2026-09アメリカ・デパート(他海外)ニュース

仏百貨店ル・ボン・マルシェが“日本”一色 高級路線から転換、日本のコンビニが着想源
2026年9月21日(月)
パリの老舗百貨店ル・ボン・マルシェ・リヴ・ゴーシュでは、10月18日まで、日本の日常生活を紹介する全館企画展「スーパー・ジャポン」が開催されている。 この企画は、日本のコンビニエンスストアを着想源とし、欧米で高まる日本への関心を背景に、日本人にとって身近な商品や文化を幅広く紹介する試みである。 従来の日本紹介では伝統工芸や職人技、高級品が中心だったが、今回は機能性と細やかな工夫を備えた日用品、遊び心のある文房具、美容用品、調理道具などに焦点が当てられている。
地上階には日本食材店「イラッシャイ」が出店し、調味料、だし、ソース、菓子など約500品を、製法や使い方、食文化の背景を説明するフランス語ラベル付きで販売している。 食器、包丁、コーヒー器具、卵焼き用の四角いフライパンなども並び、日本人には身近な道具が、外国人には独自の形状や機能を持つ新鮮な商品として受け止められている。
ロフトとの協働による文房具売り場では、動物や果物の付箋、寿司やだるまのチャーム付きペン、招き猫のノートなどを展開し、訪日客にも人気の付箋やシールは開幕後すぐ追加納品が必要になるほど好調である。 欧州初出店となるロフトは、今回の企画を市場調査の機会と位置付け、将来的な欧州展開や、日本でフランスを紹介する双方向の交流も視野に入れている。
ファッションでは、テンベアやオーシャン&グラウンドなど、日常的に使える日本ブランドを紹介し、キッズ売り場ではモンチッチ、たまごっち、ハローキティを通じて日本のカワイイ文化を発信している。
また、古陶磁器、着物、こけし、漆器などを扱うヴィンテージ販売や、手巻き寿司、もち作り、抹茶、あんパン、メロンパンを楽しめる体験型企画によって、商品だけでなく日本文化の作り方や味わい方も伝えている。 サカイの期間限定店には行列ができ、日本のファッションが伝統的なイメージにとどまらず、現代的で国際的なブランドとして支持されていることを示した。
美容分野では、Jビューティー専門店「ビジョ」が、手頃なドラッグコスメから美容機器までをそろえ、AIミラーによる比較、頭皮ケア、フェイシャルトリートメント、メイクなどの体験サービスも提供している。 さらに、訪日経験やSNSを通じて日本商品を知る消費者が増えるなか、円安による訪日旅行の活発化も追い風となり、食品や文房具、美容用品など日本の日常的な商品が、伝統工芸品以上に継続的な海外需要を生み、日本の日常がフランスの生活に定着する可能性を示している。


