイン商戦も売上を押し上げた。一方インバウンド(免税売上)は中国からの訪日自粛の影響で453億円(15.5%減)に落ち込み、購買客数も20.8%減となったが、台湾やタイ、マレーシアなどの訪日客は売上・客数ともに伸長し、韓国は旧正月の影響もあって16カ月ぶりにプラスに転じた。国内市場は日本人顧客の寄与で4.0%増と7カ月連続プラスとなり、都市部(10都市)は札幌・大阪を除く8地区で前年を上回り、名古屋は閉店セールの好影響で2桁増だったが、地方(10都市以外7地区)は0.8%減と2カ月ぶりにマイナスに転じた。商品別では主要5品目のうち家庭用品を除く4品目が前年超えとなり、衣料は春物や卒入学・ビジネス需要で紳士・婦人・子供服ともに伸長、身のまわり品や雑貨は高付加価値商材や時計・宝飾が好調だったが化粧品は価格改定前の反動や免税不振で苦戦した。  

 東京地区(12社22店)は売上約1326億円で前年同月比3.0%増となり2カ月連続で前年を上回り、総店舗面積は67万4263m2で0.8%増、総従業員数は1万2186人と2.7%減だった。外商向け催事が活況で宝飾・時計など高額品が伸長し国内顧客売上は5.5%増と好調だった一方、免税売上は中国の渡航自粛で落ち込んだものの、台湾や韓国、タイなど他地域の需要回復により前月比でマイナス幅を縮小した。3月18日時点の東京地区は前年比約8.6%増で推移している。

名鉄百貨店が閉店 71年の歴史に幕

2026年3月2日

 名鉄百貨店本店が2月28日に閉店し、石川仁志社長が従業員とともに感謝の挨拶をしてシャッターが下り、71年の歴史に幕を閉じた。同店は1954年開業で名鉄名古屋駅に直結し長年名駅の顔だったが、親会社の名古屋鉄道が打ち出した再開発計画に伴い閉店予定となった。昨年12月に再開発計画は白紙になったものの閉店は予定通り実施され、これにより名古屋市内の百貨店は4店に減り名駅地区はJR名古屋高島屋のみとなった。