2024年4 月 百貨店のニュース
2024年4月25日情報を更新しました
百貨店大手4社、3月も全社増収 高額品の好調続く
2024年4月1日
百貨店大手4社は、3月の既存店売上高が前年同月比で増収となったことを発表しました。全社で1年以上にわたり増収が続いています。引き続き、高級ブランドや宝飾品などの高額品が人気で、インバウンド(訪日外国人)の来店も増えています。中でも高島屋の免税売上高は過去最高を記録しました。
具体的な売上高の数字は、高島屋+21.2%、エイチ・ツー・オーリテイリンググループの阪急阪神百貨店+19.9%、三越伊勢丹+17.3%、J・フロントリテイリンググループの大丸松坂屋百貨店は+13.7%でした。
高額品の需要が高まっており、大丸松坂屋ではラグジュアリーブランドの売上高が28.3%増加しました。三越銀座店ではハンドバッグの売上高が54.3%増加、阪急本店でも宝飾品の売上高が50%増加しました。
免税売上高では、高島屋と阪急阪神百貨店が過去最高を更新しました。大丸松坂屋は2.9倍、三越伊勢丹は90%増加しました。アジアからの来店客が多く、ラグジュアリーブランドや宝飾品、時計などが人気です。
一方で、寒い日が続いたため春物衣料は苦戦しました。また、桜の開花が平年より遅かったため、花見向けの総菜や弁当などの食料品の販売が予想を下回る店舗もありました。
「阪神・にしのみや」4月にリニューアル、駅直結の百貨店はどう変わる?
2024年04月04日
阪急阪神百貨店は、阪神電車西宮駅直結の阪神百貨店「阪神・にしのみや」をリニューアルオープンすることを発表しました。オープン日は4月17日です。阪神・にしのみやは2003年にオープンし、23年3月に開業20年を迎えた施設で、2階フロアの大部分と1階食品フロアの一部を改装しました。
2階フロアには、インテリア雑貨「デコホーム」やアパレルブランド「N+」、100円ショップ「ダイソー」、新ブランド「Standard Products」の4店舗がオープンします。1階食品フロアには、総菜ブランド2店舗が出店し、「Eashion」では見た目、味、サービスにこだわった総菜や弁当を提供し、「コロッケのいろは」ではコロッケを中心とした総菜などを取り扱います。
同社は「地元・西宮をはじめとする多くのお客さまの暮らしにいつも寄り添う『地域密着型百貨店』として引き続き歩んでいく」と述べています。 gooニュース
伊勢丹40年新潟と歩む 県内唯一の百貨店
2024年04月04日
新潟市中央区の百貨店「新潟伊勢丹」は開店40周年を迎えた。1964年の新潟地震で被害を受けた万代地区の再開発の一環として開店し、地区の発展に貢献してきた。百貨店業界は厳しい状況にあるが、新潟伊勢丹は接客重視の販売戦略に転換し、生き残りを図っている。開店40周年の式典では多くの関係者や来店客が集まり、祝賀ムードに包まれた。
万代地区は新潟地震後に再開発が進み、商業エリア「万代シテイ」が開業した。新潟伊勢丹は1984年に同エリアで開店し、当時は約10万人の来店客で賑わった。その後も新潟伊勢丹は地区の発展に貢献してきた。
しかし、最近は百貨店の経営環境が厳しく、県内では「大和」や「新潟三越」などが相次いで閉店し、新潟伊勢丹が県内唯一の百貨店となった。新潟伊勢丹は生き残りを図るため、「個客業への転換」を販売戦略として掲げている。これまでは広告による集客に力を入れていたが、今後は各分野に精通した販売員を配置し、個人のニーズに対応した接客に力を入れる予定である。
新潟伊勢丹の桜井社長は百貨店の強みを「上質な暮らしを支えられること」とし、この地で商売し続けたいとの意欲を示している。 読売新聞オンライン
「ハルカス本店以外、複合商業施設に転換」…近鉄百貨店社長に梶間隆弘氏
2024年04月11日
近鉄百貨店は10日、秋田拓士社長(67)が代表権のない会長に就き、後任に梶間隆弘・取締役常務執行役員(62)が昇格する5月23日付の人事を発表した。 コロナ禍で落ち込んだ業績が回復し、収益力の強化に一定のめどがついたことから、若返りを図る。
梶間氏は、四日市店(三重県四日市市)を中心に店舗で営業畑を長く歩んできた。 オンラインで記者会見した梶間氏は「人口減少は避けて通れない。郊外にある店舗をさらに地域住民の役に立つ店に作り替えたい」と意気込んだ。
秋田氏は2019年に社長に就任した。交代の理由について、「コストを抑えて利益が確保できる構造になったと確信できた」と説明した
近鉄百貨店は10日、あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区)以外の9店舗について、百貨店から複合商業施設へと業態転換を図る方針を明らかにした。
秋田拓士社長はこの日の決算記者会見で、「旗艦店の本店と郊外店の戦略を二極化させる」と述べ、郊外店について「地域の特徴に合わせて『デパ地下』の食料品や専門店をそろえ、競合となる地元のショッピングセンターやスーパーと差別化する」と強調した。
秋田社長は、郊外店の勤務経験が長く、ブランド力のある有名チェーンとフランチャイズ(FC)契約を結び、自ら運営するという百貨店には珍しい事業モデルを軌道に乗せた立役者だ。
FC事業を立ち上げたのは、四日市店の店長だった2016年。担当者と一緒に企画から練り上げ、チェーン店との商談の場にも加わった。現在、FCは近鉄百貨店全体で60店を超えるまでに広がり、収益の柱に成長した。秋田氏は「現場を知りつつ、中長期的な戦略を描ける」と太鼓判を押す。
この日の記者会見でも「まずは現場を回りたい」と力を込めた。地方の百貨店が苦境に陥る中、全10店のうち大半を郊外に構える近鉄の経営環境も厳しい。新たな成長の道を描けるか。手腕が問われる。 読売新聞オンライン
全国で閉店相次ぐなか百貨店が“過去最高益” 絶好調の百貨店を支える訪日外国人【Nスタ解説】
2024年4月22日
円安を追い風に、訪日外国人観光客数が過去最高を更新。そして、2024年2月までの1年間で“過去最高”を更新し、今、百貨店が絶好調です。
都市部の百貨店が好調で最高益を更新している一方で、地方の百貨店は閉店し店舗数が減少している状況が報告されています。インターネット通販の普及やスーパーとの価格競争が厳しさを増しており、百貨店業界には二極化が起きています。また、安価な円相場が増えることでインバウンド需要は増加するが、同時に日本が貧しくなる可能性も指摘されています。 TBS NEWS DIG
松本駅前の「井上百貨店」 来年3月末で営業終了へ
2024年4月24日
松本市唯一の百貨店で松本駅前のシンボルとして親しまれてきた「井上百貨店」が店舗の老朽化などを理由に来年3月末で営業を終えることになりました。
松本駅前にある「井上百貨店」は、1979年にオープンした地上7階、地下1階の市内唯一の百貨店です。 売り場面積は8000平方メートル余りで、中高年層を中心とした多くの市民らに親しまれてきました。
井上百貨店は、今からおよそ140年前の1885年に、「井上呉服店」として松本市で創業しました。 その後、百貨店となり、1979年には今の松本駅前の店舗に移転しました。 1980年代ごろには、年間200億円ほどの売り上げがあったということですが、ここ数年は郊外型の大型店との競合などを背景に売り上げが最盛期の半分以下となっていました。
今後は、売り上げが好調な山形村にある系列のショッピングセンター「アイシティ21」に重点投資する方針で、井上百貨店のテナントの一部には「アイシティ21」に移ってもらうことを検討しています。
「井上百貨店」が来年3月末での営業終了を発表したことを受けて、街の人からは、来年2月の松本パルコの閉店も決まっているので、街のにぎわいが失われないか心配する声などが聞かれました。
松本市の井上百貨店の閉店について、市長は市内の商業やサービス業に影響があるとしつつも、街を更新するタイミングであると捉え、中核エリアを再活性する機会と捉えていると述べた。そのため、中核エリアの再設計に専門家を交えて取り組み、今年度中に中心市街地活性化の方向性を検討する方針を示した。
最近、百貨店の閉店は全国で相次いでおり、業績の悪化や老朽化が理由とされている。
井上百貨店公式サイト 井上本店についてお知らせ