デパート新聞 第2729号 – 令和6年3月15日

1月全国は7. 1%増

 日本百貨店協会は、令和6年1月の全国百貨店(調査対象72社、180店〈2023年12月対比±0店〉)の売上高概況を発表した。売上高総額は4593億円余で、前年同月比7.1%増(店舗数調整後/23か月連続プラス)だった。

百貨店データ

  • 神奈川各店令和6年1月商品別売上高
  • 都市規模別・地域別 売上高伸長率

人事異動

  • ㈱大和
  • ㈱小田急百貨店
  • ㈱髙島屋
  • ㈱松屋
  • ㈱三越伊勢丹ホールディングス
  • ㈱三越伊勢丹

記者が見たWBC・IBF・WBO 世界スーパー・バンタム級王座統一戦

 昨年12月26日、私は初めてボクシングの試合を観戦しました。試合のメインは、井上尚弥選手対マーロン・タパレス選手の四団体統一戦で、会場は、15000人を収容する有明アリーナでした。普段、スポーツ観戦やコンサートに足を運ばない私ですが、無類の強さを誇る井上尚弥選手を、どうしても肉眼で見たいと思い、一念発起、観戦に出向きました。

 当日の席は2階前方から3列目で、リング上の選手たちの動きを直接目で追うことができ、非常に満足できる席でした。井上選手はその試合で4団体統一王者となりましたが、セミファイナルで穴口選手が見せた激闘も目の当たりにしました。残念ながら、穴口選手は試合後にくも膜下出血が判明し、一ヶ月頑張りましたが、惜しくも亡くなってしまいました。本当に貴重な経験をしました。

 一緒に観戦した妻がインターバル中に「この一帯10席で100万円か…」と呟いたことが印象的でした。それで、ボクシングのお金の流れについて考えてみました。

 今回の井上尚弥戦のチケットは9種類あり、最高額のSRS(スペシャルリングサイド)席が一枚220000円、最低額の指定E席が11000円でした。私たち夫婦は、最初で最後のボクシング観戦かもしれないからと、SRS席を第一希望にし、指定A席までを申し込みましたが、結果的に指定S席(110000円)に当選しました。

 通常のボクシングの試合は、SRSで20000円程度であり、井上選手の試合のチケットはきわめて高価です。それでも会場は満席でした。これは井上選手の圧倒的な人気が、チケット価格を押し上げ、多くのファンを魅了してきた証拠です。今回の試合でも、十分価値の有る試合が展開され、来場したファンは満足したと思います。

 興行の成功は、ファンの入り、つまり人気によって大きく左右されます。盛り上がる試合と選手をいかにマッチングさせ、チケットを売り出すかがプロモーターの腕の見せ所です。井上尚弥戦は、大成功であったと言えるでしょう。なお、今回の井上・タパレス戦のファイトマネーは10億円とも言われています。

 次回の興行として、井上兄弟の世界戦が東京ドームで計画され、注目されています。最大55000人を収容するこの会場で、どのような盛り上がりを見せるのか、ファン一同、期待に胸を膨らませています。試合も楽しみですが、客の入りも気になります。東京ドームでのボクシング開催は、1990年のマイク・タイソン戦以来です。マイク・タイソン戦では、一番高いチケットが15万円だったそうです。その際はなんとか満席になったという話を聞きますが、井上尚弥戦ではどうでしょうか。チケットは即日完売となるでしょうか。ファイトマネーはいくらになるのでしょうか。

 音楽に目を向けてみると、先日、テイラー・スウィフトが東京ドームでコンサートを4日間開催しましたが、一番高いチケットは122800円で、ほぼ満席だったようです。

 ファンの数で考えると、テイラー・スウィフトが大きく勝ると思われますが、ボクシングは一度限りの試合なので、チケット価格が高くなりやすい側面があるのではないでしょうか。

 井上尚弥のファンとしては、次回も試合に勝つとともに、東京ドームが満席になり、チケットの金額とともに、興行成績としても歴史に残るような偉業を達成してほしいと願っています。

補足 2023-12-26 WBA・WBC・IBF・WBO 世界人事異動スーパー・バンタム級王座統一戦 チケット種別

SRS 席 220,000 円/枚
RS 席プレミアムチェア付 187,000 円/枚
RS 席 165,000 円/枚
指定S 席 110,000 円/枚
指定A 席 77,000 円/枚
指定B 席 55,000 円/枚
指定C 席 33,000 円/枚
指定D 席 22,000 円/枚
指定E 席 11,000 円/枚

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 日常生活で、不都合を感じることがいくつかある。ペットボトルの蓋を開けようと何度も試みてもうまくいかず、利き手を使い気持ちを集中させてやっと開栓できるということが少なくない。薬を購入し、容器に書いてある効能書きを読もうとしても字が小さく、色も薄くなかなか読むことができない。リモコンを使うにも、どのボタンを押せばより合理的・機能的にテレビやビデオを活用できるかもわからずに使っている。
 こうしたことは、製造会社の人々が消費者の立場に立ち、その商品を消費者が少しでも利用しやすいようにと真剣に考えてくれれば、容易に解決出来ることも多いのではないだろうか。そして、その結果需要が広がり、売り主も利益が増えるのだから、お互いによいはずなのである。情報化社会の不条理である。

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