7月インバウンド売上高5 か月連続減少 - 前年の反動減、高額消費冷え込み

前年の反動減、高額消費冷え込み
日本百貨店協会が8月25日に発表した7月の百貨店インバウンド売上高(免税売上高)は、前の年の同じ月に比べ36.3%減少と前年比5か月連続のマイナスの約403億4千万円だった。
その主な要因は、過去3番目に高い数字を出した24年7月(633億2千万円)の反動と、香港、韓国を中心に購買客数が減少したことである。
全国百貨店売上高、6か月連続マイナス



一方、国内市場の売上は夏物衣料や服飾雑貨等の盛夏商材が好調に推移し前月より売上高、入店客数は一部改善したものの、全国的に記録的な猛暑が続き、主要顧客層の入店客数が減少したことやインバウンド売上の減少により、7月の全国百貨店売上高は、6.2%減と6か月連続のマイナスで4683億円だった。
なお、インバウンド売上高が全国百貨店売上高に占める構成比率は、ほぼ前月と変わらず8.6%であった。
(図表1、2、3、4参照)
購買客数、今年最少
7月のインバウンド購買客数は前年同月比16.7%減少し47万6千人だった。伸び率では24 年5月に記録した前年比133%をピークに下落傾向が続き、今年5月からは前年比3か月連続マイナスとなった。
国別の購買客数は、香港、韓国が大幅に減少した半面、中国、台湾が徐々に回復傾向になったことから、中国が最も多く、次いで台湾、韓国、タイ、シンガポール、マレーシアの順であった。
参考に購買客数が最も多かったのは24年6月の57万9千人である。
一人当たり購買単価、低水準続く
高額品の買い控えから一人当たり購買単価は、2月以来6か月連続で前年比マイナスで、前年同期比23.6%減少し約8万4千円だった。なお、24年5月の一人当たり購買単価12万6千円が、これまでで最も高かった。
売上人気商品、化粧品・ハイエンドブランド・食料品・婦人服飾雑貨
売上の人気商品は、前月とほぼ変わらず化粧品、ハイエンドブランド(バッグ、財布、宝飾品、時計など身のまわり品)、食料品、婦人服飾雑貨、美術・宝飾だった。
訪日客数、7月として過去最多343万人
日本政府観光局(JNTO)が8月20日に発表した7月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比4.4%(14.4万人)増加し、7月として過去最多の343万7000人だった。
東アジアや欧米豪・中東を中心に多くの国・地域でスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりがみられた。特に、客数が昨年比19万人増加した中国がけん引したほか、台湾(3.2万人増)、米国(2.5万人増)、フランス(9千人増)やインドネシア、インドなど多くの国からの客数が増加し、日本で7月に大地震が起きるというデマ情報がSNSで拡散して訪日客数が減少した香港(10万人減)、韓国(7.9万人減)の影響を打ち消した格好である。
7月訪日客数、トップは中国、次いで韓国、台湾、米国、香港

7月の国・地域別の順位は、中国からの訪日客が97万4500人と最も多く、次いで韓国(67万人)、台湾(60万人)、米国(27万人)、香港(17万人)の順で、この上位5か国で全体の79%を占める。
(図表6参照)
台湾からの訪日客数過去最高、15か国・地域が7月として過去最高
単月で過去最高を更新したのは、台湾。また7月として過去最高を記録したのは、インドネシア、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、メキシコ、英独仏伊、スペイン、ロシア、北欧、中東の15の国・地域だった。
上位5か国の動き

中国は、97万4500人(前年同月比25.5%増) であった。上海〜熊本間、青島〜静岡間の新規就航、瀋陽〜関西間、上海〜広島間の増便等を含む地方路線による航空座席数の増加、クルーズ船の寄港、スクールホリデー等の影響もあり、訪日外客数は前年同月を25.5%上回り、25年1月(98万人)以来の最多で、これまで最多の19年7月の105万人に迫ってきた。
(図表5参照)
韓国は、67万8600人(前年同月比10.4%減) であった。地方路線による航空座席数の増加やスクールホリデー等はあったものの、東南アジアや中国等への旅行需要の高まりに加え、日本で大地震が発生するという根拠のない情報がSNS 等で拡散されたことから、訪日外客数は前年同月を下回った。
台湾は、60万4200人(前年同月比5.7%増) であった。高雄〜仙台間の新規就航、高雄〜成田間の増便、台北桃園〜石垣間のチャーター便運航をはじめとした航空座席数の増加、スクールホリデー等の影響もあり、訪日外客数は単月として過去最高を記録した。
米国は、27万7100人(前年同月比10.3%増) であった。スクールホリデーによる若年層の訪日需要の高まりに加え、継続する訪日旅行人気もあり、訪日外客数は7月として過去最高を記録した。
香港は、17万6000人(前年同月比36.9%減) であった。日本で大地震が発生するというデマ情報や、7月中旬に香港に接近した台風による航空便への影響もあり、訪日外客数は前年同月を下回った。
(図表6参照)
4-6月期インバウンド消費、過去最高

観光庁が7月16日に発表した25年4-6月期のインバウンド消費額(訪日外国人旅行消費額)の1次速報値は、前年同期比18.0%増の2兆5250億円と過去最高だった。一人当たり旅行支出額は23万9千円と24年4-6月期に並ぶ最高額を記録した。
一方、一人当たり買物代は、6万1947円で、24年同期(7万2741円)比15%下落した。
(図表7参照)
24年高単価購入物、貴金属、革製品、時計など
24年の「訪日外国人の消費動向」年次報告書(観光庁)によると、インバウンド消費額の上位5か国の韓国、台湾、香港、中国、米国の買物代の中身で、最も購入者単価の高いものは、宝石・貴金属、靴・かばん・革製品、時計・フィルムカメラが共通している。
6割が百貨店で買い物
訪日客の買い物場所は、コンビニエンスストア(84.1%)、空港の免税店(59.1%)、百貨店(58.6%)、ドラッグストア(57.0%)、スーパーマーケット(48.4%)の順で選択率が高かった。
23年と比較すると順位は変わらないが全てで選択率が数パーセント上昇している。こうしたことから、一人当たり買物代も23年5万6098円から24年6万46円に増加している。
