地方デパート 逆襲(カウンターアタック)プロジェクト そのその57 CA プロジェクトの本質

CAプロジェクトの具体的戦略

 地方デパート逆襲(カウンターアタック、CA)プロジェクトの具体的な主要戦略として次のようなものがあります。

  1. 暮らしのサポーターの設置
  2. 全国のデパートで「つながるデパートカーニバル」を常設開催する
  3. 相続・不動産を始め、生活・文化の無料相談所の開設
  4. 地域を廻るつながるデパートバス(移動バス)の導入

 これらについては本連載や本紙の記事で、松菱百貨店での具体的な実施状況を詳しくご説明して参りましたが、総じて顧客の皆様からは新しい発信方法として高い評価をいただきました。この流れを全国の地方デパートに波及させるために、具体的に各デパートにオファーをかけております。

全国の地方デパートとの抜本的な連携-地方デパート連合の形成

 地方デパートの衰退が進み、数多くの店が閉店を余儀なくされています。既に、全国で独立系のデパートは50店を切り、デパートが一つも存在しない県も次々に発生しています。多くのデパートが閉店していった中で、現在も事業を続けているデパートは、それぞれ独自の魅力的な発想を持っていると思われます。その共通項を見つけ出し、さらに磨いて、今後すべての地方デパートの経営に活かしていくことはとても有効な方法です。

 なぜなら、地方の文化はすべて地域ごとに異なった特性をもちますが、中央集権制度により、長く政治的・社会的に後方に置かれたその立場は非常に類似しているからです。そうした環境で存続するための独自の哲学をもっているはずなのです。

 大都市のデパートと一線を画し、地方デパートとしてこの独自のスタイルを地方デパート同士がお互いに協力し合い、徹底的に具体的フォルムを示していくことは急務であり、タイムリミットはすぐそこまで来ています。

 地方デパートが連携し、独自の良さを共有し、新たなデパート像を築くことが出来れば、様々な情報伝達媒体のある今の時代だからこそ、多くの人々にその良さを理解してもらい、支持を得ることも十分可能であると考えます。地方デパートが新たな経営文化を作っていくために、百貨店同士がしっかりタッグを組んでいくための戦略を作るのです。

″手始めに、具体的な旗を掲げる。〟これが、地方百貨店連合の形成です。別に資本的な繋がりを作るということではありません。連合するデパート同士がそれぞれの独自の営業方針、イベント実績、更に社員への福利厚生制度など、経営的な様々な情報を共有し、お互いの経営に活かしていくようにするのです。あるデパートで成功した催事があれば、連合内のデパートの中で繋げていくことは最も簡単に出来る施策です。私たちは、CAプロジェクトで実践してきたことを今後全国の地方デパートにも提案し、企画・実行までお手伝いして参ります。「暮らしのカウンターアタックプロジェクト」と命名し、既に具体的な連携活動を始めています。

CAプロジェクトの理念の具現化へ

 さて、最後にCAプロジェクトの象徴というべき一つの理念を伝えます。公益事業を実現する使命をもつデパートにとっては、その従業員がまず幸せであってこそ顧客及び地域の方々に対して思いやりをもったコミュニケーションが出来ることは当然の理です。第一に従業員を大切にしていく姿勢を、地方デパート連合のデパートの中で共有し、社会に発信していくことが極めて大切です。それにより、デパートの理念と思いを一つにした従業員を通じて、それぞれの地域の方々とデパートが相扶ける関係を結ぶ絆が実現します。それこそが、デパート存続の最大の力になることに他ならないからです。