2024年12月 百貨店のニュース

高島屋、大阪・堺店を26年1月閉店 地方店の苦境映す

2024年12月3日(火)

 高島屋は、大阪の堺店を2026年1月7日に閉店することを発表しました。これは少子高齢化に伴い、地方の百貨店の成長が見込めないため、収益向上のために訪日外国人客が多い主要都市に経営資源をシフトする一環です。

 堺店は1964年に開業し、利便性の高い駅前に位置して約60年営業を続けてきましたが、小売競争の激化により、2021年から2024年にかけて4期連続で営業赤字を記録しました。そのため、今後の黒字化が見込めないことから、賃貸借契約の満了に伴い閉店することになりました。

 従業員約160人については、配置転換を行うことで雇用の維持を図ります。現在、高島屋は東京を含む全国に13店舗を展開しており、大阪には堺店の他に、旗艦店の大阪店と泉北店があります。                             日本経済新聞

名鉄百貨店、名古屋駅前の本店26年春閉店へ 再開発加速

2024年12月14日(土)

 名古屋鉄道が2026年春に名古屋駅前の名鉄百貨店本店(名古屋市)を閉店する方針であることがわかった。同じビルに併設する名鉄グランドホテルも同時に営業を終える。名鉄は26年度中にビルの解体を始め、27年度に再開発に着手する計画だ。10年代から描いてきた名古屋駅周辺の再開発構想が本格化する。                日本経済新聞      

東京地区百貨店/11月売上2.7%増、3カ月ぶりにプラス

2024年12月24日(火)

 日本百貨店協会が発表した11月の東京地区百貨店の売上高は、約1560億円となり、前年同月比で2.7%の増加を記録しました。これは3カ月ぶりのプラスに転じた結果です。

 入店客数は7.6%減少したものの、月後半の気温が低下した影響で重衣料の売上が好調だったことや、訪日客数が過去最高を記録し免税売上も高伸したことが寄与しました。

  商品別では、衣料品が9.3%増、特にコートやジャケットなどの防寒商品が好調でした。子供服はインバウンド需要の影響で4.3%増となり、身の回り品や雑貨もそれぞれ4.5%、4.8%の増加を示しました。雑貨の中では高付加価値の商品が好評で、美術・宝飾分野が7.7%の増加を記録しました。一方、食料品は2.1%減であり、価格高騰の影響が見られました。

 12月18日現在の状況では、ギフト商戦が活発で、重衣料や化粧品の売上は堅調ですが、前年比では0.8%減で推移していることが報告されています。       流通ニュース

デパート初売り「3日」主流…三越伊勢丹は2日、競合他社「独り勝ちになる不安ある」

12月24日(火)

 大手百貨店が2025年の初売りを1月3日に遅らせる動きが広がっている。これは、従業員の休みやすさを考慮し、働き方改革を進めるためであり、背景には深刻な人手不足がある。

 高島屋や大丸松坂屋などが3日からの営業を決定した。そごう・西武はこれまで元日から営業してきたが、25年は旗艦店の西武池袋本店など4店舗で2日に初売りを行う。24年から初売りを3日にした松屋銀座は「年始の休業を増やしても売り上げに大きな影響はなかった」(広報)と明かす。訪日客の増加で好調な業績も、休業日を増やす判断を後押ししたとみられ、休業日を増やすことで従業員の労働環境改善を目指している。

 一方、三越伊勢丹は2日から営業するが、競合他社の幹部は「初売り商戦で、三越伊勢丹の独り勝ちになる不安はある。売り上げか働き方か、どちらを優先するか悩ましい」と話す。                        読売新聞オンライン