7月インバウンド売上高、25%増で5か月連続プラス
日本百貨店協会が8月25日に発表した7月の全国百貨店における外国人旅行者向け免税売上高(インバウンド売上高)は、前年同月比25・5%増の約506億2千万円となり、5か月連続で増加した。
インバウンド購買客数、9か月ぶりに前年同期プラス 円安で高額品需要が堅調

インバウンド購買客数は、前年同期比3.0%増の約49万1千人となり、9か月ぶりに前年同月比でプラスへ転じた。円安を背景に高額品需要が旺盛で、客単価は前年を約2割上回った。

国・地域別では、香港、韓国、台湾が高い伸びを示した。一方、中国は購買客数が約26%減少したものの、売上高は約5%増加し、2か月連続で前年を上回った。
(図表1、2参照)
全国百貨店売上高、7か月連続で前年超え 高額品と夏物商材が堅調
全国百貨店売上高は、前年同月比2.1%増の約4、889億円となり、7か月連続で前年実績を上回った。売上の9割を占める国内売上は、ラグジュアリーブランドや宝飾・時計などの高額品が引き続き好調に推移した。中旬以降の猛暑を背景に、衣料品や服飾雑貨など夏物商材の動きが活発化した。
下旬には、夏休みや帰省に伴う手土産・旅行需要が高まったほか、各社企画のファミリーイベントや物産展などの食品催事も集客に寄与した。インバウンド需要についても、ラグジュアリーブランドなどの高額品が引き続き堅調であった。
日経平均株価は昨年末の5万339円から、6月26日に7万2366円の過去最高値を更新した後、もみあい月末には6万4362円だった。株高による資産効果が国内富裕層の購買意欲を刺激し、時計や宝飾品など高額品は引き続き大きく伸びた。
来店客数の上位は中国、台湾、韓国、香港
国別順位は前月とほぼ変わらず、中国が最多で、台湾、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアが続いた。
一人当たり購買単価高い伸び継続し売上増に
一人当たり購買単価は約10万3千円。前年からの増加率は21.8%と、前月の30.4%に続き高い伸びとなった。円安基調に加え、高額品の価格上昇が単価を押し上げ、7か月連続で前年を上回った。その結果、客数は微増ながらインバウンド売上高の大幅増加につながった。
人気商品は化粧品とハイエンドブランド
売上構成の上位5品目は前月と変わらず、化粧品、ハイエンドブランド食料品、婦人服飾雑貨、婦人服が引き続き売上を牽引した。
日本の物価水準、G7で最も低水準 長期的な低インフレと円安が要因
日本の物価水準は、G7諸国の中で最も低い水準となっている。背景には、1991〜2020年の「失われた30年」に食料品、婦人服飾雑貨、婦人服が引き続き売上を牽引した。日本の物価水準、G7で最も低水準 長期的な低おいて、消費者物価上昇率がほぼゼロで推移したことがある。同期間、欧米諸国の物価上昇率は概ね2%前後で推移しており、日本との差が累積した。
直近5年(20202025年)でも、G7主要国が3〜5%となる一方、日本は2%台にとどまり、最低水準を維持した。こうして約25年にわたる低い物価上昇率の累積が、日本の物価水準を相対的に押し下げる要因となっている。
さらに、円安の進行が訪日客にとっての「安いニッポン」観を強めている。円ドルレートは、年初の154円台から7月下旬には40年ぶりとなる163円台まで円安が進んだ。
訪日客数、7月は4か月ぶりに増加 7月として過去最高344万人

日本政府観光局(JNTO)は8月19日、7月の訪日外国人旅行者数(推計)が344万2100人となり、前年同月比0・1%増加したと発表した。増加は3月以来4か月ぶりとなる。
7月はインバウンド需要が落ち着く時期だが、学校の休みや航空便の座席数増加が追い風となり、韓国・台湾が大きく伸びた。特に台湾は単月で過去最高を記録し、初めて70万人を超えた。また、昨年は「日本で大地震が発生する」とのデマがSNSで拡散し日本への旅行を敬遠した香港が、今年は54%増と大幅に回復した。
(図表3参照)
中国、8か月連続減少

中国は、令和7年11月に中国政府が訪日自粛を呼びかけ日中関係が冷え込んだ影響で、訪日客が8か月連続で減少した。7月の訪日客数は前年同期比56%減の42万人となった。
(図表4参照)
韓国が最多89万人、全体の3分の2の国・地域が7月として過去最高

7月の訪日客数は、韓国(89万人)が最も多く、続いて台湾、中国、米国、香港の順となった。これら上位5か国で全体の約77%を占め、訪日市場の中心を形成している。
また、全23の国・地域のうち、17か国・地域が7月として過去最高を記録した。過去最高となったのは韓国、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、米国、カナダ、メキシコ、英国、フランス、インド、イタリア、ロシア、中東地域、北欧地域、スペインなどで、幅広い地域で訪日需要が力強く回復している。(図表4、5参照)
訪日客上位5か国の動向訪日客、韓国・台湾・米国で過去最高 中国は大幅減
- 韓国894、700人(前年同月比31.9%増)
訪日人気の継続に加え、今年から追加された祝日により3連休となったこと、学校休み、航空座席数の増加などが追い風となり、7月として過去最高を記録した。
- 中国428、200人(同56.1%減)
中国政府が日本への渡航を控えるよう注意喚起したほか、減便の影響もあり、学校休みがあったものの前年同月を大きく下回った。
- 台湾763、800人(同26.4%増)
台風による航空便への影響はあったものの、訪日人気の継続に加え、学校休み、航空座席数の増加、クルーズ船の寄港などが寄与し、単月として過去最高を更新した。
- 米国286、200人(同3.3%増)
訪日人気に加え、学校休みの影響もあり、7月として過去最高を記録した。
- 香港272、500人(同54.4%増)
前年は地震情報がSNSで拡散され訪日需要が落ち込んだが、今年は台風の影響があったものの、学校休みや航空座席数の増加が寄与し、前年同月を上回った。


