3月免税品売上高、円高と世界景気不透明感響き3年ぶり減少

 日本百貨店協会が4月25日に発表した3月の百貨店インバウンド売上高(免税売上高)は、22年3月以来3年ぶりにマイナスに転じ前年同月比10.7%減の442億2千万円だった。

 花見シーズンを迎え購買客数は3月としては過去最高を記録したが、円高や世界的な景気不透明感から高級時計やブランド品などの高額品の買い控えにより売上高が減少した。

 一方、インバウンド売上高を含む3月の全国百貨店売上高は、全国的に寒暖差の大きい不安定な天候要因から春物商品の動きが鈍かったほか、インバウンド売上高が低調だったことから売上高は2ヶ月連続で前年を下回り前年比2.8% 減の4953億円で、入店客数も2.6%減前年を下回った。

 インバウンド売上高が全国百貨店売上高に占める構成比率は前月の12.7%から8.9%に大きく低下した。
(図表1、2参照)

購買客数、3月として過去最多52万人

 3月のインバウンド購買客数は、前年同月比13.4%増の51万5千人で、3月としては過去最多だった。

 国別では、前月に続いて中国が最も多く、次いで台湾、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアの順であった。

一人当たり購買単価 5年ぶりの低水準

 3月の一人当たり購買単価は、前月に続き2ヶ月連続で低下し前年同月比21.3 % 減少し約8万5千円と、20年2月以来の最低水準に低下し高額品の買い控えを反映した。

売上人気商品、化粧品・ハイエンドブランド・食料品・婦人服飾雑貨

 売上の人気商品は、前月と変わらず化粧品、高級ブランド(バッグ、時計、宝飾品など身のまわり品)、食料品、婦人服飾雑貨、婦人服だった。

訪日客数、3月として過去最多350万人 1-3月合計、最速1000万人突破

 日本政府観光局(JNTO)が4月16日に発表の3月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比13.5%増加し3月として過去最多の349万7600人だった。今年1月〜3月の累計は前年に比べて23.1%増の1053万7300人に上り、過去最速で1000万人を突破した。

 春の開花シーズン入りによる訪日旅行人気の高まりや、中国からの旅行者が戻ってきたこと、引き続き欧米豪からの訪日客が増加したこと、イスラム教の断食明け休暇の影響等で、マレーシア、インドネシアなど東南アジアのイスラム教の国々や中東からの訪日客が増加したことが主な要因である。

訪日客数、韓国首位、次いで中国・台湾・米国・香港

 インバウンド全体の約8割を占めているアジアの国が昨年に比べ約23%伸び、さらに欧米諸国も22%増加した。

 3月の国・地域別の順位は、韓国からの訪日客が69万1700人と最も多く、次いで中国(66万人)、台湾(52万人)、米国(34万人)、香港(21万人)の順で、この上位5ヶ国が全体の約7割を占めた。前年同月比でみると、インドネシアからの旅行者が61%増と最も大きく伸び6万人を超えた。

 韓国は、為替レートがウォン安傾向になったものの仁川〜熊本間や釡山〜中部間等の増便や、清洲〜花巻間等のチャーター便運航等があり訪日客数は3月として過去最高を記録した。

 中国は、北京〜関西間、成都〜関西間などのフライト増便や他のアジア地域よりも日本の人気が高く前年同月比46%と大きく伸びた。米国、カナダ、フランス、中東等6ヶ国が単月で過去最高を更新したほか、韓国や台湾、タイ、シンガポール、インドネシア、インド、豪州、英仏伊、スペイン等11ヶ国・地域が3月として過去最高を記録した。
(図表3参照)

1-3月インバウンド消費額2.2兆円前年同期28%増 経済効果4.6兆円

 観光庁が4月16日に発表した25年1―3月のインバウンド消費額(訪日外国人旅行消費額)の一次速報値は、過去最高を記録した24 年10―12月(2兆2969億円)にわずかに及ばなかったが、前年1―3月比28.4%増の2兆2720億円だった。訪日観光支出がもたらす経済効果は、過去から判断すると消費額のおおむね2倍程度であることから、1月から3月期の経済効果は4.6兆円程度と推測している。

 一方、一人当たり旅行支出は22.2万円で昨年同期比約5%増加した。

消費額首位、中国、次いで台湾、韓国、米国、香港

 国籍・地域別では、中国の消費額が5443億円と最も多く、次いで台湾(3168億円)、韓国(2824億円)、米国(2188億円)、香港(1534億円)の順で、この5ヶ国で約67%を占めた。

買物代の消費額に占める比率横ばい

 費目別の旅行消費額の構成比率(金額)は、宿泊費が33.4%(7585億円)と最も高く、次いで買物代29.3%(6661億円)、飲食費22.5%(5119億円)、交通費10.0%(2279億円)だった。

 宿泊費、飲食費は構成比と金額ともに前年から増加した。

 買物代は金額が前年の5 2 2 0 億円から1441億円増加したものの全体の旅行消費額も同程度伸びたことから構成比率はほぼ横ばいだった。
(図表4参照)

買物代は中国が突出

 国籍・地域別の買物代は、中国(2223億円)が突出しての首位で、次いで台湾(1052億円)、韓国(729億円)、香港(495億円)、米国(467億円)。

 一方、一人当たり買物代は平均6.4万円で、最も大きいのは中国(10.3万円)、次いでロシア(9.9万円)、シンガポール(8.7万円)、香港・マレーシア(7.7万円)の順であった。

 他の費目では、宿泊費、飲食費は豪州が最も高く、交通費は英国(4.5万円)、娯楽等サービス費は豪州(3.5万円)が最も高かった。

大阪・関西万博開幕 来場者数に注目

 4月13日、20年ぶりに日本での国際博覧会 EXPO2025大阪・関西万博が開幕した。

 過去最多の158ヶ国・地域、国際機関が参加して10月13日まで184日間開催される。政府は来場者数を2820万人、うちインバウンド(訪日外国人)を350万人と想定。中には800万人と予想する関西の財界人もいる。民間研究所によるインバウンド消費予想額は、2930億円。今後、大阪・関西万博の来場者数が注目される。

トランプ関税と円高による消費への影響に注目

 今年1月20 日、第47代米大統領に就任したトランプ氏が打ち出した関税政策により円ドル為替レートが年初の1ドル157円台から、4月21日には一時139円台まで急速に円高が進んだ。今後、各国との協議が進む中での経済と為替の動向や、円高が訪日外国人の消費に与える影響が注目される。