5 月インバウンド売上高、購買客数、購買単価ともにマイナス

円高、前年急伸の反動減、訪問場所や買い物方法多様化
日本百貨店協会が6月24日に発表した5月の百貨店インバウンド売上高( 免税売上高) は約425億6千万円と前年同月比40.8%減小し、3か月連続のマイナスとなった。
日本を訪れる観光客は2割以上の伸びが続いているものの、為替円レートが24年の150円台半ばの水準から140円台前半に円高に推移して日本で消費するメリットが小さくなり高級ブランド品など高額品への慎重姿勢が強まったことや、訪問場所や買い物のしかたが多様化したこと、特に24年は高級ブランド品の値上げ前の駆け込み需要などから高額品を中心に売り上げが23年の3.3倍に急伸した反動が起きたことが原因である。

ただ、今年の1月〜5月のインバウンド売上高合計は2465億円であり、5か月でおととし23年の売上高3482億円の7割を超えており依然として23年比では高い水準が続いている。
(図表2参照)
全国百貨店売上高、4か月連続減少

一方、国内市場の売上は、食品物産展や外商顧客向け催事等が好調で食料品の増収(1%)により0.8%減少したことから、インバウンド売上高を含む5月の全国百貨店売上高は、インバウンド売上高の大幅な減少により、7.0%減と4カ月連続のマイナスで4356億円余りだった。

なお、インバウンド売上高が全国百貨店売上高に占める構成比率は、インバウンドの落ち込みが非常に大きく、前月の10.4%から9.8%に低下した。
(図表1、2、3、4参照)
購買客数、38か月ぶりに前年同月比マイナス
5月のインバウンド購買客数は、労働節休暇(5/1〜5/5)で中国からの購買客が増えたものの38か月ぶりに前年同月比マイナスに転じ、前年同月比5.4 % 減少の53万6千人だった。
国別では、前月に続いて中国が最も多く、次いで台湾、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアの順であった。
一人当たり購買単価、高額品買い控えにより5年ぶり低水準
高額品の買い控えから5月の一人当たり購買単価は、2月以来4ヶ月連続で低下し約7万9千円と前年同期比37.4%減少し、20年1月以来の最低水準に落ち込んだ。
売上人気商品、化粧品・ハイエンドブランド・婦人服飾雑貨・食料品
売上の人気商品は、前月と変わらず化粧品、ハイエンドブランド(バッグ、時計、宝飾品など身のまわり品)、婦人服飾雑貨、食料品、紳士服・洋品だった。
訪日客数、5月として過去最多369万人
日本政府観光局(JNTO)が6月18日に発表した5月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比21.5%増加し5月として過去最多の369万3300人だった。
5月は桜シーズンと夏休みの間で例年落ち着く時期であるが、祝日、スクールホリデーに合わせて訪日需要が高まり中国、フィリピン、米国を中心に訪日客数が増加した。これで25年1月〜5月の合計数は1814万人となり5か月で昨年の3687万人のほぼ半数に達した勘定となり順調に伸びている。
(図表5参照)
訪日客数、トップは韓国、次いで中国、台湾、米国、香港
国・地域別の順位は、韓国からの訪日客が82万5800人と最も多く、次いで中国(79万人)、台湾(54万人)、米国(31万人)、香港(19万人)の順で、この上位5か国が全体に占める比率は72%だった。前年同月比で唯一減少したのは香港で、SNSを中心に日本で大地震が発生するという流言飛語が飛び交い日本への旅行を見合わせる動きが出たことが大きく影響した。
全体として訪日客数が順調に伸びている要因は、島国である日本への最大のアクセス方法である航空便の増便・新規就航やクルーズ船が増加していることにある。
韓国は、中国などへの旅行需要が高まりつつあるものの清洲〜漢城間、清洲〜帯広間の新規就航や、仁川〜成田間の増便、仁川〜富山間のチャーター便運航等により訪日客数は5月として過去最高を記録した。
中国は、上海〜関西間、天津〜羽田間のフライト増便等による座席数増加やクルーズ船の寄港、労働節や端午節休暇の影響もあり5月としては過去最高を記録した。
台湾は、台北桃林〜米子間の新規就航、高雄〜関西間の増便や台北桃林〜南紀白浜間のチャーター便の運航とクルーズ船寄港の影響により5月として過去最高を記録した。
米国は、イースター休暇とスクールホリデー(夏季休暇)の間の訪日旅行は落ち着く時期ではあったが、継続する日本人気や混雑するシーズンを避け5月に訪日する需要が一定数あったことにより訪日客数は5月として過去最高を記録した。ロシアは、ウクライナ侵攻による各国からの制裁などによる影響が続いているが、5月上旬の連休やクルーズ需要の高まりのほか、中国経由を始めとした経由便の多様化もあり昨年比139.9%増と最大の伸びを示し5月として過去最多であった。
21か国・地域が5月として過去最高

単月で過去最高を更新したのは、インド。また、5月として過去最高を記録したのは、韓国、台湾、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ベトナム、豪州、米国、カナダ、メキシコ、英独仏伊、スペイン、ロシア、北欧地域、中東地域の11の国・地域だった。
(図表5参照)
