デパート新聞 第2735号 – 令和6年6月15日

4月全国は8.9%増

 日本百貨店協会は、令和6年4月の全国百貨店(調査対象71社、177店〈2024年3月対比±0店〉)の売上高概況を発表した。売上高総額は4441億円余で、前年同月比8.9%増(店舗数調整後/26か月連続プラス)だった。

人事異動

㈱京王百貨店

百貨店データ

  • 神奈川各店令和6年4月商品別売上高
  • 都市規模別・地域別 売上高伸長率

記者が見た WBC・WBO・WBA・IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、井上尚弥
vs ルイス・ネリ

 2024年5月6日WBC・WBO・WBA・IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ、井上尚弥vsルイス・ネリ戦(東京ドーム開催)を観戦した。

 前回の有明アリーナでのマーロン・タパレス戦から5ヶ月ぶり、連続での観戦。

 東京ドームでのボクシング開催は、1990年2月のマイク・タイソンvsジェームス・ダグラス以来の、34年ぶりの開催。

 今回は妻とではなく、高校の同級生からの誘いに応じる形で観戦に行った。
友人いわく「チケットが高額で、気軽に人を誘いにくい。その点お前は前回見に行っていたから、今回も誘えば行く可能性があると思った。」と、私に声をかけた理由を説明してくれた。確かに、井上尚弥のチケットは高い。

 ネリは、村田選手との因縁(体重超過とドーピング疑惑)の相手であり、「日本人がネリを倒す所を見せてくれ!」と、話題のカードであった。

 試合は、1ラウンドに井上がプロ初のダウンを喫しつつも、6ラウンドにTKO勝利し、大いに盛り上がる内容であった。

 さて、今回の興行で、お金はどう動いたのだろうか。

チケットと来客数

 今回の会場は東京ドーム。最大55000人収容ということだが、最初から外野席は除外され、アリーナ席もゆったりと隙間を設け、43000席が準備された。

 前回同様、SRS席は22万円(税込み)で、一番安い内野2 階席が1万1000円(税込み)。事前販売でSRS席は完売し、チケット全体の98%が売れた。
5月4日の大会当日においては再販売を含めて、900枚が残っていたそうだ。

 実際、当日販売があり、ドームの外にひときわ長い列ができていた。

 最終的にチケットはほぼ完売で、約43000人が来場した。

 それにしても、スポーツで、SRS席が真っ先に売り切れるというのは、どういうことなのだろうか。大変な人気である。

 忘れてはいけないのが、ボクシングは、基本的に重い階級のほうが人気があり、軽量級の人気は大きく劣る。前回東京ドームで開催されたのは、ヘビー級のマイク・タイソン戦だ。

 軽量級のボクシング興行でこれだけの人数を動員できたのは、いかに井上が人気かということだ。

 試合後に井上本人も、「東京ドームのボクシングで日本人が主役という快挙」だと、述べており、ボクシングで東京ドームを満席にすることの難しさを、肌で感じていたのだろう。

グッズ販売

Tシャツが7000円、キャップが3000円なので、率直に言って高い。まさにファングッズの価格だが、今回も、開場1時間の時点で、かなりの種類が完売していた。

 有明アリーナと異なり、売り場がオフィシャルグッズと後援会グッズの2ブースに分かれており、オフィシャルの方が高いが、よく売れていた。
「高い」と書いたが、私も嬉々としてキャップを購入している。かくいう私自身、井上のファンなのだ。

放映を考えてみる

前回はドコモの Lemino独占配信だったが、今回はAmazon Primeが独占配信した。Amazon Prime の視点では大成功で、2023年にライブ配信を行った「2 0 2 3 WORLD BASEBAL L CLASSIC」の野球日本代表侍ジャパンvsアメリカ代表との決勝戦を超えるピーク視聴数を記録したとのことだ。

 人気スポーツのライブ配信は、テレビ配信からスマホ・PCでの(有料)配信へ移行がおこっているが、ここ数年顕著に感じる。

 Amazon が放映権の獲得に動いたのは、井上であれば海外でのPrime 登録者獲得も狙えるという試算があったからだろうか。

 動員数を考えてみる今回の大橋ジムの興行は大成功と言えるが、改めて、過去のボクシング興行と比較してみる。

東京ドーム1988年3月21日 マイク・タイソンvsトニー・タッブス戦51000人を動員
東京ドーム1990年2月11日マイク・タイソンvsジェームス・ダグラス戦51600人を動員後楽園球場1952年5月19日 ダド・マリノvs白井義男45000人を動員

なお、東京ドームで比較すると、2002年12月7日 K-1 WORLD G R A N D P R I X 2002決勝戦 74500人を動員が、格闘技の最高動員数となっているようだ。

 選手の報酬を考えてみる。
今回の井上の報酬は、10億円を超え、過去最高となっている。

 10億円といえばすごい金額に聞こえるが、2024年5月19日サウジアラビアで開催されたヘビー級のオレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリーの試合は、フューリー約158億円、ウシクは約66億円のファイトマネーである。まさに桁が違う。

 井上は軽量級の絶対王者で、試合内容も素晴らしく、世界で大人気だが、それでもやはりヘビー級の人気には及ばない。世界の視点で見ればなおさらだ。

 サウジアラビアでの開催という点も、金銭的には大きな違いだ。どうもサウジアラビアは近年大変なボクシング人気であり、もともとお金もあることから、ファイトマネーが他の場所の数倍になると言われている。

 事実、井上が今後、サウジアラビアで興行する話題もあり、その際にはファイトマネーが数倍になると予測されている。今後の興行はどうなる?井上の動向が注目されている。

 1つ目は、階級を上げてくるかどうか。2つ目はいつ・どこで・誰と試合を行うかだ。

 井上サイドに契約の主導権があるとはいえ、対戦相手が良くないと、試合には勝てても話題・人気がでず、興行的には面白くない結果になってしまう。
※今回のネリは「因縁の相手」というフレーズで人気がでた。

 試合後には、WBO・IBF同級1位のサム・グッドマンをリングに上げて「9月の試合相手」として紹介していたが、試合時期及び場所で交渉が難航しているという話がある。

 1位のサムは順当な対戦相手と言えるが、「盛り上がりで考えると、サムの人気は今ひとつであり、むしろ日本開催で、日本人対決のほうが盛り上がるのではないか」という意見もある。

 日本人対決を、サウジアラビアで開催し、「ボクシング軽量級ドリーム」を体現するものいいだろう。

 井上には、試合に勝つだけではなく、盛り上がる相手を探し続ける宿命を感じた。

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 夏らしい日々が増えるにつれて、今年はマスクをしている人が大幅に減ってきている感がある。一方で、新型コロナウイルスの感染者はじわじわと増加しているようであり、周りを見ても感染者は確かに散見している。
 罹患すれば2日間くらいは39℃近くの高熱を出しており、まだまだ安心できる病ではない。この1年間で亡くなった人が4万人近いとの報告もある。2、3年前のあの頃よりむしろ増えているのである。
 少なくとも、誰かにうつさないようにする努力は、今までどおり遵守しなければいけないことを肝に銘じたい。

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