2024年11月 百貨店のニュース
大手百貨店/10月売上高三越伊勢丹4.5%増、H2O5.1%増
2024年11月01日(金)
大手百貨店4社が発表した10月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比4.5%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)2.4%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)5.1%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)0.6%増だった。
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
主要店舗では伊勢丹新宿本店が前年同月比7.0%増、三越銀座店が10.1%増など、高付加価値商品が売り上げを牽引した。一方で、函館丸井今井や新潟三越伊勢丹などは減少傾向にあり、国内グループ百貨店全体では2.2%減となった。防寒アイテムの購買は高温によって伸び悩んでいたが、10月下旬からは秋冬商品への関心が高まり、免税売上も前年を超えている。
■J.フロントリテイリング(2024年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は前年同月比2.3%増、博多大丸と高知大丸を含む百貨店事業の合計売上高も2.4%増となった。10月の売上は休日が1日少なかったことや、高温が続き秋物衣料にマイナス影響があったものの、ラグジュアリー商品や化粧品、時計の売り上げは好調で、15店舗中8店舗が前年を上回った。また、免税売上高は27.8%の増加を見せた。
■エイチ・ツー・オーリテイリング(2024年3月期売上高:6574億円)
全店の売上高は前年同月比5.1%増となった。特に阪急本店や阪神梅田本店が好調で、免税売上は国慶節の影響で前年の約4割増となり、17カ月連続で過去最高を記録。阪急本店では秋物ファッションが低迷したものの、アクセサリーやバッグ、化粧品の売上が好調。北海道物産大会の開催も集客に寄与し、過去最高の期間売上高を更新した。
■高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
全店舗の売上は3.0%増、国内百貨店は0.6%増を記録。店頭売上は0.6%増、免税売上は35.1%増だが、免税を除く店頭売上は3.5%減少した。気温が高かった影響で婦人服や紳士服の売れ行きが弱かった。大阪店や京都店などが前年実績を上回り、婦人雑貨や特選衣料雑貨、食堂、サービスの売上も前年を超えた。 流通ニュース
松本「井上百貨店」 来年3月の閉店前に閉店セール始まる
2024年11月6日(水)
松本市唯一の百貨店「井上百貨店」が来年3月末で営業を終了することが発表され、6日から閉店セールが始まり、多くの人々が訪れています。
この百貨店は1885年に呉服店として創業し、1979年にJR松本駅前に移転して以来、地域のランドマークとして親しまれてきましたが、施設の老朽化が理由での閉店となります。
セール初日には、1階の靴売り場で最大半額になった商品を求める多くの買い物客が見られ、特に長年通っていたという70代の女性は、良質な商品を安価で購入できることに喜びを感じつつ、閉店には深い悲しみを表していました。
また、上嶋保本店長は、45年間の感謝を込めて残りの営業期間を大切に過ごしたいと述べています。さらに、松本市では大型商業施設「松本パルコ」も来年2月に閉店予定で、中心部の活気を保つことが課題となっています。
都内百貨店、25年元日は全休 西武池袋も改装で13年ぶり
2024年11月6日(水)
2025年元日に、東京都内の主要百貨店が全て休業することが決定され、特にそごう・西武が4店舗を休業すると発表しました。西武池袋本店や西武渋谷店などが含まれ、元日休業は13年ぶりのことです。これらの店舗は1月2日から営業を再開し、年末年始の営業時間を延長して集客を図ります。 特に西武渋谷店はインバウンド客の多さを考慮し、元日の集客状況や従業員の労働環境を踏まえて休業を決定しました。
また、そごう広島店や西武秋田店も周辺商業施設の休業と地域特性を考慮して営業の必要が低いと判断しました。しかし、そごう横浜店やそごう千葉店を含む他の6店舗は元日に営業し、福袋を販売する予定です。なお、西武池袋店は改装工事の影響で福袋の販売を休止します。
閉店した百貨店の跡地に大規模コープ 12日オープン 床面積6546平方メートル、多数テナントも 駐車場計245台 年商16・8億円見込む
2024年11月8日(金)
2022年8月に閉店した「丸広百貨店 坂戸店」(埼玉県坂戸市薬師町)の跡地に、「コープ坂戸薬師町店」が12日オープンする。
敷地面積4786平方メートル、延べ床面積6545平方メートルで、コープ直営の売場面積が約1523平方メートルという大規模店舗となる。年商は16・8億円を見込んでいる。
テナントには、ウエルシア薬局、ケンタッキーフライドチキン、フィットネスジム、歯科クリニックのほか、西松屋(12月下旬オープン予定)、英会話教室、買取専門店「おたからや」などが順次開店予定。
コープ坂戸薬師町店は、近隣の小型店舗「ミニコープ」の3店舗を移転し、拡張した新店舗。コープみらいとして、埼玉県内38店舗となる。
12日のオープニングセレモニーには坂戸市長も出席を予定。市内中心部の新たな商業施設に、地域活性化の期待が高まっている。
百貨店売上高32カ月ぶり減 10月、秋冬物の衣料品苦戦
2024年11月25日(月)
日本百貨店協会が25日発表した10月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比0.7%減の4477億円だった。マイナスは32カ月ぶり。記録的な暑さでコートやマフラーなど秋冬物の衣料品が苦戦した。
免税売上高は32.3%増の508億円でプラス基調を維持した。化粧品や高級ブランド品が押し上げた。2024年1~10月期の合計は5347億円。年間のデータがそろう15年以降、初めて5千億円を突破した。
10月の売上高を商品別に見ると、衣料品が32カ月ぶりに減少。値上げの影響で食料品は4カ月連続でマイナスとなった。
松屋銀座が「マツヤギンザドットコム」を開設、国内百貨店初の免税購入機能を導入
2024年11月27日(水)
松屋銀座が、新たなオムニチャネルプラットフォーム「マツヤギンザドット(matsuyaginza 国内の百貨店で初めて免税購入機能を備えることで、既存顧客の利便性の向上と店頭混雑暖和による接客機会の増加を目指す。
松屋銀座は、2024年上期で過去最高の632億円を売り上げを記録。なかでもインバウンの存在感は年々高まっており、同期の免税売り上げは昨年同期比で25%増と大きく拡大したものの、訪日外国人客数の増加で店頭での行列や混雑が常態化しており、日本人客への接客機会が失われているという課題があったという。
松屋は以前から、ECサイト「松屋オンラインストア」を展開していたが、デジタル強化のため2024年1月に会員制オンラインブティック「ミレポルテ(MILLEPORTE)」を展開するB4F社からEC事業を譲受。今回新たにEC事業運営会社としてマツヤギンザドットコムを設立して、本体の松屋と一体で運営を行う。
訪日外国人は、注文した商品をピックアップカウンターで決済して受け取る際に、メールとパスポートを提示することで免税手続きが行え、別途免税カウンターに赴く必要がなくなる。さらに、従来は現金のみだった免税還付をキャッシュレスで行うことで利便性を高めている。
マツヤギンザドットコムは、2025年度は50億円、2029年度は200億円の売り上げを目標としている。マツヤギンザドットコムの開始を記念して、11月27日から12月3日まで店舗とオンラインでイベントを実施している。
百貨店「津松菱」ブランド品や絵画など高額商品の移動デパートを展開 富裕層のニーズ掘り起こしへ 三重・津市
2024年11月28日(木)
三重県津市の百貨店「津松菱」が、移動販売車両「マッピー号」の運行を11月から開始しました。この移動販売は、百貨店が存在しない三重県南部や岐阜県をターゲットにしており、高額商品を提供することで、外出を控える年齢の高い富裕層のニーズを掘り起こす狙いがあります。
移動販売車両は中型バスで、商品陳列や商談スペースが設置されています。岐阜県でも百貨店が閉店したため、新たな顧客開拓を目指しています。また、販売だけでなくファン作りのイベントにも対応し、全体売り上げの1割増を目指しています。 中京テレビNEWS